今回ご紹介するKORG phase8はNAMMなどで公開され以前からとても話題を読んでいて、このシンセが気になっていた方も多いのではないでしょうか。
phase8は一般的なシンセと異なり、オシレーターの波形信号ではなく、アコースティック楽器のように物理的に音が鳴る発音機構を持ちます。
本体上部にあるカリンバのような金属プレートはスチール・レゾネーターと呼ばれます。
このスチール・レゾネーターは本体側からのボタン操作やシーケンスでの発音以外にも、
直接このプレートに手や物で「触れる」「叩く」などの物理干渉を行うことで音色に影響を与えられます。
本記事では発売前のKORG phase8、その独特な発音構造の仕組みを紐解きながら、音の特徴や実機レビューを中心に紹介していきます。

こんな感じのサイズ感です。お弁当箱よりちょっと大きいくらい。
重さは結構ずっしりとしてます。

スチール・レゾネーターは、基本は前述の通りボタン操作やシーケンスなど本体側からの発音以外にも、直接触れて演奏することも想定されております。
ピックアップの感度が高いのでレゾネーターを強くはじかなくても奥から手前に指をなぞるだけで音が鳴ります。
レゾネーターの真下のコイルに当たった際のカチカチという音も拾いますが、それもメカニカルな楽器らしい味ですね。
鉄琴や木琴のような鍵盤打楽器的な音色がベースで、基本は優しい音色、チルい音色という印象ですが、ピックアップに入る信号が強くなるとシンセっぽいキャラクターが強くなります。
例えばレゾネーターを少し強めにはじくことで、ピックアップへの入力が高まることでオーバーロードして歪むかと思いきや 「ミヨヨヨン」といったシンセ的な音になります。
シンセ的な音でありつつも、レゾネーターの振動具合が音色から感じとることができ、その挙動はアコースティック楽器的でもあります。
次はこのシンセ最大の特徴であるスチール・レゾネーターについて少し深掘りしていきます。
一般的なシンセの発音構造は、オシレーターでノコギリ波や矩形波、あるいはサンプル波形などを選択し、フィルターやアンプで音色を加工して作っていくものです。
しかしphase8はスチール・レゾネーターの振動を制御することで音色を作り、その音をピックアップで収音するという構造になっています。
モジュレーションやワンショットディレイのような機能がありますが、これはピックアップを通った後の音に対してエフェクトをかけているのではなく、入力される前の段階でレゾネーターへの振動に対して変調をかけたり、トリガー遅延を起こすことで、音色を作っています。
‥‥という内容をKORGさんに教えてもらいました。
当初私自身、この商品を単なるエレキ・カリンバのような楽器にエフェクトでシンセ的な音色を作っているものと勘違いしておりましたが、全く違うのですね。phase8は非常に高度でユニークな発音方式のシンセということです。
レゾネーターのプレートは本体に全部で13枚付属しており、その中から8枚を選んで本体にセットして使用します。

初期状態では
C3〜C4の♯や♭のない音、ピアノでいう中央の白鍵のドから
ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド
つまりCメジャースケールの1オクターブ分が装着されています。ピアノ黒鍵部分の♯や♭レゾネーターも付属しており、付属の六角レンチで交換することでCメジャー以外の調性にも対応可能です。

C♯、E♭、F♯ 、A♭、B♭と交換作業用の六角レンチ

レゾネーターの裏はこんな感じです。
(これもまたKORGさんから教えてもらったのですが)スチール・レゾネーターの音を拾っているピックアップは手前のコイルの巻いてあるものではなく、レゾネーター根元側の黒い部分だそうです。コイルが巻かれている丸い物体はドライバーで、これはボタン操作やシーケンスなど本体側からレゾネーターを鳴らす時、磁界を発生させてレゾネーター振動させるためのものだそうです。

FのレゾネーターをF♯に差し替え、CメジャーからCリディアン=(Gメジャー)に変更しました。
こんな感じの手順でレゾネーターのプレートを交換して、キーを変えることができます。
但しプレートの差し込む位置で結構音程はズレるので、取り替え時は最終的にチューニングをした方が良いと思います。
プリペアド・ピアノのようにレゾネーターの上に物を置いてシーケンスを走らせてみました。

その辺にあった物をレゾネーターの上に置いてみました。
基本、物を置くことでレゾネーターの振動を抑制するため、音程感のある音色から音程感のないパーカッシブな音に変化し、流れていたシーケンスが途端にJohn Cageみたいになりました。
素材の硬さで効果は違い、柔らかい布だとミュートさせた音になり、硬い素材だと共鳴したり、重さが軽いと部分的に影響を与え予想外の音になったり、色々な素材で試すと面白いと思います。
phase8は音源部分が非常にユニークなシンセで、シンセサイザーとアコースティック楽器の中間的な存在とも言えるでしょう。アコースティックな要素が加わることで、非常に奥が深く、思わず色々な実験をしてみたくなるシンセでした。
オリジナルのレゾネーターを自作してみたり、ギターエフェクターと繋いだりまだまだ試せることはたくさんありそうです。音色も温かみがあり、アコースティック楽器とも相性が良さそうだなと思いました。
phase8は独特なシンセではあるものの、機能はシンプルで操作も直感的なのでこれからシンセを始める方にもおススメできる商品です。
以上、KORG phase8の発売前実機レビューでした!
Phase8に、3種類の限定パーカッシブ・レゾネーターが付属した「Presale Exclusive Package」の予約受付を開始しました!
Phase8 presale exclusive package 発売日:3月27日 (金)
※初回入荷も限られた数量となることが予想されます。
※次回入荷時期は4月以降となります。
★通常版

