今回は、実験してみたぜという記事です。
ZOOMのH6を使ってバンドの一発録りをチャレンジしました。
今回の目的は、バンドのリハの収録。
普段はiPhoneをポン置きで置いておくことが多いのですが、自宅で聞き返してフレーズの作り込みをしたりする時にちょっとやりづらいと感じる事が多く、「パラで録れたらなぁ…かと言ってMacとオーディオインターフェイスを持ち込むのは大変だし。」と思っておりました。
*メンバー全員の音をパラで録る
*なるべく手軽かつ、リハスタの備品に依存しない
*他の人のセッティングをあまり邪魔しない
*準備撤収が楽
そんなシステムが出来ないかなと頭を捻ったところ、「ZOOMのハンディレコーダーを活用すればパラで録音出来るじゃん!」と今回の実験に至りました。
たまには新商品レビューじゃなくてもいいでしょ?ほぼ私物レビューをお届けします!
今回は、いつものロックオンスタッフのPD安田、イタリー多田、そして私クーパー天野に加え、外部からシンガーソングライターの丸橋ミケさんに協力頂き(ありがとうございました!)、楽曲をバンドアレンジするテイでリハーサルスタジオに入ってみました。
多田メンバーと安田メンバーには事前に弾き語りの音源を聞いて貰って、「初めてのバンド合わせ!」というシチュエーションです。
丸橋ミケ:ボーカル、アコースティックギター
クーパー天野 from 東海道本線ズ :エレキギター
イタリー多田 from 東海道本線ズ :エレキベース
PD安田 from 東海道本線ズ :ドラム
楽曲:「ゆびきりげんまん」by 丸橋ミケ
今回ご協力くださった丸橋ミケさんのHPはこちら!
超〜〜パワフルな歌声で全国津々浦々で精力的にライブ活動を行っていらっしゃいますので、ぜひ注目ください!
今回使用した機種はZOOM H6ですが、H8でも同様の使い方が出来ます。
ただ… 新製品のH6 essentialは、マイクカプセル用の延長コードが発売されておらず、全く同じ使い方は出来ません。
今回の肝になるのはこちらの延長ケーブル。
ECM-6
こちらはH6に備え付けのXYマイクカプセルを、離れた場所に設置する為のアタッチメントです。
これがあれば、レコーダー本体は手元(足元)に置きつつ、ドラム用のマイクはコンパクトかつほぼワンタッチでマイキングが完了します。
とはいえ、この ECM-6 はカメラ系で比較的よく使われる 1/4 のネジ穴があるのみですので、市販の1/4→3/8変換を使用した上でドラム用のクランプホルダーを組み合わせてみました。
本当はレコーダー本体をドラムキットに設置するのでもいいのですが、そうすると手元で録音の操作がしづらく、マイクケーブル等の必要な長さも引っ張られてしまうので…。
さて各楽器はこんな感じです。
ドラム ( PD安田 )
キットはPearl Reference series
すみません。ちょけてます。「この写真でいいのか?」と問いましたがこれでいいみたいです。
前述のクランプと組み合わせて、バスドラムのフロント側のフープに固定。
角度はやや反時計回りに回転させて、
スネアが真ん中に来つつ、ハイタムとフロアタムがマイクカプセルと水平方向に来るように調整しました。
スイベル式のマイクマウントでもあればもう少し追い込めそうでしたが、今回は手軽さがひとつのテーマ。とりあえずこれで試します。
エレキギター ( クーパー天野 )
ギター:Vinetto Legato
アンプ:JC-120
ギターはマイク録音です。
足元のエフェクター類ですがディストーションとリバーブです。両方ともずっとONにした状態です。
小型のマイクスタンドを使いたいので、軽量なマイクは何かないか、、と探した所 Lewitt DTP340TT がぴったりでした。
本来はドラムのタム用マイクですが、クリアかつ、指向性も優れモノでギターにも好印象でした。皆さまもお試しあれ。
被りを完全に排除する意味でアンプ手前の信号をD.Iでパラって後々アンプシミュレーターを掛けるのもよさそうですね。
ベース ( イタリー多田 )
ベース:Fender Japanのプレシジョンベース
アンプ:Ampeg SVT450H & SVT810E
エフェクトなし、漢のアン直です。
こちらもギターと同じくDTP340TTを使用しましたが、後述の通り、結構被りを拾ってしまいました。ベースアンプの場合、多くの機種でアンプ裏にバランスラインアウトが備え付けられているので、それを使ってもいいかもです。
アコースティックギター ( 丸橋ミケさん )
ギター:Gibson L-00
こちらは普通のD.I. でも事足りるのですが、せっかくなのでBOSSのアコースティックギター用のプリアンプ AD-2 を使いLINE OUTから収録しました。音もライン臭い音ではなく、マイク録音のようなリアルな音になって一石二鳥です。
この AD-2 Acoustic Preamp 、プリアンプと書いているのにEQもGAINもVolumeも無いとは此れ如何に。と思っておりましたが、きっとステージで使う分には改めて卓の方でゲインを取ってEQしますからね。その手前までの、ステージ上で必要な音作りをするプリアンプという意味なのでしょう。
ボーカル ( 丸橋ミケさん )
こちらは ART のDual X Direct というXLRが刺さる 2ch D.I.を利用して、XLR 2系統に分岐しました。Input1のThruをInput2に接続し、分岐しています。
また、写真には写っていませんが、MTP W950はコンデンサーマイクのため、ファンタム電源が必要です。 Dual X Direct はファンタムスルーではありませんので、audientのevo4をUSB電源で動かして簡易的なマイクプリとして繋げています。
マイクはLewitt MTP W950 。ドラムのすぐそばだったにも関わらず、確かに被りが少ないですね。
「普通にリハをしながら録音する」がテーマですので分岐したボーカルやアコギの信号はそのままミキサー卓へ流れてスピーカーから再生します。
さて、セッティングが完了したら後はもう、あとはもう録音するだけ。
演奏前に録音ボタンを押して、終わったら停止。その繰り返しでOK。
ざっくり曲の流れを確認したあと、何回か合わせて演奏してみました。
バンドはどこから入ろうか、とか、落ちサビはどうしようか、などなど、やっぱこういうのは楽しいですね!
という訳で流れの中で録音出来た音がこんな感じです。
全体で流した後、各パートをソロにしたりしてます。
今回ボーカルがドラムのすぐそばだったのもあり、ドラムマイクに結構ボーカルの生声が被ってきていますね。
というのと、ベースアンプの音量がやや小さめだったのか、ちょっと他の楽器の被りが大きめです。
これはアンプ裏のD.I.アウトから録った方がよかったか?と思いました。
ドラムは各パートクリアに集音出来ていていいのですね。
定位感も狙った感じになってくれました。
リハの確認+自宅での作り込みの為のガイド音としては充分でしょう!
ドラム以外の音はかなり小さいので、Audio to MIDIが出来るドラムリプレイサー系の反応も良さそうです。
家に帰ってDAWに展開し、ミックスダウンするとこんな感じになりました。
もちろん、レコーディングスタジオ等で「ちゃんと録った」音と比べると全く違う音ですが、MTRで試行錯誤していたあの頃を思い出して個人的には盛り上がる音でした。
という訳で今回の実験はここで終わりです。
当初の
*メンバー全員の音をパラで録る
*なるべく手軽かつ、リハスタの備品に依存しない
*他の人のセッティングをあまり邪魔しない
*準備撤収が楽
この目標は達成できました。
ch数も限られる手法ですが、
今回は初の試みで少しワタワタしてしまいましたが、慣れれば準備撤収にそう時間はかからなそう。(前後10分ずつくらい?)
被りについてもD.I.の使用や、各パートの位置取りに気をつければ改善出来そうです。
少ない荷物で出来る割(ケーブルを除けばレコーダーとD.I.数個でもOK)には、演奏の確認の他、コレを元にアレンジを考えたり、単純に練習用のバックトラックとしても充分活用出来るので有用かな〜と思いました!
バンドを組んでいる方々、ぜひ、お試しください!
今回ご協力頂いた丸橋ミケさんの、弾き語りアルバムが発売になります。
デモ音声を聴いて歌声にピンと来たお客様!要チェックです!
発売日
2024年11月02日
価格
¥1,980