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SSL UF8 & UC1 使用レビュー!最先端のフィジカルコントローラー by オルタネイト福山

2021.10.15

デスクに鎮座する存在感。
こんにちは、オルタネイト福山です。
とてもメカニカルな見た目でテンションの上がるフィジカルコントローラー UF8とUC1 を Rock oN 渋谷店にて展示中です。まずはUF8からレビューしていきます。

SSL UF8

1.メタリックでしっかりとした筐体

まずは、デザインから!触ってみるとわかりますが、金属のメタリカルな質感が、とてもプロフェッショナル雰囲気を醸しつつとても高級感漂うデザインとなっています。コントローラー関係は、強化プラスチックなどの製品も多い中、とても贅沢な素材の設計です。UF8とUC1を隣に並べるとぴったりとマッチします。重量も程よく重さを感じられる作りです。また、ディスプレイ部分も、斜めから見ても視認性がはっきりとしたハイレゾ液晶を搭載しています。

2.使用感

UC8は、8チャンネルのフィジカルコントローラーです。フィジカルコントローラーのメリットは、視覚に頼らず、手で直接音を触ることができる点にありますので、その反応具合や触れた質感が非常に重要です。気になるモーターフェーダーは、追従するスピードはとても早く、引っ掛かりなどなくとてもスムーズな動きです。稼働音もフェーダーの中ではとても静かで、最低限しかしません。フェーダー自体の操作感は、ちょうど良いバランスの重さ。比較的軽いタッチで長時間の操作も負担が軽い印象です。

3.各部の操作

LAYER

Layer は、コントローラーのアサインを切り替えることが可能です。例えば,ProtoolsとCubaseを同時に起動していて、操作するDAWソフトを切り替える際などに使用します。

QUICK

Quickには、HUIやMCU準拠のコマンドショートカットを好きに割り当てることができます。割り当ては、コントロールソフト SSL 360で簡単に行えます。

SEND/ PLUGIN

モードにより変わりますが、SENDのチャンネルを切り替えできます。(ProtoolsだとミックスウィンドウのSEND A-Eの部分です)

PLUGINボタンを押すと、選択しているトラックにインサートしているプラグインをインサート順に選択できます。

CHANNELボタンを押すと、選んでいるトラックのSEND A-Eを一気に表示して送りレベルの調整を一括で操作できます。

SENDの送り量は、V-POTつまみを操作して変更できますが、FLIPボタンを押すとフェーダーで操作ができます。

SOFT KEY / V-POT

トラック上部の8個並んだボタンがSOFT KEYです。SOFT KEYには DAWのコマンドや、任意のキーボードコマンドなど好きな操作を任意に用意できます。その下に8個並んだつまみがV-POTです。V-POTつまみで、PANやプラグインの数値、SEND レベルなどを操作できます。SOFT KEY設定画面

07-1
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右上のSOFT KEYS セクションで、SOFT KEYのバンクを切り替えできます。5X8で、40個のソフトキーが用意できることになります。

FINE/SHIFT KEY

このボタンを押しながら、V-POTの操作をすると、SENDレベルを調整する際に、通常時よりもパラメーターのつまみの変化幅が細かくなり、微調整が可能です。

CHANNEL エンコーダー

操作チャンネルを切り替えるエンコーダーです。また、NAV スイッチを押すことで、再生位置の移動、NUDGE スイッチ(※Protoolsのみ対応)を押すことでオーディオリージョンの移動ができます。

FOCUSスイッチ

この機能がとても便利です。マウスオーバーしたところのプラグインの値をすぐにCHANNELエンコーダーで操作できます。アサインが楽です。プラグインのパラメーターもPluginスイッチを選択することで、V-POT上にずらっと並び操作できるのですが、作業時に8個のV-POTにプラグインのどの設定項目がどのようにアサインされるかは、ぱっと見把握が難しいので、この機能があるととても重宝します。この機能が搭載されているコントローラは現在少ないため、選択肢の一つとしてメリットがあります。

Navigation Arrows and Mode Key

DAWのタイムラインのズームや、プラグインのスロットの選択(※Logicのみ可能)ができます。

UF8の機能をご紹介させていただきましたが、注意点として、DAWソフトによって細かい部分で使用できる機能に若干の違いがあります。そのため、事前のマニュアル確認をお勧めします。現在対応しているDAWソフトは Pro Tools®、Logic Pro X®、Cubase™/Nuendo™、Ableton® Live™、Studio One®です。 マニュアルダウンロードはこちら

UF8紹介ムービー

DAW毎のセッティング動画

SSL UC1

自宅にSSLコンソールをまるっと導入する。そんなイメージがこの製品にぴったりです。贅沢にも、チャンネルストリップおよびバスコンプレッサーに特化したコントローラーとなっていますが、CHANEL切り替えで多数のトラックをコントロールできることをイメージすると、SSLのコンソールを制作環境に導入するようなイメージの使い勝手となります。真ん中に鎮座するMasterBusのVUメーターがとてもかっこいいです。また、各つまみには、周囲にLEDで現在の値表示がされるので、つまみ操作する際に、今どのくらいのレベル設定なのかが目視で確認しやすいのもグッドです。

UC1製品紹介動画

事前準備としては、DAWの各トラックにSSLプラグインをインサートする必要があります。インサートした順番にチャンネル1,2,3…となります。そのため、ミックス用、レコーディング用などとあらかじめセッションファイルのテンプレートを作成する時点で、SSLプラグインもインサートするのがお勧めです。動作は、それぞれのDAW標準搭載のプラグイン並みに軽快なので、大量のトラックにさしても負荷は問題ありません。

お勧めとしては、コンソール画面を常時表示するよう横長の専用のディスプレイを用意してしまうのがとってもいいと感じました。コンソールがある利点としては、全体を把握して、すぐにレベルなどの対応が可能なことが挙げられます。多チャンネル同時レコーディングする、または、ミキシングする際に、すぐに目的のトラックにアクセスして、レベルやEQを調整するシーンでとても有効です。


SSLコンソールを導入したかのような操作性

SSLのコンソールはとても高価ですから、プラグイン画面表示用のディスプレイとこのコントローラー、加えて、セッションファイルでプラグインをあらかじめ立ち上げておくということをすることで、お持ちのスタジオにSSLコンソールが導入できると考えると、とても魅力的です。フィジカルコントローラーを導入することで、ミックスや作業のスピードUPと、より聴覚にフォーカスした編集が可能になります。数あるコントローラーの中でも、今最先端でかつ操作性や視認性、製品デザインに優れたSSL性のコントローラーはオススメの一品です。

オルタネイト福山
アウトボード、マイク、ソフトウェア音源全般が得意ジャンル。おすすめの音源などご相談ください。
記事内に掲載されている価格は 2021年10月15日 時点での価格となります
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