ソリューション

Garage Bandで作品を作りたい by PD安田

2025.06.11

みなさんこんにちはPD安田です。前回ですがマイクの比較ということで、手元にあるスマホから、ハンドヘルド、コンデンサーマイクと試してみて、どんな違いになるか試してみました。これらの楽曲、録音と音声の編集はGarage Bandで行っており、収録した際の良いテイク選びもGarage Bandでやってみております。(曲もGrage Bandの音源を使用しております)

前回の記事はこちら!「初めて歌録りしたい!導入するならどのマイク?」

案外、普段からCUBASEやLogic、Pro Toolsを使用されている方は、Garage Bandでもできるとは思いつつ、我々の通常で使用しているPro ToolsやCUBASE、Studio Oneと何が違うのか?気になるかと思います。

ということで、マイク比較をやるにあたり、せっかくなので最初からGrage Bandで作って、書き出しまでやってみたレビューを書いていきたいと思います。

1,操作性の違い

まず初めに気になるのは”操作性”です。基本的にどんなDAWソフトでも慣れてしまえばなんでもOKかと思います。その上でGarage Bandはどうかと言いますと、当然ですが基本的な機能は備わっており、音色を選んで、打ち込み作曲はもちろん、インターフェースがあれば録音も可能です。詰まるところGarage Bandでも曲を作ることが可能です。実際Logicや他のDAWと比べて「打ち込みと編集(アレンジ)」「録音と編集」この2つの操作性がどう違うのか?こちらを見ていきたいと思います。それでは早速打ち込みの方を見ていきましょう。

今回はとりあえず8小節のちょっとした曲ですが、まず音色選びに関しては左からカテゴリ別にあるので、探しやすいです。しかし音色の内容的には、幅広くありつつも、割と完成されているサウンドがメインになるので、ここから音をイジるという要素はできるけれども、根本的なサウンドハ変化することはないので、パッと聴いた雰囲気から選んで、まずベーシックなサウンドからどんどん打ち込んでいくというスタイルになるかなと思います。

ある意味、音楽理論などなどメロディやコードなどイメージができている人はこれでも構築するのは可能ですが、最近完成されている音色を聴いている方からすると、ある程度作ると限界が来そうで、モチベ維持は難しくなっていくのかなと思います。(最初は楽しいと思いますよ!)

こういった音源が中心でありますので、PD安田のおすすめとしては、例えばFinger Bass(指弾きベース音)を立ち上げたらこの音源に留まらず、マシンパワーが許す限りPick Bassを立ち上げたり、Synth Bassを立ち上げたりと色々立ち上げまくると良いかと思います。最初に立ち上げた音色で基本的な構成やMIDIを固めていき、完成したらコピペでもう一個のトラックに複製して、音色を重ねてオリジナルのサウンドを作ると面白い感じにできるかと思います。(しかし、同じMIDIの打ち込みがあるので、一見どのトラックがどうとかがわかりづらいと思います。最初はドラム、ベース、コード、メロの基本である程度作ってから、複製した方が事故がないかもしれません)
一応クリップには色の変更を加えることは可能なので、見た目で種分けしておけば困らないかなと思います。整理整頓できるというのは改めてあるといい機能なんだなと実感しますね。

さて、ここでトラックが増えると困るのが、新規で作るとどんどん下に長くなっていきます。多くなると特定のトラックを探すのが難しくなります。本当だったらそのトラックも幅を狭くしたり…特定のトラックを拡大したりと個別に大きくできたらいいのですが、これは流石にできませんでした。そんでもってAUXやBUSにまとめるという概念はありませんので、個々の音をしっかりバランスを整えていくイメージになります。

あとオーディオトラックにおいて、良いテイクを何回か録っておきたいと思いますが、同じトラックに録音すると前のデータが被り消えます(もしかするとどこかにデータがあるかもですが)。なのでどんどん良いテイクを録りたい方は、都度新しくトラックを作って、どんどんトラックを増やして、最終的に1本にすると良いでしょう。

2,仕上がりの音の違い

ある程度まとまってきたら、誰かにでも聞かせれるWavデータとして書き出しの作業をやっていきます。まずGarage Bandの書き出し音質においてのクオリティ自体については大きな問題はないかと思います。ですが先ほどの音作りで色々重ねていくにあたり、当然ながらどんどん音が重なってしまうので、全体的にも音量レベルがどんどん音が足され、音が飽和した感じになります。なのでせっかく良い感じのができても、書き出した後のを聞くと、飽和した分は自動的に適切なレベルに調整されて書き出されてしまい、「あれこんな感じじゃなかったような…」ってなります。これは、どのDAWでも同じような挙動になるのですが、原因は書き出しをする際のWavというオーディオフォーマットに関係しており、パッケージにするためには事前に適切なレベルを知った上でまとめ上げる必要があります。なおGarage Bandは実際超過してても、音割れなどは出にくく、書き出してみないと結局知ることができません。

Garage Bandの場合、個別の素材にもこのメーターがあり、総括して右上に全体のレベルが表示されます。

DAW内でそれなりに音量が大きくても歪まないのは、わかりやすく申しますと作業ベースでは最大の音量に対しての余裕があるように設計されておりますので、ある程度頑張っても歪まずに頑張ってくれます。ですが、その後の再生環境にはいろんなアプリが存在し(Apple MusicやYoutubeなどといったもの)必ずここまでの音量レベルまでという基準が設定されておりますので、ここもしっかりと熟知するとベストです。ん?DAWで作ったものをそのまま聴かせられないのか?確かに、昔そう思った自分もいました。DAWというツールを用いての作曲という行動は、複数の素材を散りばめて、作り上げるものではありますが、結局人に聴かせる為には、ルールに従ったフォーマットに書き出す必要があります。

こうならない為にも、作曲しながら各トラックのレベルがどの音量、音圧で出ているかがしっかりと確認しつつ、基準を見極めいたいところなのですが、残念なことにGarage Band単体だけですと音量のメーターはあるものの、適正なレベルへの判断は難しく(癖を見抜かないといけないので勉強不足ではありますが)、結局良い音で録れても、良いレベルの状態で管理できなければ、書き出しにおいても十分に発揮できません。

ちなみに一般的に我々が使用している通常のDAWですと、ピーク(最大値)に数字が出ていたり、中には平均的な音圧もRMS値として表してくれるので、数字を覚えればおおよそまとめることが簡単ではあります。さらにパートごとに要素が同じような楽器(例えばギターのバッキングや、ボーカルのコーラスが3人とか)がある場合、「BUS」という一時的にまとめたりできるので、楽器ごとにレベル管理もしやすく、全体を通して調整が可能です。さすがにこういう機能はGarage Bandだと難しいかなと思います。

そしてこの最終段のレベル管理にあたり、他社のプラグインも含めてリミッターや、マキシマイザーを使うことが多いですが、Garage Bandでも他社プラグインの読み込みは可能でした。一応今回は完全内部で完結させており、主には付属するComp、Limiterを使っております。しかし、知っている方からするとこのComp,Limiterの挙動はマスターにインサートするにはちょっと勝手が違っており、どちらかと音圧を出したいプラグイン的な使い方になってしまうので、結局自然なサウンドから離れてしまいます。なので、他社の定番プラグインも一旦付属を使用してから、追加していくのがいいかなと思います。

ちなみにマスターに対してのエフェクトはこのようなつまみがありますが、左側にインサートする項目があり、この左側で好きなプラグインをインサートすることができます。

改めて今回マスター段にComp、Limiterを入れて試したりしたのですが、元のサウンドに対してGainが足されて、だいぶコンプ色が強くなりがちで、結局書き出すとその飽和した感じが音量が小さくなって出てしまったので、マスターのLimiterは無しで書き出しをしました。簡単に音圧上げたいには楽なので、気軽に使いたいには使用して問題ないですが、作る楽曲で音質的に無理のない感じにしたい場合は、入れない方がおすすめかなという感じでございます。

さてこんな感じで、Garage Bandでも曲は作れますので、打ち込みを事前に触っておきたい方は積極的に触るといいでしょう。でも、書いていて気づきましたが、そもそもMacを持っている時点で何か目的があって手に入れているので、Garage Bandを通らない方も多い気もします。もしお家に親のMacがあればラッキーだと思っていただき、アプリのGarage Bandが触れるのであれば、積極的に触れた方がいいかなと思います。

ちなみにWindowsがある方はSONARが無料で使用できるかと思います。個人的には古くから思い入れのあるDTMソフトではありますが、変わらず活用できるかなと思っております。ちょっとでも興味がある方、そして楽器ができる方は是非に挑戦してみて頂ければ幸いです。

PD安田
最近割と身体を扱くのが好きです。基本的になんでも聞いてください。アナログシンセは勉強中
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