こんにちは、SCFED IBEです。
音楽制作やポスプロ業界の定番としてリバーブ・プラグインの王座に君臨してきたAUDIO EASE / Altiverbが、約12年ぶりのメジャー・アップデートを遂げました。今回の目玉はDolby Atmos 最大9.1.6ch対応ですので、Altiverb 8 XL を Dolby Atmos9.1.6chフォーマットで試聴したレビューをお届けします。動画にするためバイノーラルで試聴していますので、ヘッドホンやイヤホンでお楽しみください。
膨大なインパルス・レスポンス(IR/空間の音響特性データ)ライブラリへのアクセスが、プリセット画像のクリックのみで、継ぎ目のないIR読み込みを実現しています。
Dolby Atmos9.1.6ch対応シンセサイザー SOUND PARTICLES / SkyDust 3D を使用してイマーシブ出力の元素材を作りました。水平軸上に配置される9個のスピーカーのうち、センターを除いた8個(Front/LR、WIDE/LR、SIDE/LR、REAR/LR)のスピーカーからそれぞれ音が出るように、SkyDust 3Dを設定して短いワンショット素材を作成。
Altiverb 8 の DRY / WET 設定を少しずつ上げて、最後はリバーブ音だけにしてプリセットを試聴しています。プリセットを変えてもノイズや音切れなく、スムースに切り替わっている様子が分かります。
Front(フロント)、WIDE(ワイド)、SIDE(サイド)、REAR(リア)、TOP(ハイト)、CENTER(センター)、LFE(サブウーファー)を完全に独立して、SOLO/ソロ、MUTE/ミュート、GAIN/ゲイン、DELAY/ディレイ をコントロールできてしまいます。
素材音はハイトスピーカーとセンタースピーカーから音を出していませんので、次の動画でTOP以降のスピーカーを試聴します。
クラウド・サイズ設定が0の状態では、元音源からのダイレクトな出力を反映し、リバーブ成分が入力音声の位置周りに絞られます。
クラウド・サイズ値を上げると周辺のスピーカーからもリバーブ成分が得られます。動画ではこのパラメーターを使用して、元々存在しなかったハイトスピーカーとセンタースピーカー、そしてサブウーファー成分が自動的に生成されている様子がわかります。
画面右手の SkyDust 3D のパンニングが、そのまま画面左手の Altiverb 8 に反映されリバーブ出力しています。イマーシブ環境の魅力をフルに引き出せる SkyDust 3D については後日、私がレビューをお届けしますのでご期待ください!
ハイトスピーカーのリバーブサウンドに注目し、ステレオ環境とバイノーラル環境で比較してみました。先日リリースされたばかりの Pro Tools 2024.3 を使用して、Dolby Atmosレンダラーのモニタリング設定を切り替えています。
Top(ハイト)スピーカーをソロ試聴すると、ステレオでは頭の上の音が無くなって、音が両耳に張り付く音像になりました。バイノーラルにすると頭の上にリバーブサウンドが現れ、頭外定位を実感することができました。
すでに数多くのスタジオに導入されている Dolby Atmos環境。Altiverb のAtmos対応を心待ちにしていたエンジニアや、アーティストが多かったのではないでしょうか。前バージョンからのアップグレード製品も充実していますので、ぜひ導入・アップグレードをご検討ください!