スタッフレビュー

悩ましい二択【比較レビュー】

2026.04.20

こんにちは。梅田店タムラです。

店頭にORIA miniの展示機が到着致しましたので、ARC STUDIO と比較レビューしていきたいと思います。

最近の音響補正の色々

まず昨今の音響補正事情をざっくり紹介させてください。ざっくり分けて3つあります。

・スピーカーで補正をかける

DSP搭載スピーカーに直接補正データを保存し補正するやり方です。主要メーカーだとGENELEC、NEUMANN、IK multimediaなどが対応するスピーカーを販売しています。スピーカー自身に補正データを保存してしまうので、使い勝手が非常に良く最も主流と言っても過言ではありません。しかし当然ながら対応しているスピーカーを選定する必要がありますので、予算は少し上がります。

・オーディオインターフェイスで補正をかける

オーディオインターフェイスの出力に補正データを読み込ませ出力する方式です。先の方式と異なりスピーカーを選ばないのが大きなメリットです。デメリットとしまして当然補正をかけるにはそのインターフェイスの使用が前提となります。またこちらも対応しているインターフェイスは限られてまして予算は上がる傾向にあります。主要どころであればApollo X gen2 シリーズ、RME一部製品、Audient一部製品などが対応してます。

・プラグインで補正をかける

DAWのマスターに補正プラグインをインサートしたりやスタンドアロンのソフトウェアで補正するタイプです。前述の2タイプとは異なり対応するハードウェアが必要ないので、導入ハードルは最も低いですがルーティングやバウンス時に補正をかけたままにしてしまったりと、少し扱いにくい印象です。

全てのいいとこ取り!

では、ARC Studio と ORIA mini はどのタイプなのか?実は3つの方式のいいところ取りなんです。

どちらも共通し以下の図の様に使用します。

オーディオインターフェイスとスピーカーの間に挟み込みます。補正データをスピーカーでもIFでもなく専用のデバイスに保存する形です。なのでこれらのデバイスが直接スピーカーの測定を行える訳ではなく、ソフトウェア / PCが必ず必要になるという点は要注意です。

このシステムであればスピーカーもインターフェイスも対応する機種は必要なく、今ある環境に追加するだけで使用できます。かつスピーカーを補正する為だけの機材になるので比較的リーズナブルに導入いただけます。

外観を見てみる

サイズ的にはARC STUDIOがやや小ぶり。とはいえORIA miniもよくある2inputのインターフェイスほど。接続方式はXLRとTRSで分かれてます。さらにORIA miniに関してはSPDIF端子入力、サブウーファー出力に対応。電源方式はORIA miniはUSBバスパワー、ARC STUDIOはアダプターからの給電になります。

少しORIA mini 優勢な雰囲気??

早速セットアップ

両機種して共通して以下のものが必要です。

・オーディオインターフェイス(48Vの供給ができるマイクプリ搭載)
・マイクケーブル

ソフトウェアでスピーカーを測定→補正データを作成 が共通の流れです。ARC STUDIOはARC X というソフトウェアに対応します。こちらは同社のスピーカーや最近話題のiLoud sub にも共通で使用する補正ソフトウェアになります。割と最近ARC 4 → ARC X にアップデートされまして、ARC STUDIOもしっかり対応済みです

一方ORIA miniは専用の補正ソフトウェアはなくSonarworks / Sound ID reference という他社の補正ソフトウェアにて測定、データを書き出しORIA mini専用ソフトウェアに流し込みという形になります。

余談ですが気づいたことが一つ。ARC STUDIOは電源が入っていなくても信号をバイパスしてくれます!ちょっとしたストレスがなさそうです。

実際に測定して聞いてみる

今回はついでにGENELECのGLM補正とも比較しようと思い、8320Aにて検証してみました。

・ARC Studio(ARC X)

ORIA mini(Sound ID Reference)

測定結果は大まかに同じ様な結果になりました。

第一印象は
ARC STUDIO→音がグッと近づいて密度が上がった、且つしっかり嫌な所は削られている
ORIA mini→補正前のキャラクターを壊さないナチュラル寄りの補正

どちらのサウンドが好みかと言われれば私はARC STUDIO に一票です。ただARC STUDIOはそもそもの8320Aの鳴り方と結構変わってしまった印象。一方でORIA mini はGENELECらしいサウンドもしっかり残した上で補正がかかってます。ちなみに後で試したGENELECのGLM kit を用いた補正はORIA mini と近い印象でした。

その他、単純な補正機能以外の部分はSound ID ReferenceやARC X など補正ソフトウェアに準拠します。特にARC Xは遊べる機能が多いので今年発売された話題沸騰中のiloud Subと合わせてまたの記事で紹介しようと思います。

こんな人にはこれ! 

・今のスピーカーに満足していない、買い替えを検討している

→ARC STUDIO です

ARC X 側にスピーカーをエミュレートする機能があるのでシンプルな補正に留まらず今あるスピーカーの違う顔を色々引き出せること間違いなし。

・スピーカーには満足しているがもっと追い込みたい…

→ORIA mini です

スピーカーをキャラクターを壊さずナチュラルに補正できます。さらに補正の強度もDry / Wet で調整できるのが嬉しいです。

・とりあえず音響補正をやってみたい

→ARC STUDIO です

主に予算のお話ですが追加で購入するものがないので比較的手軽にお試しいただけます。ARC STUDIOはアップグレード版もあるのでARC Xのソフトウェアのみで一度試してみても良いかもしれません。

 

・サブウーファーを持っている

→ORIA mini 一択です

ARC STUDIO は対応してません…


ORIA mini は買い方に注意!!

ORIA mini を使う為には3つ必要なものがあります。

・ORIA mini 本体
・Sound ID reference のライセンス
・Sound ID reference からORIA mini へ書き出す為のadd-onライセンス

販売についても3種類あり


・ORIA mini 本体のみ

本当にデバイスだけです。これではマイクの測定結果に基づいた補正はできません。購入される方は要注意です。


・ORIA mini 本体 +Add-on ライセンスバンドル

既にプラグイン版のSound ID referenceを持っている方はこちらです。マイクはORIA mini 本体に付属しますので不要ですが、Sound ID referenceヘッドフォン版のライセンスではスピーカー測定はできないので要注意です。


・ORIA mini 本体 + Sound ID reference ライセンス + Add-on ライセンスバンドル

Sound ID reference を何も持っていない方はこちらです。名前の通りコンプリートセットですので必要なものが全てバンドルされています。

少しややこしいかと思いますので不安な方はお気軽にお電話くださいませ🙌


導入して損はなし

音響補正って完全にそれに頼るのではなく、従来のスピーカーに追加でフラットなスピーカーが手に入ると考えるとめちゃくちゃお得だと思いませんか??

引越しなどで環境が変わってしまっても補正一発で知ってるサウンドが手に入るのです。

両機種ともスピーカーの買い替えやミキシングに悩んだら是非一度検討いただきたい機種です。梅田店ではシームレスに切り替えて比較視聴できる比較展示を行なっておりますので是非お立ち寄りください👌

タムタム田村
好きなもの:バンド音楽、音源、AIプラグイン、手のひらサイズのガジェット、強チェ、レバブル
記事内に掲載されている価格は 2026年4月20日 時点での価格となります
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