こんにちはACID渋谷です。
本日はNative Instruments MASCHINE+(Plus)をメインシーケンサーとして使って、複数の外部ハードウェアシンセやリズムマシンで曲作りするための基本セットアップをご紹介します。
一昔前はハードウェアシーケンサーをメインで使うことが普通だったので当たり前じゃないかと思う方も大勢いらっしゃると思いますが、今単体のハードウェアシーケンサーを敢えて使うケースは、そのシーケンサー自体が非常に個性的かつ高性能で色んな走り方や発音タイミングを設定できたり、メロディを自動生成するなど独自のメリットがある場合だと思います。
例えばSquarp Instruments HAPAXだったり、OXI INSTRUMENTS ONEだったり、Torso T-1だったり、なんというか「素晴らしいフレーズを奏でる楽器」的なシーケンサーの使い方とでも言いましょうか。またはSEQUENTIX CIRKRONなどは高額で難解なイメージも多いですよね。
今回はそういう楽器のようなシーケンサーの使い方ではなく、かつてのAKAI MPC2000などのように、シンプルに複数トラックにMIDIを打ち込み周りの楽器を鳴らすという、かつてのAKAI MPC2000のようなMIDI PRODUCTION CENTER = おおらかなグルーヴボックスとしてMASCHINE+を使うシンプルな方法をご紹介したいと思います!(MASCHINE+は音も出るしサンプリングもできるし、1台で大体なんでもできますけどね!)
だいぶ古い機材ばかりですね。すみません趣味です!
①【SETTING】ボタンを押し、[MIDI INPUT]をFocusにする。
②[Input Devices]のSELECTをMsPIMI1、STATUSをONにする。
③[Output Devices]のSELECTをMsPIMI1、STATUSをONにする。
これでMASCHINE+のMIDI IN/OUT端子が有効になり、かつMIDI INPUTからの信号でフォーカスしている(選択されている)サウンドがトリガーされるようになります。
MASCHINE+はGROUP内の16個のパッドにそれぞれ個別のサウンド/MIDI設定を行うことができますが、シーケンスパターンはGROUP内で同一になりますので、例えば接続した楽器ごとにステップ数を変えたりタイムシグネチャーを変えたりすることができません。なので楽器毎に独自のシーケンスを組みたい場合はGROUPで分けます。SCENEでも使えるので1機材1GROUPにするのがお勧めです。なので今回は下記の図のようにしてみます。
続いてSoundごとのMIDI設定を行います。
④【MACRO】ボタンを押し、InputのMIDIを選びSOURCEをDefaultまたはFocusに設定します。*ここ重要。理由は後述します。
⑤CHANNELはAllにしておきます。これは外部MIDIキーボードのMIDI CH設定に依存しないためです。
⑥OutputのMIDIを選びDEST.をMsPIM1O、CHANNELを任意の番号(鳴らしたい外部機器のMIDI CH)に設定します。
これでMIDIキーボードからMASCHINE+にデータを打ち込み、それぞれの外部機材を鳴らすというセッティングが出来上がりました。④でDefaultまたはFocusを選ぶ理由ですが、ここがALLやMsPIM1Oになっていると例えばGROUP AでOrbit9090(MIDI CH1)を、GROUP CでAIR Bass 99(MIDI CH3)を制御しようとする場合、GROUPでAを選んでいてもBを選んでいてもMIDI INPUTの情報が入ると反応してしまいます。要はOrbit9090のためのフレーズを外から打ち込もうとするとAIR Base 99も一緒に鳴ってしまうということです。DefaultまたはFocusに鳴っていれば現在選択中のサウンドのみがMIDI信号を受信します。
さて、この状態でセッティングはほぼ完成なのですが、ここからもう一段深く入り込んでみましょう。
外部機器のパラメータもMASCHINE+でコントロールしたい場合には、MIDI制御用のプリセットを選択または自分でノブへのCCアサインをすることができます。例えばJOMOX AIRBASE 99などは本体だけでのエディットは至難の技です。かつabletonなどのエディターは使わずハードだけでやりたいという方はこの方法をお試しください。
JOMOX AIR BassはMIDI Ext.のプリセットが登録されているので選択してみましょう。
SOUNDもしくはGROUPSでMaschineを選び(シンセの場合はSOUND、ドラムマシンの場合にはGROUPSを選択します)、TypeでMIDI Ext.を選択すると既に各種ハードウェアのプリセットがずらっと出てきます。自分で独自のCCセットを作りたい場合にはMASCHINEソフトウェア上で登録もできます。機材毎にパラメータの解像度が異なるので完全とまではいきませんが、一台のMASCHINE+から複数のMIDI機器をCCで動かせるのはちょっと快感ですよ。
詳しくは「Maschine+用のカスタムMIDI CCページの作成」を参照ください。
いかがでしたでしょうか?MASCHINE+のハードウェアとしての側面で90年代的な曲作りをし、データーをMASCHINEソフトウェアで立ち上げてガッツリ編集という流れも簡単に作れるのでハードとソフトの良いとこどりができます。
ちなみに今回は外部MIDIキーボードとしてSEQUENTIAL Prophet Rev2を使いましたが、代わりにTorso T-1のような独創的なシーケンサーを入力用に使えば、個性的なフレーズをバンバン生み出し、かつそれをMASCHINE+に保存できるので最強です。
それでは素敵なシンセライフを!