パラダイス

モジュラーデビューは電源から

2024.08.22

皆さんこんにちは!Rock oN Paradise SYNTH HEAVEN店 店長のACID渋谷です。

急激に健康へシフトし、人生初のジム通いをスタート。

イタロシンセディスコの名曲 Galvanica Night Light In Japanを聴きながらダンベル担いでおります!

さて今回は今更聞けないACアダプターについてのお話です。中古で買った海外シンセのACアダプターが壊れた!なんて時も仕様さえ満たすものであれば秋葉原で安価に揃えることもできます。


目次
・ACアダプターとは
・ACアダプターの仕様の見方

ACアダプターとは

ACアダプターの正式名称について

さて、今日はモジュラーシンセの電源についてのお話です。電源モジュールやエンクロージャーを購入した時、毎度必要になるのがACアダプター。みなさんはこのACアダプターの選び方で困ったことはありませんか?間違った製品を使用すると自慢のモジュラーシンセ達が焼けてしまうという最悪の事態にもつながりかねません。ACやDC、PSUなど色々な単語が出てきて混乱すると思いますが、今日は安全な接続をマスターしましょう。

まず、ACアダプターとはAC-DCアダプターの略称です。

AC(Alternating Current):交流 
向きが周期的に変化する電流でのこと。1秒間に変わる回数を周波数と呼んでいます。家庭用のコンセントから流れる電気は交流です。

DC(DIRECT Current):直流
直流は向きが一定でいくら時間が経っても変化しない電流です。乾電池やバッテリーから流れる電気は直流です。

家庭用コンセントから出てくる交流を直流仕様の機材に流し込む時に使うのが、AC(-DC)アダプターなんです。

ACアダプターを使わないといけない理由

ではなんで家電は直流仕様がほとんどなのにコンセントから出る電気は交流なのか。

それは、発電所から出る電力は送電線の抵抗で損失するため15~50万Vの超高電圧にして流されています。
そのため、送電の途中で通過する変電所で変圧の処理が実施されます。その際に生じる電力のロスが直流より交流の方が少ないために、交流が使われているんですね。

ACアダプターの仕様の見方

さぁこれでなぜACアダプターが必要か分かったところで、今度はACアダプターの仕様を見れるようになりましょう。eStoreでもお馴染みバルセロナのEndorphinをはじめ多くのモジュラーラックのACアダプターとして使われているMean Well GST90A12-P1M 6.6A 12Vを例に見てみましょう。

モジュラーシンセ定番のMean WellのACアダプター

まず、モジュラーラック側の電源ソケットには「DC12-20V」と書いてあります。これは直流で12~20Vの間の電圧にしてねという意味です。ということは日本の家庭用コンセントから出力される100Vの交流を、ACアダプターを使って12~20Vの直流にする必要があるということがわかります。ではこのACアダプターのスペックを見てみましょう。

主な仕様

・定格入力電圧:100~240VAC → OK!日本の一般的な家庭用コンセントは100Vなので範囲内。

・出力電圧:12V → OK!モジュラー側はDC12-20Vなので範囲内。

・出力電流:6.6A → これはラック側が何アンペア対応かによりますが、それより大きいアンペア数のものを選べばOK。

・センタープラス: → OK!DC出力時に極星が生まれるため、センタープラスまたはセンターマイナスをアダプターと本体で合わせる!

・プラグ径:2.1mmや2.5mmがほとんど。これはDCプラグの内径です。これが合わないと入らないので必ず事前にチェック!ちなみにShuttle Systemは2.1/2.5両対応です。

ACアダプターのアンペア数は楽器本体のアンペア数と同じかアダプター側のアンペア数が大きい必要があります。アンペアが少なくても動作はしますが負荷が高いため、最悪火災などの故障が発生する可能性があるため、絶対にやめましょう!

いかがでしたでしょうか?ACアダプターを買うときは
定格入力電圧、出力電圧、出力電流、センタープラスorマイナス、プラグ径をチェックして正しいものを選びましょう!

それでは楽しいシンセライフを!

SYNTH HEAVEN by ACID渋谷
古今東西のシンセ情報を掘り下げます。シンセ系メーカーのインタビューも敢行予定!
記事内に掲載されている価格は 2024年8月22日 時点での価格となります
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