MIDIの入力デバイスであるMIDIキーボード、37鍵の片手弾きにちょうどいいサイズだったり、両手で弾く場合は61鍵以上のものだったたり、様々なサイズのMIDIキーボードがあります。
今回はその中でも大きさも重さも大型に部類されるピアノタッチのMIDIキーボードをご紹介します。
それは他でもなくピアノを弾くためです。
ピアノタッチのMIDIキーボードは大抵88鍵です。(たまに73鍵とかもありますが)私自身ピアノタッチの鍵盤を何度か買い替えており色々なキーボードを弾きましたが、まあどれもデカくて重くて邪魔です。
さらにピアノタッチはどんな音色の演奏にもベストマッチする万能な代物ではありません。シンセ音色を弾くならシンセ鍵盤の方が弾きやすいですし、ピアノ鍵盤でオルガンみたいな手のひらを使ったグリッサンドすると超痛いです。
でもピアノの音色の場合はやっぱり重さがあるピアノ鍵盤で弾く方がしっくりきます。
アコースティックピアノの音色は強く弾いた時と弱く弾いた時で音色が結構変わります。重さのあるピアノ鍵盤の方がダイナミクスのコントロールがしやすく、鍵盤に体を預けられるような感覚があり、ピアノでの表現がとてもしやすいです。
ピアノ鍵盤でピアノ以外の音色を弾くのは慣れればそれほど苦ではなく、逆にタッチが軽いシンセ鍵盤でアコピの音色を弾く場合、油断するとすぐにピアノの音色がギャンギャンした鋭い音色になってしまい、どこか気を使いながらの演奏となってしまいます。
これも慣れや鍵盤のタッチのカーブの設定である程度対応できるかもしれませんが、それでもピアノの音色はピアノ鍵盤で弾けいた方がのびのびと演奏ができます。もちろん置くスペースが許すのであればピアノ鍵盤もシンセ鍵盤もどっちもあるのが理想的ですが、どちらか選ぶとしたらピアノ鍵盤1台の方が相対的に万能かなと私は思います。
音源付きのシンセサイザーやステージピアノもMIDIキーボードとして使うことができますが、今回は内蔵音源なしの純粋MIDIキーボードの中から選定しました。
このキーボードはなんといってもNKS対応のソフトシンセをまるでハードシンセを操作するかのようにコントロール可能な、コンピューターと外部MIDI機器の垣根を感じさせない操作感が強みですね。
大画面の液晶やゾーンごとに色を変えられる鍵盤上のLEDを搭載しております。
さらにMK3からはポリフォニックアフタータッチにも対応しております。
https://www.youtube.com/embed/Jw1jGjWKIUw?si=IjXKMzG6K1Z9xdOG
DAWやソフトシンセとの連携の強さでは右に出る製品はいないのではないでしょうか。まさにオールマイティなMIDIキーボードです。
前述のKontrol S88 MK3や日本も含めた世界中のシンセメーカーに鍵盤パーツ供給している伊FATAR社が手がけるブランドStudiologicのMIDIキーボードです。
フラッグシップ鍵盤パーツTP/40WOODを採用した木製鍵盤搭載の機種です。多くのメーカーが採用しているだけあって、鍵盤のタッチは素晴らしいです。
下位モデルには別の鍵盤ユニットを採用した本体重量が軽めでお手頃なSL88 Studio、さらに鍵盤数73鍵のSL73 Studioもあります。73鍵のMIDIキーボードは珍しいので、ピアノタッチでかつコンパクトな鍵盤をお探しの方にはこちらもおすすめです。
こちらはツマミもホイールも付いておらず、ピアノに特化したMIDIキーボードです。鍵盤はKAWAIの電子ピアノにも採用されているシーソー式木製鍵盤のRM3グランドIIを搭載。
アコースティックピアノのメーカーであるKAWAIの鍵盤のこだわりを感じます。鍵盤奥のハンマーを跳ね上げる機構のため鍵盤奥がこんもりして筐体のサイズは大きいです。
こんもりスペースの上には物を置けるので、タイピング用のキーボードやマウスや他のMIDIコントローラーを上に置くことができるのも良いですね。
付属ペダルにはハーフペダル対応のダンパーの他にソフトペダル、ソステヌートペダルも搭載した3本構成ペダルが付属します。
本体重量はなんと約30kg!音源なしのMIDI鍵盤の中では超ヘビー級ですね。私も以前所有してましたが、階段上げる時は2人で運んだ方が良いですね。でも重量が重いということはそれだけ鍵盤の機構がより本物のピアノに近い構造で作られていることとつながります。発売してからもう10年以上経つ息の長い商品ですが、今でもMIDIキーボードの中で鍵盤のタッチ他の追従を許さないピアノ一点集中特化のオンリーワンな製品です。