皆様こんにちは!梅田店店長ファジー日下部です!!
ギターサウンド徹底解剖【第一楽章】にてエレキギターが持つサウンドの要素を一つずつ順を追って復習を行いましたね。
さてでは今回は第二楽章ということでダミーロード/ロードボックスについて、PA、レコーディング、プレイヤーの全ての視点から紐解くべく、ゲストに関西圏にてレコーディング、PA、ハードウェアエンジニアとして活躍するイストワール 原田氏を迎えてレビューしていきたいと思います。
関西圏を中心にPA、SR、保守点検、音響設備配線、納品設置、電気工事、出張録音、MIX、音楽製作など多岐に渡り活躍するエンジニア。自身もギター、ベース、ドラムなど様々な楽器を会得し自宅スタジオにて収録も行う。
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今回は2種類の試聴音源をご用意しております。
素材はTheGoldProductsにて使用したリードギターとバッキングギターで、同様の接続にてリアンプして収録を行っております。
今回の収録機材について
インターフェイス&REAMP
Antelope / Discrete 8 Pro SynergyCore
ギターケーブル
ORB / J7-Phone Ultimate Pro S-S
マイクケーブル
ORB / J10-XLR Pro
キャビネットシミュレーター
TWO NOTES / GENOME
では早速サウンドを聴いていきましょう!
原田氏「うん。デジタルチックで解像度が高いサウンドって印象ですね。」
日下部「そうですね。弦の分離感が良く出ていて綺麗ですね。開放弦を混ぜたストロークとかだとより目立ちそうですね。」
原田氏「今回はキャビシュミ統一するということでしたが、OXはキャビネットシミュレーターも搭載されているのでそれでもまたキャラクターは変わりそうですが、ラインっぽさも残しつつアンプ実機の温かみを持っているので良いバランス感です。」
日下部「アッテネーションという点ではどうでしょうか?」
原田氏「今回のこの音源一つからはわからないと思いますが、OXはアッテネーションしていくにつれてややハイパスがかかるような印象で音量が下がっていくのでこもった印象はなく、明瞭度を残しつつボリュームだけを落としていく感じです。」
日下部「少し人間の聴覚に近い感じでしょうか?」
原田氏「そうですね。ラウドネスというか、音圧を絞る感じですね。これも含めて音作りしていく必要があると思います。」
日下部「パッと聞いた感じ、アンプで作ってたサウンドにすごく近い印象ですね。」
原田氏「そうですね。通した瞬間は少し音変わるかな?とも思ったのですが、面白いのがこのDepthとPresenceというこの二つのツマミですね。簡単にいうとそれぞれ低音成分と高音成分のEQのような感じなのですが、ここでの調整が繊細でナチュラルなので、それがアンプで流してたサウンドと同じ温度感に近づけたりしやすくて使いやすいですね。」
日下部「あとインプットのOKレベルってインジケーターがついてるのも初心者でも使いやすくて嬉しいですね。ちなみにこちらのアッテネーションはどうでしょう?」
原田氏「こちらのアッテネーションは非常にバランスよく、自然にアッテネーションしてくれる感じます。OXはハイ残しで綺麗に下がっていってましたが、一方でReload II は減衰を感じないアッテネーションで音量のみを下げた..って感触が近いです。」
日下部「確かに。アッテネーションを可変させると音量は変わりますが音の印象はあまり変わりませんね。つまりパワーアンプで突っ込んで歪み感は加えたいけど、音量は爆音になって欲しくないって場合は一番音作りしやすそうですね。」
原田氏「そうですね、DepthとPresenceだけ先にある程度決め込んでから音作りをして、最後にまたDepth、Presenceで仕上げって流れがすごく想像できますね。」
日下部「こちらはReload IIと同じTownotesのロードボックス、DIですが,Reload IIとの大きな違いでいうとアッテネーションの段階が3段階というところとヘッドホンアウトが搭載されているところですね。」
原田氏「そうですね。PAやライブでの使用を想定した場合のアッテネーションとしては、こちらはかなり有効ですね。Torpedo Captor XにもIRローダーが搭載されているので、ラインとアンプのどちらも音作りを詰められるのでプレイヤーユースにオススメですね。」
日下部「なるほど。確かにこのサイズでキャビネットシミュレーター、IRローダーを搭載し、ヘッドホンアウトもついてるので練習にもライブにもどちらにも使えますね。ヘッドホンでキャビネットシミュレーションがかかった音をモニターしながらドライ音だけ、もしくはウェット音と同時にレコーディングできるので宅録の味方ですね。ちなみにサウンドについてはいかがでしょうか?」
原田氏「Reload II に近いTow noteらしいナチュラルなサウンドであるのですが、Reload IIに若干及ばない感じ…これはあのReload IIの2バンドのEQせいでしょうね(笑)」
日下部「こちらはTorpedo Captor Xの弟分のような位置付けの機種ですがいかがでしょう?」
原田氏「これはパッシブなんですね。」
日下部「はい。シミュレーターを使う時だけファンタム駆動するって感じですね。」
原田氏「サウンドはパッシブでありながらがパッシブっぽさを感じさせないレンジの広さがある感じです。ローのなまりやハイの詰まりを感じないですね。」
日下部「確かにアクティブっぽい。」
原田氏「ですよね(笑)これでパッシブなのにびっくりしますね。正直ライブユースのみかと思ってましたが、これはレコーディングでも結構アリです。」
日下部「宅録にもぴったりですね。X同様キャビシュミ搭載なので深夜の練習にももってこいです。」
日下部「さてここまでロードボックスについて深掘りしてきましたがいかがでしょうか?」
原田氏「正直ここまで差が出るとは思ってなかったですね。やっぱりラインで録る場合に比べてアナログアンプ特有のダイナミックレンジの広いサウンドがしっかりと残りつつもエア録りした時と同じような段階まで持っていけるというのがギタリストとしてもエンジニアとしても嬉しかぎりです。」
日下部「そうですよね。もちろんエア録りででしか出せないニュアンスもありますし逆も然り、どちらも適材適所ではあるもののこのロードボックスという選択肢はそのどちらにも対応出来るギアになってますよね。あと個人的にはアナログアンプで練習した方がピッキングニュアンスや音作りが上達する気がしてて、Torpedo CaptorやTorpedo Captor Xは是非宅録ギタリストに導入してほしいですね。」
原田氏「ライブユースでも”無理な爆音を出さない音圧の追求方法”は今後の課題にもなってきますし是非今後研究してみたいです」
日下部「是非ロックオンで一緒に研究しましょう!この度はご協力ありがとうございました!」