前回はBlackHoleを使ったMac内部でのラウティング(ルーティング)について書きましたが、今回はその追加ネタです。今回も「最近Macを買ったぞ!」という読者向けの記事なので、玄人の方はすでにご存知の内容かもしれませんが、ご了承ください。
Macのアプリケーション「Audio MIDI設定」は、MIDI機材の設定で何度か起動したことがあると思いますが、実はオーディオ機材の管理もできるんです。Windowsにもさまざまな利点はありますが(僕もデスクトップはWindowsです)、Macならではの機能として、複数のIOを登録し、DAW内で自由に選択できる方法が用意されています。たとえば、先週紹介したように、BlackHoleを使ってYouTubeの音をDAW経由で聴きながらエレキギターの音も出したい!というときに、とても便利な手法です。
まず、Audio MIDI設定を起動すると、現在セットアップされているIOやBlackHoleがこのように確認できます。そして、左下の「+」ボタンをクリックすると「機器セットを作成」が現れます。これを選択すると、右側に現在使用できるラウティングのセットが表示されるので、組み合わせたい機材やアプリケーションを決めます。後でIOのバスを選択する際、これら個別の機材やアプリケーションの名称は確認できないため、たとえばこのスナップショットのように、BlackHoleを先頭に、MacBookのスピーカーを一番最後に配置しておくと良いでしょう。RME社製デバイスの入出力数なんて、みんなもハッキリ覚えていないでしょう(笑)。
気休め程度かもしれませんが、このような組み合わせの場合、やはり業界内でも定評のあるRME製品を「クロックのソース」として選ぶのがベターです。
また、右側にある「音ずれ補正」の項目ですが、詳しく調べてもロジックがイマイチ分かりません…まあ、とりあえず選んでおくのが良いでしょうね。
ここまでのセットアップが終わったら、DAW(今回はNuendoですが、Cubaseも同様です)のIO設定を開き、InputにBlackHoleとRME社のFireface UC(RMEは製品寿命が長いですね!)のInput 1&2を選択します。
ただし、先ほど説明したように「機器セット」内ではBlackHoleの後にUCが配置されるため、実際には3&4を選択しているように見えます。これで、BlackHoleに入力されたサウンドを聴きながら、UCに接続したギターを弾けるようになりました。
MacBookで制作していると、普段はUC経由で接続した外部スピーカーで作業することが多いですが、たまにMacBook内蔵スピーカーでどう聴こえるか確認したいこともありますよね。そんなときも、この設定をしておけば、マスタートラックからMacBookのスピーカーへセンドバスでラウティングし、そのセンドのオンオフで内蔵スピーカーから音を出すことができるので、とても便利です。
さらに、ギタリストに人気のIK Multimedia社製ToneX ONEも44.1kHz限定ではありますが、IOとして組み合わせ可能です。ToneX ONEをIOとしてギター入力に使い、同じIK社のAMPLITUBEやその他のアンプシミュレーターと組み合わせれば、かなり使い勝手が向上します。
というわけで、せっかく買ったMacをフル稼働させましょう〜!