ソリューション

ギタリストの宅録におすすめアンプシミュレーター!byクーパー天野

2020.04.30

宅録でエレキギターを扱う時、本来であればアンプ録りしたい!という所ですが、その場合、まず音量の問題があり、アンプ、キャビ、マイクが無いと費用もかかりすぎます。

簡易的にでもブースを拵えられればよいのですが、反響がほどほどある一般家屋の部屋の中でただ鳴らすだけでは、弾く際に録り音の正確なジャッジも下しにくく、後からミックスでの立ち位置を決めるにしても苦労してしまう事も多いです。

プラグインもいいのですが、ガチガチの制作用のスペックのPCでも無い限り、どうしてもレイテンシーやPCのスペックなどの不安は付き物。。そういう訳でハードのアンプシミュレーターがあるとエレキギター宅録の敷居はぐっっと下がります!

今回はギタリストの宅録に欠かせないアイテム筆頭である、アンプシミュレーターで、中でも小型な2機種をご紹介しましょう。

それはLINE6 HX StompとStrtmon IRIDIUMです。

LINE6 HX Stomp

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LINE6 HX StompはコンパクトなストンプサイズでありながらもLINE6のフラッグシップモデルであるHELIXと同一のアンプモデル、エフェクトが使用可能という事で、ライブハウスやスタジオに出かけると非常に多くのギタリストの足元に見かけます。

Helixシリーズ全般の特徴でもあるのですが、ルーティングやフットスイッチアサイン等、かゆい所に手が届くので、あらゆるシステムに柔軟に組み込みやすいのもヒットの要因の一つでしょう。

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HX STOMPですが、本機種の便利なポイントはマルチエフェクターでもあるという点。幅広い特性のアンプの種類に加え、ギターで使うようなエフェクトはほぼ網羅していますので、「こんな音を入れよう!」とイメージした音は大抵再現できます。パラレルパスも可能なので、例えばドライ音を抑えるような使い方はもちろん、空間系のWet成分だけ別chに収録なんてことも、可能です。

その上で、HX STOMPはオーディオインターフェースにもなります。これが非常に便利で、パソコンから見ると、メインアウトとドライ音のアウトは独立しているほか、HX STOMPのINPUTにはUSB OUTをアサイン出来る為、特に何も考えずにプロセス音をモニタリング、ドライ音を収録→他機種を使わずにリアンプ、、、なんて事も出来てしまいます。サウンドクオリティの高さと汎用性の広さ、、、はもちろん備えた上で、オペレーションの簡便さと、少し潜るとその正反対の奥深い使い方まで想定されていて、初心者の方から複雑なオペレーションを要する方まで、様々なユースケースに対応出来る、こういった思想で機能設計が出来るのも古参であるLINE6ならではですね。むしろこういった面でLINE6は本当に凄いと思います。

継続的なバージョンアップがあるのもユーザーとしては楽しみです!この記事を書いている2020年4月下旬にもVer2.91がリリースされており、入力のダイナミクスに応じて、経路を切り替える、splitというモジュールや、ディストーションモジュールなどが追加されています。

★Helixシリーズも人気!

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Helixシリーズ全般の特徴でもあるのですが、ルーティングやフットスイッチアサイン等、かゆい所に手が届くので、あらゆるシステムに柔軟に組み込みやすいのもヒットの要因の一つでしょう。

strymon IRIDIUM

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そしてもう1つのおすすめ、strymon IRIDIUMはstrymonが満を持して発売して同ブランド初のアンプシミュレーターです。これまでも地味にBigskyにキャビネットシミュレーター機能があったりしましたが、この機種のIRローダーの読み込み可能なIRサンプル数の長さはあらゆる機種と比較してトップクラスを誇ります。

ストンプサイズという事で搭載アンプ数はFender系、Vox系、Marshall系合計3つ分ですが、音の豊かさ、弾きやすさから、この3つでほぼ事足りてしまう方が多いのでは無いでしょうか。

音の輪郭や空間表現的な部分はIRの入れ替えで大いに対応可能に思えますし、アンプシミュレーターのアンプモデルって結局自分にとって弾きやすいモデルを選ぶだけの事が多いですし、、、

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こちらのIRIDIUMの特徴はなんといっても音が良いこと!弾いている感じがとても気持ち良いです。とてもリアリティある弾き心地の正体は、strymonならではのアンプ部のモデリングの精度の高さももちろんありますが、前述したIRローダー部分のスペックの高さが大きく寄与しているように思います。

多くの機種が48KHz、200msのIRを読み込むのに対し、IRIDIUMは96KHz のサンプルを500ms分読むことが出来ます。しかもステレオで、、、詳しくはオールアクセス様のブログに分かりやすい解説が載っています。是非ご覧ください!

 記事はこちら

このIRIDIUMに搭載されているアンプはFender、VOX、Marshallですが、非常に自然な弾き心地です。今までこういったクオリティのアンプシミュレーターは20万円はくだらなかった事を考えると¥55,000-という値段は破格にさえ思えます。自然な部屋鳴りを加えるRoom Reverbも搭載しており、隙が無いですね。

今まで、ソフト/ハード、メーカー、価格帯問わず結構な数「アンプシミュレーター」を手にして来ましたが、IRIDIUMが一番ナチュラルに弾ける気がします。是非。


という訳で、宅録にダントツおすすめな小型なアンプシミュレーター2機種のご紹介でした!

、、、、とは言え、最近の低レイテンシーなオーディオインターフェースであれば、ソフトのアンプシミュレーターメインでも全然行けちゃう方も多いと思います。

最近で言えばStudio One 4.6で一新されたAmpireなんて、かなりいい音してましたし、、、お持ちの方是非試して見て下さい。

機材の有る無しに関わらず、iPhoneでもiPadでも取りあえず、ありものでも始めちゃうパッションで頑張っていきましょう!その上で道に迷った際は是非ともオンラインコンシェルジュにご相談下さい。機材の使い方やインストールに関する有料導入レッスンなども可能です。

便利なTipsを1つご紹介!

最後に、これから宅録を始める方に便利なTipsを1つご紹介します。

さて、アンプシミュレーターを使って録音しよう!というその前に出来たらしておきたい事、、
DIをお持ちの方はDIを使いましょう。

DI

ドライ音を抑えても別にリアンプしないし、、、という方も、一つ便利な事があります。

録音の際にギター用にトラックを作る際、トラックを2つ作成しておき、片方をミュートした上でグループ化します。こうする事で片方に加えた編集はもう片方にも同様に作用します。そしてミュートしているトラックにドライ音を録音する様にルーティングしましょう。

そうする事で、実際のギタートラックに編集を加える際、波形の表示ではドライ音を見ながら作業が行えるので、位相を確認したり、ダブルのタイミング合わせなどの波形編集作業の効率がアップします。

他にもドライ音にはいろいろな使い道が考えられると思いますので、、、、
お試しください!

クーパー天野
バンド関係が好きです。お手持ちの楽器と録音機材をどう組み合わせるか!そんなご相談が得意です。
記事内に掲載されている価格は 2020年4月30日 時点での価格となります
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