スタッフレビュー

ギターサウンド徹底解剖【第二楽章】

2025.08.07

皆様こんにちは!梅田店店長ファジー日下部です!!
ギターサウンド徹底解剖【第一楽章】にてエレキギターが持つサウンドの要素を一つずつ順を追って復習を行いましたね。

さてでは今回は第二楽章ということでダミーロード/ロードボックスについて、PA、レコーディング、プレイヤーの全ての視点から紐解くべく、ゲストに関西圏にてレコーディング、PA、ハードウェアエンジニアとして活躍するイストワール 原田氏を迎えてレビューしていきたいと思います。


株式会社イストワール
原田 健司 氏


今回は2種類の試聴音源をご用意しております。

  1. パワーアンプドライブ無し
    SM57収録時と全く同じセッティングで、パワーアンプ直後でロードボックスを使用しラインレベルで取り出したものを収録、キャビネットシミュレーターを通した音源です。
    (キャビネットシミュレーターはTWO NOTES/GENOMEで共通)
  2. パワーアンプドライブ有り
    アンプのマスターアウトの出力を上げ、ロードボックスにて強めにアッテネートを行なった音源。
    当然サウンドはパワーアンプ部でブーストした際の独特の歪みが付加され変化しています。
    実際アッテネーターなしで鳴らすと普通に耳が飛びます。

素材はTheGoldProductsにて使用したリードギターとバッキングギターで、同様の接続にてリアンプして収録を行っております。

今回の収録機材について


インターフェイス&REAMP
Antelope / Discrete 8 Pro SynergyCore
ギターケーブル
ORB / J7-Phone Ultimate Pro S-S
マイクケーブル
ORB / J10-XLR Pro
キャビネットシミュレーター
TWO NOTES / GENOME

※備考:SM57を収録したレベルを基準値とし、SM57収録時と同様セッティングにし、キャビネットシュミレーターでは同じV30系の1発キャビとSM57のシミュレーションを行い、元のサウンドが近くなるよう調整を行なっております。

では早速サウンドを聴いていきましょう!


UniversalAudio / OX

1.パワーアンプドライブ無し

2.パワーアンプドライブ有り

原田氏「うん。デジタルチックで解像度が高いサウンドって印象ですね。」

原田氏「今回はキャビシュミ統一するということでしたが、OXはキャビネットシミュレーターも搭載されているのでそれでもまたキャラクターは変わりそうですが、ラインっぽさも残しつつアンプ実機の温かみを持っているので良いバランス感です。」

原田氏「今回のこの音源一つからはわからないと思いますが、OXはアッテネーションしていくにつれてややハイパスがかかるような印象で音量が下がっていくのでこもった印象はなく、明瞭度を残しつつボリュームだけを落としていく感じです。」

原田氏「そうですね。ラウドネスというか、音圧を絞る感じですね。これも含めて音作りしていく必要があると思います。」


Two Notes / Reload II

1.パワーアンプドライブ無し

2.パワーアンプドライブ有り

原田氏「そうですね。通した瞬間は少し音変わるかな?とも思ったのですが、面白いのがこのDepthとPresenceというこの二つのツマミですね。簡単にいうとそれぞれ低音成分と高音成分のEQのような感じなのですが、ここでの調整が繊細でナチュラルなので、それがアンプで流してたサウンドと同じ温度感に近づけたりしやすくて使いやすいですね。」

原田氏「こちらのアッテネーションは非常にバランスよく、自然にアッテネーションしてくれる感じます。OXはハイ残しで綺麗に下がっていってましたが、一方でReload II は減衰を感じないアッテネーションで音量のみを下げた..って感触が近いです。」

原田氏「そうですね、DepthとPresenceだけ先にある程度決め込んでから音作りをして、最後にまたDepth、Presenceで仕上げって流れがすごく想像できますね。」


Two Notes / Torpedo Captor X

1.パワーアンプドライブ無し

2.パワーアンプドライブ有り

原田氏「そうですね。PAやライブでの使用を想定した場合のアッテネーションとしては、こちらはかなり有効ですね。Torpedo Captor XにもIRローダーが搭載されているので、ラインとアンプのどちらも音作りを詰められるのでプレイヤーユースにオススメですね。」

原田氏「Reload II に近いTow noteらしいナチュラルなサウンドであるのですが、Reload IIに若干及ばない感じ…これはあのReload IIの2バンドのEQせいでしょうね(笑)」


Two notes / Torpedo Captor

1.パワーアンプドライブ無し

2.パワーアンプドライブ有り

原田氏「これはパッシブなんですね。」

原田氏「サウンドはパッシブでありながらがパッシブっぽさを感じさせないレンジの広さがある感じです。ローのなまりやハイの詰まりを感じないですね。」

原田氏「ですよね(笑)これでパッシブなのにびっくりしますね。正直ライブユースのみかと思ってましたが、これはレコーディングでも結構アリです。」


総評

原田氏「正直ここまで差が出るとは思ってなかったですね。やっぱりラインで録る場合に比べてアナログアンプ特有のダイナミックレンジの広いサウンドがしっかりと残りつつもエア録りした時と同じような段階まで持っていけるというのがギタリストとしてもエンジニアとしても嬉しかぎりです。」

原田氏「ライブユースでも”無理な爆音を出さない音圧の追求方法”は今後の課題にもなってきますし是非今後研究してみたいです」


登場製品

ファジー日下部
人類全員ファズ踏めばハッピー"をモットーにギターを弾いてますがマイクプリはクリーン系が好きです。
記事内に掲載されている価格は 2025年8月07日 時点での価格となります
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