今回はバンド演奏にフォーカスしたキーボード/シンセを紹介します。
バンドの音楽ジャンルやスタイルにもよりますが、バンド用のキーボードを選ぶにあたって押さえるポイントは
勿論ジャンルやスタイルによってはピアノ音色が不要な場合もありますが、
大抵のキーボードプレーヤーはピアノやRhodesやWurlitzerのようなエレピ音色を使うシーンが多いかと思います。
ピアノ、エレピ、オルガン等の音色に特化した機種もあり、それらの音色をメインに使う人は特化型の機種を選ぶと良いです。
バンドのリハーサルが進行する中でじっくりと音作りする余裕はあまりありません。ライブ本番でもパッと調整を行いたい時にエディット画面の深い階層に入ってという余裕はないので、ツマミが表に出ていて主要なエディットができる機種が好ましいです。
車で運ぶ場合や一緒に運んでくれる人がいる場合はその限りではありませんが、
バンド用キーボードは軽いに越したことないです。電車移動される方は基本一人で背負って運べる軽さで、10kgくらいが限界だと思います。それ以上の重さの機種はキャリーカートを使うか車で運びましょう。
キャリーカートで運ぶ場合はキャリーカート分重量が増すこともお忘れ無く。カートが転がせる場所であれば良いですが、エレベーターやエスカレーターがない場所や歩道橋でしか渡れない道路にぶち当たったらキーボード+キャリーカートの重量を抱えて階段を登ることになります。
鍵盤数に関してはピアノの演奏するなら88鍵と言いたいところですが、ベースがいるバンドなら61鍵分の音域があれば十分です。少しでも軽くなるサイズの小さい61鍵や73鍵もご検討ください。
上記の条件を全て満たしている機種だけに絞ってしまうと紹介する機種が限られるので、
それ以外の機種も一緒にご紹介します。
筆者も注目の機種です。
エディットのためのツマミが表に出ていて直感的に音作りが可能で、オルガン専用のドローバーに相当するスライダーも搭載。
オルガンに特化していない機種の場合は決まったドローバーセッティングの音色を選んで使うことになるのですが、一からドローバーセッティングを自分で作れることが嬉しいですね。
さらに重量は5.6kgで軽く、電池駆動でも動き、スピーカーも付いているのでスタジオ外でちょっと音を出すにも便利ですね。
機能、可搬性、価格とてもバランスの良い機種です。
こちらもYamahaのコンボオルガンYCの名を冠したステージキーボード。
Virtual Circuitry Modeling技術がオルガンやエフェクトに採用され音色や挙動までリアルに再現されております。
ウォーターフォール鍵盤なのでオルガンのグリッサンドに適しており、LED搭載のドローバーなので音色呼び出し時の利便性とドローバーのリアルタイムな音作りが両立できます。
また、ピアノ、エレピ、シンセの音色も一通り入っており、エフェクトも表にツマミが出ているのでエディットも楽々です。
バンド演奏をオールラウンドに対応ができます。重量も7.1kgと比較的軽量なのでこの機種1台を背負ってギグの相棒となる機種です。
こちらもYamahaのエレクトリックグランドCPシリーズの名を冠したモデルです。
Piano、E. Piano、Subの3つのセクションに分かれそれぞれオンオフスイッチがあるので、
例えばピアノとエレピやピアノとストリングスのレイヤーも簡単に作れます。
YCシリーズ同様主要な機能は表に出ており、直感的な音作りができます。
鍵盤は木製象牙調、黒檀調でタッチだけではなく質感も高いNW-GH3鍵盤を採用。
重量は18.6kgなので背負うことは出来ませんが、上質なピアノタッチ鍵盤の機種にしては軽い方ですね。
基本は車移動が好ましい重量ですが、別売で純正のホイール付きソフトケースの用意もありますので駐車場から出てからの近距離の移動に便利です。
同社のKRONOSやNAUTILUSのエントリー版と言えるワークステーションタイプのシンセサイザーですね。
ピアノやエレピに特化型というよりは、ストリングス、ホーン、シンセ、ドラムなど様々な音色を1台でカバーしておりシーケンサーも搭載のいわゆるシンセ的な機種。
シンセのフラッグシップモデルは多機能である反面重量も重くなるので、エントリーモデルはビギナーだけではなくフットワーク軽くキーボードを持ち運びたい中級者以上にもお勧めです。
本製品はなんといっても驚異の軽さ3.8kg!ギター並みですね。移動中キーボードをずっと背負っていると肩が凝りますので、この軽さは何物にも変え難い魅力です。電池駆動にも対応しているので屋外でのライブにも対応しやすいですね。
ピアノ、エレピに特化した機種です。
なんといってもそのステージで映えるスタイリッシュなデザインが特徴です。
パネルも非常にシンプルで操作に迷うことはなさそうですね。真空管回路を搭載しているので、エレピの音色に真空管の歪みを加えるとさらに雰囲気が出ます。スピーカーも内蔵しているので練習時に便利ですね。15W x 2なのでそこそこに音量も出ます。
88鍵モデルもありますが、このスタイリッシュなデザインには73鍵の方がバランスが良いと個人的には思います。
重量は18.3kg、スピーカー搭載ということもありますが、73鍵ピアノタッチにしては少し重い方ですね。
Rolandのシンセの名機JUNOの名を冠したモデル。
過去にもJUNOの名前のついたモデルは沢山出ていますが、この機種が一番JUNOらしいデザインでこちらもステージ映えするモデルですね。シンセ音色メインの方にお勧めですが、ピアノ音色やマルチ音源もカバーしているのでこれ一台でも十分バンドに対応可能です。とはいえメインとなるのはシンセですが、こちらもオリジナルのJUNO同様非常に分かりやすいレイアウトなので、リハーサル中にさっと音色が作れそうです。ツマミではなくスライダーメインのパネルレイアウトは演奏中にさっと動かせるのでバンド演奏向きだと思います。鍵盤もアフタータッチ付きの上質なシンセ鍵盤を搭載し、さらにぱっと見ではわからないですがスピーカーも内蔵してます。重量は11.6kgで61鍵のミドルクラス以上のシンセの中では標準的か少し重いかですね。電車移動で長時間背負って運ぶにはちょっと重いかもですね。
V-Piano TechnologyとSuperNATURALの独立2系統の音源を搭載し、木材と樹脂のハイブリット構造の鍵盤(象牙調、黒檀調、エスケープメント付き)
モデリングであるV-Piano Technologyで細部まで自分好みのピアノのサウンドにエディットを行い、至高のピアノ体験ができること間違えないです。
重量は20kg越えなので持ち運びには車は必須で、気軽に持ち運べる機種ではないですがステージピアノの大定番で現場に置いてあることも多いであろうRoland RDシリーズの現行フラッグシップモデルを紹介しました。
ハードウェアとソフトウェアの融合というコンセプトのArturiaのAnalog Labのハードウェア版と言えるシンセサイザーです。
Arturiaと言えばMoogやARPなどビンテージシンセのモデリングのイメージですが、実はピアノ、エレピ、オルガンのプラグインも作っており、それらの音色を含むのでバンド演奏にも対応可能です。
音色のエディットはコンピューター上のAnalog Labで行うスタイルで、V Collectionのライセンスをお持ちの場合はさらに詳細のエディットが可能です。DAW上の制作環境とステージ上の音色を共通化できることが強みですね。
白い筐体と木製のウッドパネルのデザインもステージ映えしそうでグッドですね。
重量は9.9kgで村上基準ではギリ背負って運べる重量ですね。
ステージ映えする真っ赤な筐体が特徴のバンド演奏特化のキーボードの代表機種の最新版です。
Nord Stageはオルガン、ピアノ、シンセの三つに分かれた楽器セクションとエフェクトセクションで構成され、
基本的な操作は全て表にでているツマミやボタンでコントロールが可能です。
ピアノセクションやシンセセクションのサンプルはメーカー公式ページで定期的に追加される新しいサンプルをダウンロードして差し替えが可能です。非常よく考えられたパネルレイアウトは直感的で操作に迷いません。
ピアノ鍵盤の88鍵と73鍵とセミウェイトウォーターフォール鍵盤の73鍵のCompactの3機種ラインナップがありますが、
持ち運びを想定するなら10.4kgのCompactがフットワーク軽くてオススメです。