ニュース

渋澤楽器:ISOBALANCE NDT-15100MS8徹底解説 電源を変えると音楽はここまで変わる?

2026.09.25

ACID渋谷とアーノ澤田が自分たちの気になったものを世界中から仕入れて皆様にお届けしている渋澤楽器。二人がそれぞれ特に推したいものをご紹介していく企画の第5弾!
今回はアーノ澤田が、要注目製品として電源製品を解説します。

●ISOBALANCE NDT-15100MS8について

アーノ澤田:今回私が紹介するのは、ISOBALANCEの「NDT-15100MS8」という電源です。見た目も完全に業務用というか、ラックマウントを前提とした電源です。

ACID渋谷:ずいぶん渋い製品が来ましたね!

ACID渋谷:これは何Uですか?

アーノ澤田:3Uですね。

ACID渋谷:3Uですか。先ほども少し話していましたけど、電源としてはかなり大きいですよね。

アーノ澤田:そうなんです。重量もかなりあります。サイズもそうですが、一人で持ち上げるのはやめた方がいいんじゃないかと思うくらい重いです(笑)。

ACID渋谷:(実際に持ってみて)たしかに、これは見た目以上に重量感があります。

アーノ澤田:ありがたいことに、すでにいろいろな現場へ導入されていて、評価も非常に高い製品です。背面を見ると電源入力用のコネクターがあり、専用のアースケーブルも付属しています。そして8個のアウトレットを備えています。

ACID渋谷:アウトレットが8口あるんですね。

アーノ澤田:はい。シリーズには現在、100V入力モデルと200V入力モデルの2種類があります。200Vモデルについては少し複雑なのですが、100V系と115V、117V系の出力をそれぞれ4口ずつ備えたモデルと、117V出力を8口備えたモデルがあります。

一方、今回のNDT-15100MS8は100V入力で、100Vのアウトレットを8口備えたモデルです。

●普通の電源タップとの違い

ACID渋谷:そうなると、普通の電源タップとは何が違うのか?という話になりますよね。

アーノ澤田:そうですね。細かい技術的な説明を全部抜きにして、語彙力を最低限まで下げて説明すると、「やばい」です(笑)。

ACID渋谷:やばい(笑)!

アーノ澤田:3文字で十分です。誰が聴いてもわかるくらい普通の電源タップとは違いが出ます。例えば一般的なタップから電源を取って機材を接続した場合と、NDT-15100MS8を通して接続した場合では、音の印象が明確に変わります。

ACID渋谷:具体的には、どのような仕組みになっているんですか?

アーノ澤田:内部がすごいんですよ。中には非常に大きなトランスが入っています。

ACID渋谷:たしかに、かなり大きなトランスですね!重さの意味がわかりました。スイッチ機構や配線もしっかりしていますね。

アーノ澤田:実は、これにはもともとプロトタイプが存在していました。僕がたまたま試す機会があって、そのときにものすごく感動したんです。それをきっかけに製品化してもらったという経緯があります。

プロトタイプは、ペリカンケースの中にトランスとアウトが取り付けられているだけのような状態でした。

ACID渋谷:あれ、プロトタイプだったんですね。知らなかったです(笑)。

アーノ澤田:そうです、あれがプロトタイプです。本当にあの一つのパーツから始まったんですよ。

●バランス電源とは何か?

アーノ澤田:技術的な詳細については、もっと詳しい専門家の方々がいらっしゃるので、ここではあまり深掘りしません。ただ海外の音楽制作環境で「音が良い」と言われる理由については、単純に機材や空気の違いだけではなく電源の方式も関係しているのではないかと思っています。

ACID渋谷:電源の方式というと?

アーノ澤田:海外ではバランス電源が一般的に使われているケースがあります。一方、日本の一般的な家庭用電源はアンバランス方式です。バランスとアンバランスの違いは、オーディオケーブルで皆さんも感じていると思いますが、バランス接続はノイズに強いという特徴があります。

ACID渋谷:なるほど。

アーノ澤田:これまでの一般的な電源タップや電源コンディショナーは「すでに入ってしまったノイズをどうにかする」というアプローチが多かったと思います。
それに対してバランス電源は、そもそもノイズが入りにくい状態を作るという考え方です。入ることを前提に対応するのではなく、最初から入れない。

ACID渋谷:「ノイズを除去する」のではなく、「ノイズが入らないようにする」ということですね。

アーノ澤田:そうです。これはかなり簡単に説明していますので、技術的にはいろいろな補足が必要だと思います。ただ、考え方としては非常にシンプルです。

●音のピントが合う感覚

アーノ澤田:ノイズがないというのはどういうことか。わかりやすく例えると、今こうして収録している環境でも、空調やエアコンの音がうっすら聞こえていますよね。それを切るような感覚です。

ACID渋谷:なるほど。音源以外の音を無くすという。

アーノ澤田:それって、僕たちの声そのものが良くなるわけではないですよね?実はうっすらと存在している空調音や電源由来のノイズなどによっていろいろ埋もれて聞こえにくくなっているのですが、音の周りのノイズがスッとなくなることでいっきに輪郭が見えやすくなります。結果として、音の解像度が上がったように感じたり、ピントが合ったような印象になるんですよね。

ACID渋谷:音が派手に変わるというより、余計なものがなくなって、聴きたい音が見えやすくなる感じですね。

アーノ澤田:そうですね。実際に聴いてもらうのが一番早いと思います。ハードルを上げるように聞こえるかもしれませんが、音楽制作をしていない方にも違いがわかると思います。

ACID渋谷:私、試されてますね!

●100Vモデルであれば試聴も可能!

アーノ澤田:ちなみに、100Vモデルであれば試聴も可能です。

ACID渋谷:まさに目の前のこれで試聴できる訳ですね。

アーノ澤田:Rock oN店頭などでも試していただけますし、実際に聴いてみるのが一番だと思います。今回はここの環境に200Vのアウトレットもありませんし、特別なアース設備も用意していません。ですので、純粋に壁のコンセントから普通の電源タップを経由してスピーカーへ接続した場合と、NDT-15100MS8を経由してスピーカーへ接続した場合を比較できます。

ACID渋谷:つまり電源的にはご家庭と同じ環境でISOBALANCEを通すか通さないかの比較できるわけですね。

アーノ澤田:そうです。非常にシンプルな比較ができます。ぜひ一度試してみてほしいです。

ACID渋谷:ここまで話を聞くと、実際に聴いてみたくなりますね。

●実際に試聴してみる!

ここでアーノ澤田が壁のコンセントから普通の電源タップを経由してスピーカーへ接続した場合と、NDT-15100MS8を経由してスピーカーへ接続した場合での楽曲の聴こえ方を比較試聴してみることに。

まずはNDT-15100MS8を通さずに試聴し、次に同じ曲をNDT-15100MS8を通して聴いてみた。

(試聴楽曲1:宇多田ヒカル「One Last Kiss」)

ACID渋谷:うわ〜やばい!あ、やばいって言っちゃった。これは想像以上です!!腕見てください。鳥肌が立ってます。Kii Audio Kii SEVENのキャラクターも際立ってますね。

アーノ澤田:あのイントロの、PADが上がっていくところの立ち上がり方の時点でこんなにリニアに上がっていくんだって感じがしますよね。

ACID渋谷:で、シュッと消えて、あんなに余韻がスッと残って……

アーノ澤田:各パートの切り替わりの瞬間にも、薄いノイズ成分とうかリズムシーケンスみたいなものが入っているんだよね。

ACID渋谷:さっきNDT-15100MS8を通さないで聴いた時、多分聴こえてなかった、というか耳が特にそのディティールを追って無かったですね。もう一回普通の電源タップで聴くと聴こえるんでしょうけど、初回では特に何も思わなかった。

アーノ澤田:実はその、僕らが全く気づいていないノイズ成分によって、ああゆう細部のアレンジが全然聞こえてないわけなんですよ。今これ、まだアースを取っていない状況なので性能の80%と言われています。

ACID渋谷:なるほど。

アーノ澤田:これがちゃんとアースが取れればもっと変わると思います。後、リズム系の音の立ち上がりと消え際がめっちゃはっきりしてるでしょ?

ACID渋谷:はい。めっちゃハッキリしましたね。

アーノ澤田:やっぱり、緩く上がって緩く消えちゃうのって、多分、周りにノイズがあるからだと思うんですよ。

ACID渋谷:直線が斜めっぽくなっちゃうですかね。

アーノ澤田:うん、その感じも消えて。よくお客さんに説明するときに、ボールペンで線を引くのと、マジックで線を引くのとでは、横に滲んじゃってるところがないことで線がよりハッキリする、みたいな言い方をしていて。

ACID渋谷:なるほど。わかりやすい例えですね。

アーノ澤田:これで全部の機材がこの電源を通ることによってむちゃくちゃ作業の精度が上がると思います。聞こえていない音があるってことは、今まではそこに気づけないから。もちろん、これって録り音にも同様の影響が出てきます。

ACID渋谷:そうですね、影響出ますね。これは音もすごいですけど、ボーカルも声の周りの空間がこんなにうまく複雑な空間を空けているんだなっていうのがわかります。

アーノ澤田:ボーカルもすごい聴こえ方が変わるよね。だから僕たちは残念ながらいろんな曲の本当の状態を知らないんだろうなと。逆に今度は自分のすごく聴き慣れている曲を先にNDT-15100MS8を通した状態で聴いてみて、その後NDT-15100MS8を通さず聴いてみよう。

ACID渋谷:悲しいことになりそうだ・・・

(MASSIVE ATACK「teardrop」を試聴)

ACID渋谷:この曲は好きなんで通算1000回ぐらい聴いてますね。素晴らしい鳴りです。印象的なリズムのドドッドカッのカッの余韻がサンプル含めすごいリアルです。ピアノのステレオ感も泣けてくる。ハイのところも違いますね。特に静かにチキチキ鳴ってるハイハットの感じが、これまであんまり意識して聴いてなかったのが耳が追うようになりました。レコードのノイズもちゃんと隙間があってグルーブの一部になってる。聴きまくってる曲で再発見があることほど嬉しいことはないですね。

(ここでNDT-15100MS8を外して聴いてみる。)

アーノ澤田:壁コン直だと、そもそもさっきよりうるさく感じない?ちょっとさっき耳にピーキーに聴こえてた部分が、全部ノイズをプラスして歪んでしまってる感じ。

ACID渋谷:すっきり感が圧倒的になくなっちゃいましたね。

(スクエアプッシャー「Dark Steering」を試聴)

ACID渋谷:これは更に分かりやすい!体感上、音量が上がってるように感じるけど全然痛くない。明瞭になって鋭さは増しているんだけど痛くない。それとこの曲コンプが凄く強く掛かってるじゃないですか。このパツンパツンになってるスネアと少し高めのキック。それとベースが硬くて弾力のあるゴムの塊みたいな感じで、ブンブン跳ねてるような感じがすごい伝わりましたね。踊れますね〜。

アーノ澤田:アタックとリリースが正確になることで、もともとのグルーヴが本人が意図していたものにどんどん近づいていく。ね、「やばい」でしょ(笑)

ACID渋谷:「やばい」です(笑)本当、何曲でもこれ聴きたくなっちゃう。

アーノ澤田:聴きたくなっちゃいますね、だから機材がどうこうじゃなくて、これはリスニング用にも買っていただいてたりします。賃貸とか施工できない人用に考えて作ってもらったというか、マンションとかに住んでいても100Vに挿すだけで使える。

ACID渋谷:なるほど。設置の敷居は低いのが良いですね。

アーノ澤田:アースもエアコンとか冷蔵庫のところには来ているんで、電気会社さんとかに相談して、なんとかアースを取れればいいので。持ち歩けるバランス環境という感じ。

ACID渋谷:いやあ、すごかった。まだ自分の鳥肌センサーが健在で良かったです。

アーノ澤田:すごいでしょ。これは本当に体験してもらわないと分かんないんですよね。

ACID渋谷:これ、本当にお店に来て体験して頂いた方がいいです!

ISOBALANCE製品を全て見る

関連記事

Rock oN
制作・レコーディング専門店ならではの視点から役立つ情報をお届けします!
記事内に掲載されている価格は 2026年9月25日 時点での価格となります
ニュースの新着記事