パラダイス

瀬川商店 第52回:SibeliusとWAVES Plugin

2025.11.14

僕の環境(MacBook Pro M4 OS Sequoia 15.7.1)でAvid社 Sibelius(25.10.0.8875)を起動するとWAVESのプラグインをチェックしに行ったまま、「あれ?フリーズしちゃった?」と感じるほどなかなか作業を始められないんです。劇伴で譜面作業をするのってレコーディングの1週間くらい前からなので正直あんまりノンビリもしてられないんで、なんとかしたいなと、、、

原因はWAVESのプラグインとの相性だということは分かっているのでSibeliusが起動時にチェックする以下のフォルダからWAVESのプラグインを外せば良いんです。

/Library/Audio/Plug-Ins/VST3/

/Library/Audio/Plug-Ins/Components/

ただここからWAVESのプラグインを外すと(フォルダの中では”WaveShell1-VST3 16.0.vst3”という名前で存在するはず) CubaseやLogic Xで使えなくなってしまうので、それは困るんです。だから移動させたプラグインはまた元の場所に戻す必要があります。ProToolsはAAXのプラグインしか使えないので気にしなくても大丈夫なんですけどね。

このプラグインを一時別の場所に避難させてまた元のフォルダにもどすという作業をレコーディング直前に手動でやるのはさすがにしんどいんでApple Script(日本語で使用している場合はアプリケーション/ユーティリティ/スクリプトエディタ、です)を書いて自動でやらせる事にしました。

スクリプトの流れは以下の通りです。

1)Sibeliusが起動時に検索しに行く二つのプラグインフォルダの中から

WaveShell*.vst3

というプラグインを探させる(*はバージョンの名前が入るのですが、こうしておくとWAVESがバージョンアップしてこの部分の数字が変更されても必ず引っかかってくれます)

2)書類フォルダの中に”WAVES Backup”というフォルダを用意しておいて(※このフォルダは自分で用意してね!)、そこに該当するプラグインを移動させる

3)正常に移動させたかどうかをフォルダを見に行かずとも確認できるように、スクリプト作業が終わったらlogをテキストで書き出させる

そして、譜面の作業が終わったらまたNuendoやLogic Xの作業に戻ることもよくあるので、上の手順で移動させたWAVESのプラグインをまた元の場所に戻すスクリプトも必要ですね。

2つのスクリプトを用意して使い分けても良いのですが、面倒なので1つのスクリプトにしてスクリプト実行時に以下のようなウィンドウを表示させて隠すのか復帰させるのか選択できるようにしました。

それからMacのOSの特性上Library以下のフォルダに変更を加える時は必ずユーザーの許可が必要なので、以下のウィンドウが表示されますが、これはエラーではなく必須の儀式みたいなものですね。

ここで許可して実行すると、以下のようにlogが書き出されて動作の確認ができます。

復帰モードの時もこのシステムに与える許可は必要です。以下はスクリプトになります。

スクリプトHide and Seekとアイコンダウンロードはこちら

※mac用のスクリプトとなります

二つのスクリプトの結合とlogの書き出しのプログラム、それから日本語のコメントアウトはChatGPTに手伝ってもらいました。いい時代ですね!Hide and Seekというこのスクリプトをapp形式で保存して、MacのDockの中でSibeliusの横に置いておけばさくっと使えると思います。よかったらアイコンも作ったので使ってください!


下記はscptファイルを.appへ変換、アイコンを登録する手順となります。

1.Sibelius Hide and Seek.scptを開く
2.上部メニュー「ファイル」→「書き出す」
3.ファイルフォーマットを「アプリケーション」にして保存
4.(3.で書き出した)Sibelius Hide and Seek.appを右クリック→「情報を見る」で情報画面を開く
5.H&S.icnsを右クリック→コピー(command + c)
6.情報画面の上部にあるアイコンをクリック(実はここ、選択できるんです)→ペースト(command + v)
7.アプリのアイコンが変更されて視認性が高まります!

※ご使用によって万が一トラブル等が生じた場合は自己責任という点をご了承くださいませ。スクリプトファイルは開くと下記抜粋のようにコメントアウトで補足もはいっていますので、動作について気になる方は合わせてご確認ください。

瀬川英史(瀬川商店)
劇伴の作曲家やってます。Netflix「シティーハンター」アニメ「烏は主を選ばない」等。シンセは危険物取扱者の甲種レベルの知識あり(多分)。
記事内に掲載されている価格は 2025年11月14日 時点での価格となります
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