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最高峰のフルオーケストラをコントロール!SPITFIRE SYMPHONY ORCHESTRAレビュー!

2025.03.28

SPITFIRE SYMPHONY ORCHESTRAは、以前から同社のラインナップに存在していた

  • SPITFIRE SYMPHONIC STRINGS
  • SPITFIRE SYMPHONIC BRASS
  • SPITFIRE SYMPHONIC WOODWINDS
  • SPITFIRE PERCUSSION
  • SPITFIRE HARP
  • ORCHESTRAL GRAND PIANO

を統合し、リニューアルがされたフルオーケストラの総合音源となります。

118人もの編成のオーケストラを収録し、ストリングスだけでも175種類以上のアーティキュレーションを収録。
2025年のアップデートでは、新たに”SOLO STRINGS”のライブラリが追加されました。

※収録された楽器や奏法は、下記メーカーページなどからご確認いただけます。
https://www.spitfireaudio.com/spitfire-symphony-orchestra?_gl=1dr8u71_upMQ.._gs*MQ..&gclid=Cj0KCQjws-S-BhD2ARIsALssG0Y70vrJeFquZLU8588qgBxCj8GgVx2aM5Q3GvKiFtguaNOXFSbHlJIaAv7-EALw_wcB#whats-included

Spitfire Audioのシグネチャー音源とも言えるような本製品ですが、その実態を一緒に見ていきましょう!

製品のUIについて

前提として、本製品は主に下記2つのパッチが存在し、両者でUIがやや異なります。(パーカッションライブラリや一部パッチなど、下記2種以外のUIもあります。)

・Technique collection:キースイッチなどによって手動で奏法を切り替える
・Performance legato:鍵盤のタッチにより奏法が自動で切り替わる

下記はTechnique collection のUIになります。


①音源のコントロール
②使用奏法の設定
③各マイクレベルやStereo Width/Pan などの設定

が大まかな構成になっています!
なお各マイクのStereo Width/Panは、各マイクごとに設定が可能です!うれしいポイントですね。

全体的にリニューアル前よりも画面が大きくなり、表示が見やすくなっています!
メーカー側も直感的で視認性の良いインターフェースを実装するためにUIアップデートをしたとの事で、ごちゃっとボタンやメーターが並んでいない様子は非常に好印象。

実際の使用は、通常はキースイッチなどで②のエリア内で設定した奏法を切り替えて使用する形になります。
(使用奏法はパッチにより表示される数が異なります。)

Performance legatoについて

この流れでPerformance legatoのUIと概要を把握しましょう!
Performance legatoは鍵盤のタッチにより奏法が自動で切り替わるというものでしたね。
UIは下記になっています。

Performance legatoは自動で奏法を切り替えるため、”Technique collection”にある②の奏法設定の領域が無いですね。
他は大まかには変わりませんが、大きく違うのは①領域のこちらの部分!


何やら横に音符が並んだメーターのようなものが2つ表示されていますが、
この部分でアーティキュレーションがどのように自動処理されているか、リアルタイムで表示される領域になります。
実際に使ってみた所、”ATTACK & INTERVAL”の部分はベロシティの値によってスタッカートやテヌートが切り替わりました。
メーターにベロシティのレベルと、処理されたアーティキュレーションが表示されるようになっています。
また、早いパッセージで2音以上を弾いた場合、レガートやスタッカートで演奏するかどうかも自動で処理されます。

↑音が処理されるとグレーアウトしていた音符が黒く表示されています。

“VIBRATO”の部分は①領域内のVIBRATOの値によって変更するようです。

スイッチコントロールを行う事なくニュアンス感たっぷりな旋律を出す事ができるため、これはかなり楽です。素晴らしい!
バイオリンなどメロディラインをスケッチする際など、細かい事を気にせず弾きながらアイデアを形にするシーンなどでも便利そうで、他に色々な奏法を複雑に切り替える必要がない時などに重宝できそうです。
また処理速度については全く気にならず、ストレスは感じません。

音質について

さて、本製品の大まかな概要が分かった所ですが、やはりSPITFIRE AUDIOといえば音の部分も語らずにはいられませんね。
SPITFIRE SYMPHONY ORCHESTRAはロンドンが世界に誇るレコーディング・スタジオ「AIR Studios」にて118人編成分のオーケストラが録音された音源で、迫力のある本格的なサウンドが特徴です。
実際、触ってみると音楽的で生々しさがありつつも高品位なサウンドで、こだわりの環境で丁寧に収録されたサンプルである事が分かります。

“Strings Ensemble”パッチでコードをベタ弾きしてみました。低音がしっかり出ていて気持ち良いですね・・
奏法によってニュアンスや質感が大分変わりますが、例えばシネマ系の音だと”GIANT EPIC”のような名前が付いていたりします。

軽く弾くだけで気持ちいい音が鳴ってくれますし、奏法の切り替えを行うと、非常に豊かな表情を見せてくれます。
また音自体はナチュラルな質感ですので、ジャンルを問わず幅広い場面で使う事ができそうです。
また各マイクレベルやステレオイメージによって細かい音の作り込みもできますが、コンパクトなものよりもやはりある程度ワイドな構成がこの音源の醍醐味にはなりそうですね!

まとめ

さて、この音源がどんな製品なのか、大まかに伝わりましたでしょうか。
リニューアル前も良い音源でしたが、
リニューアル後は使い勝手の良い仕様ながら本格的なサウンドでフルオーケストラも作ることができる、非常に有用なプラグインとして再誕生したと思います。
個人的にはスケッチから本格的に作り込む事までカバーされている使いやすさが特に気に入ったポイントになりました。

使い勝手の良さや収録楽器/アティキュレーションの種類の多さから初めてオーケストラ音源を導入してみたい方にもオススメですし、
サウンドの良さやUIの面から既にオーケストラ音源を所持されている方にもオススメしたいと思います!

加えてフルオーケストラ音源としては価格も比較的手に入れやすい金額であることもポイントですね。

噂通りの素晴らしい製品でした!!
今後のアップデートにも更に期待です!

Rock oN ソフトウェア研
ソフトウェア愛に溢れたRock oNスタッフ達
記事内に掲載されている価格は 2025年3月28日 時点での価格となります
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