ソリューション

用途・目的別カメラ解説:Blackmagic Design編

2024.08.22

Blackmagic Pocket Cinema Cameraは手軽にシネマティック・RAW撮影が可能なカメラで、これまで敷居の高かったシネマカメラを手軽な存在となりました。

BMPCCシリーズはPocket Cinema Camera 4KからCinema Camera 6Kシリーズまで複数ありますが、今回はそれぞれの特徴をおさえながらオススメのモデルをご紹介いたします。

Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K
Blackmagic Pocket Cinema Camera 6K G2
Blackmagic Pocket Cinema Camera 6K Pro
Blackmagic Cinema Camera 6K

・イメージセンサーサイズ

カメラがデジタル化して、画に最も影響を与える存在がイメージセンサーです。

イメージセンサーとは光を電気信号に変換するパーツ・半導体で、レンズから取り込んだ光をイメージセンサーが読み込みデータ化することによりカメラへ記録されます。

イメージセンサーのサイズは大小さまざまなのですが、一般的にセンサーサイズが大きいほど多くの光を取り込むことができるのでダイナミックレンジが広く暗所に強いと言われています。

またセンサーサイズが大きいほどピントが合っている範囲(被写界深度)が浅くなり、背景ボケが出やすいと言われています。

Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K フルサイズ4/3 4096 x 2160 イメージセンサー

Blackmagic Pocket Cinema Camera 6K models スーパー35 6144 x 3456 イメージセンサー

昨今の映画やドラマでも背景ボケを演出として多用される場面がまだまだ多くみられますので、センサーサイズも意識するとモデルを選びやすいかと思います。

BMPCCシリーズで用意されているセンサーサイズは大きく3種類。

・マイクロフォーサーズ
・super-35
・フルフレーム/フルサイズ

マイクロフォーサーズ<super-35<フルサイズの順でセンサーサイズは大きくなるのですが、BMPCCの何倍もコストがかかるシネマカメラでも多くはsuper-35センサーが採用される面を見ても、基準はsuper-35で見てみるといいのかもしれません。

・レンズマウント

BMPCCシリーズはモデルごとに、以下のレンズマウントが採用されています。

・マイクロフォーサーズマウント
・EFマウント
・Lマウント

Pocket Cinema Camera 4Kはマイクロフォーサーズマウント、Pocket Cinema Camera 6KシリーズはEFマウント、Cinema Camera 6KはLマウントを採用しております。

マイクロフォーサーズとLマウントは各メーカーごとに様々なレンズが出ており、レンズ側でサポートされていれば手ぶれ補正機能を利用することが可能です。

センサーサイズが大きくなればなるほどレンズも大型化していきますが、高感度耐性・背景ボケの演出など画作りの可能性は拡大します。

・対応アクセサリーの有無

Pocket Cinema Cameraシリーズは下記アクセサリーを利用することが可能です。主にバッテリーグリップと光学ファインダーになりますが、野外撮影にはあると便利な品です。各モデルともに純正のバッテリーグリップは用意されていますが、ファインダーはBMPCC6KProのみの用意となります。

Blackmagic Pocket Camera Battery Grip(BMPCC4K、BMPCC6KG2)
Blackmagic Pocket Camera Battery Pro Grip(BMPCC6KPro)
Blackmagic Pocket Cinema Camera Pro EVF(BMPCC6KPro)

・記録ファイル

Blackmagic RAW
動画の記録ファイルとして、BMPCCシリーズはBlackmagic RAWで撮影することが可能です。Blackmagic RAWとは動画の生データのようなもので、動画編集ソフトDavinci Resolveを利用すれば撮影後でも露出/ISO/ホワイトバランスを後から変更することが可能です。

また、ホワイト・ブラックレベル、シャープネス、ガンマなどカラーを構成する主要項目も変更できます。ピントが合っていれば、後編集で自由にエディットする幅が広いわけです。またBlackmagic RAWの特徴としては、RAWデータとは思えない容量の軽さです。最近一般的になったAppke silicon製のMacBookであればほぼストレスなく編集が可能となります。

Blackmagic RAWで撮っておけば後編集で何とかなる範囲があると考えても問題はないと思います。もちろんBlackmagic RAWだけでなく、映像業界の統一規格であるApple ProRes 422収録にも対応しております。

RAW

カラーグレーディング後

・Davinci Resolve Studio

BMPCCシリーズ全てにDavinci Resolveの有料ライセンスであるDavinci Resolve Studioが付属いたします。

Davinci Resolve StudioがあればBlackmagic RAWのカラー編集だけでなく、カット、音声(Fairlight)、VFX・モーショングラフィックス(Fusion)を項目ごとに編集することが可能です。通常購入であれば4万円台後半するライセンスになるので、これはお得ですよね。

一度導入すればアップデートは永年無料なので、導入はお勧めできます。

最も手軽なシネマカメラを導入するならBlackmagic Pocket Cinema Camera 4K、Pocket Cinema Camera 6K G2がオススメ!BMPCCシリーズの情報をまとめてみると、それぞれのモデルは仕様の違いはあれども基本構成は変わらないと思います。

そこでおすすめとして、発売から6年近く経ちますがBMPCC4Kは最も手軽にシネマカメラを導入したい方に今でもオススメできる製品です。

マイクロフォーサーズマウントなのでレンズも軽量・安価で、Blackmagic RAWで撮影すれば編集の幅も広がります。バッテリーの持ちについては発売当初からもたないと言われておりますが、複数持っておけば何とかなるかと思います。なお、Canon EFマウントをすでに持っている方にはPocket Cinema Camera 6K G2がオススメできます。センサーサイズも4Kモデルよりも大きく画作りの幅も広いので、よりシネマティックな作品作りに役立てるのではないでしょうか。

ファンキー松本
アコースティック楽器の収集・RECが中心です。最近カメラと映像編集始めました。
記事内に掲載されている価格は 2024年8月22日 時点での価格となります
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