ソリューション

初めてのモニタースピーカーの選び方

2019.05.30

モニタースピーカーはなぜ必要?

皆さんは音楽制作をして、作った音源をいざ違う環境で聞いてみたらこんなことはありませんか?

「自分で作った音源をイヤホンで聞いてみたら、歌が聞こえない・・・」
「サウンドクラウドに音源をアップしたら。低音が思った以上に小さく聞こえる・・・」
といった風に、制作した音源が自分の予想していた音のイメージと違っていたということは、初心者の方なら誰でも一度は経験があると思います。

その原因として考えられるのは、音楽制作時に正確なモニターで音量バランスを確認できていないためだと考えられます。

(私にも、そんな時期がありました)

また最近ではヘッドホンでミックスをされている方も多いかもしれません。住宅事情や防音の関係でなかなかスピーカーで音を出してミックスができないという方も多いかもしれません。

(私もそうでした、つい先月まで)

ヘッドホンは確かにピンポイントの音の確認や細かいノイズをチェックをしたりには向いているのですが、実はヘッドホンでは表現が難しい定位や音の奥行きまで確認するには不向きなのです。。。

では、どうすればこうしたことを解消できるのか。


正確かつ
客観的な耳で
正しい音量バランスを作るためには・・・

そこで必要になってくるのが・・・「モニタースピーカー」なのです!

実は一般的に自宅でCDなどを聞くオーディオスピーカーというのは「気持ちよく音楽を楽しむ」ために派手に聞こえるようになっていたり、低音が強調されるような仕様になっているものがほとんどです。それに対し「色付けなく原音に忠実に再現できる」ことを目的に作られているのが、モニタースピーカーです。

特に自宅で音楽を制作する人であれば、自分の作った楽曲を自然な音量バランスと定位を揃えることが求められるので、そういう点ではモニタースピーカーは必ず用意してほしい機器の一つです。

とかく専門用語が多かったり、機種が多くてどれがいいのかわからず後回しにされがちなモニタースピーカー選びですが、一度自分に最適なスピーカーを選ぶと音楽制作に劇的な変化をもたらすことでしょう!

モニタースピーカーを選ぶ前に

「モニタースピーカー」というものどういうものかわかったところで、実際にどういう観点で選べばいいのかを解説します。

選ぶ基準は「原音に忠実に再現できていると感じるスピーカー」を選べばいいのですが、案外製品の数が多く迷うところです。各製品の仕様を比較する前に、選ぶ側の条件を明確にしておくことでよりスムーズに機種選定ができます。

1. 使う部屋の広さ
スピーカーの難しいところは、それぞれの環境や設置する位置によって聞こえ方が変わってくることです。特に個人宅では近隣に配慮することが特に注意が必要で、もし大型のモニタースピーカーを購入したとしても、そのポテンシャルを発揮させる音量まで上げて使うにはそれなりの防音&調音された部屋が必要です。

もし設置する部屋が6畳ほどのワンルームなら、小さい音量でも最適な働きをする小口径スピーカーを選ぶ方がむしろ十分その能力が発揮できます。

2. 希望価格帯
5万円以内とか10万円までとか決めておくと、決める際の指標になります。安ければ安いほどという方もいると思いますが、滅多に買い換えるものでもないので、ここはある程度予算をかけておくと後々プラスになることが多いです。

3. スピーカーの大きさ
デスクトップに置きたいのでコンパクトな小型がいいとか、スピーカースタンドと一緒に置いて正確な再現をしたいなど設置する場所に合わせたスピーカーを選ぶことは重要です。できたら設置するスペースの寸法をメジャーで測っておくと良いでしょう。

このセッティングがかなりモニタースピーカーでは重要な事項なので、是非下記の記事も参考にしてください。

20190411_buildup_i
少しの調整で大きな効果! すぐできる正しいスピーカーセッティング編

堅実なモニタースピーカーの買い方

IMG_3706

ここまで来てようやく機種の選定となります。やはり最後は店頭にて実際にモニタースピーカーを試聴するのが最も確実なやり方です。

Shibuya、Umeda共に音響の整ったリファレンスルームで精度の高い試聴が可能です。

お目当のスピーカーがすぐ試聴可能か、まずはお電話かメールでお問い合わせください。

来店の際にはぜひご用意していただきたいのが、リファレンス(参考にする)となる音源(WAV推奨)です。USB Memoryで音源データをお持ちしても再生可能です。なおCDもPCに取り込んで、データを再生しての試聴となります。ハイサンプリングのオーディオデータもPro Tools HD上で再生いたします。

このリファレンス音源は自分が一番聞きこんでいて、スピーカーの違いに気付くことができるものが良いでしょう。各スピーカーの聞こえ方の違いをチェックしてもらえればと思います。

その際にスタッフに先ほど決めた点(用途、使う部屋の広さ、希望価格帯、製品の大きさ)を伝えれば、より的確なアドバイスがもらえると思います。

店舗情報

Rock oN Company Shibuya (東京・渋谷)
営業時間
12:00 – 19:00(日曜日 臨時定休)
電話
03-3477-1756
住所
〒150-0041
東京都渋谷区神南1-8-18 クオリア神南フラッツ1F


Rock oN Company Umeda (大阪・梅田)
営業時間
12:00 – 19:00(日曜休み)
電話
06-6131-3077
住所
〒530-0012
大阪府大阪市北区芝田1丁目4−14芝田町ビル6F

もしお悩みのことや不明なことがあればお気軽にスタッフにお問い合わせください。長年の経験とホームスタジオから業務レベルのスタジオ構築ノウハウのあるRock oNスタッフが一緒に考えて最適な提案をいたします!

店頭で試聴できない方へ!

店頭で実際に聞き比べることが機種を選んでいく最も堅実なやり方ですとお伝えしましたが、地方にお住まいだったり忙しくてなかなか来店ができないという方はネット経由でモニタースピーカーを聞き比べることで、それぞれの違いや特徴を知るというのも一つの手です。

hear_the_real_tone_sp1_7321
HEAR THE REAL TONE 2017 ~ Near Field Monitors編 ① ~

Rock oNの記事では、これまで同一音源で各社のモニタースピーカーを聴き比べるということをやってみました!これはなかなか画期的で各製品の特徴が比較できると思います。

初めての方向け:おすすめモニタースピーカー

次に初心者の方に一番多いであろう自宅の1ルームサイズの使用で、10万円以下の価格帯でおすすめのモニタースピーカーをセレクトしてみました。
あくまでこれらは一例ですので、これ以外の製品で気になるものがあれば是非店頭で試聴してみて下さい!

YAMAHA HS5

かつてYAMAHA NS-10Mというスピーカーが、どこのスタジオにも必ずと言っていいほどありました。フラットな「精確性」を評価され、業務用スタンダードとして数多く導入された時代があったのです。このHSシリーズもYAMAHAが一貫して譲らない精確な再生能力を持ち、確かな音像定位と高分解能・フラットな特性を実現しています。DTMからスタジオ用途まであらゆる制作環境に対応できるスピーカーです。

JBL 305P MkII

JBLはオーディオスピーカーの老舗メーカーですが、最近はモニタースピーカーにも力を入れているのです。中でも305P MkIIはなんといっても1ペア¥34,560という価格からは信じられないモニタースピーカーとしての性能が魅力です!定評あるリスニングエリアの広さと、ほどよく締まった低域が気持ちを上げてくれて、EDM系の楽曲もカバーする低域の再現性も備えています。アーティストなら気持ちよく作曲ができるはずです。

iLoud Micro Monitor

世界最小クラスのモニターで、容易に持ち運び可能なコンパクト・サイズです。横幅9cm、奥行き13.5cmなので狭いデスクトップでも容易に設置可能なサイズです。ライン接続だけでなくBluetooth接続にも対応なのです!ノートPCで色々な場所で音楽制作をしたい方に向いています。

EVE AUDIO SC203

EVE AUDIOは高い完成度を誇るモニター・スピーカーが大小様々のスタジオに対応するラインナップを持つドイツのメーカーです。このSC203はコンパクトなサイズでも迫力のあるサウンドが欲しいという要望に応えるべく、コンパクトさとパワーの両方を最新技術で実現したものです。デスクトップサイズながら王解像度を実現していますので、自宅スタジオでもミックスをしたいエンジニア向けの製品と言えるでしょう。

GENELEC 8010APM

GENELECも世界的に人気の高い定番スピーカーのメーカーで、プロユースの製品を多数リリースしています。8010APMはプロフェッショナル向け『8000』シリーズ最小モデルで、コンパクトな小型サイズのモニターですが解像度が高く低域にもパワー感があります。自宅の設置スペースが限られていて大音量でモニターできない方でもおすすめの製品です。

補足:よりモニタースピーカーの知識を深めるために

モニタースピーカーの世界というのは奥が深いです。しかし一度最適なスピーカーを選んで環境を構築することで自宅でのミックスやマスタリングなどに大きなプラスをもたらしますし、既存の音楽をフラットな環境で聞くことで「正しい音のバランス」を客観的に把握する耳も養われます。

えでぃたーY
音楽制作ソフトからスタジオ機材まで幅広い製品の情報をお届けします!
記事内に掲載されている価格は 2019年5月30日 時点での価格となります
ソリューションの新着記事