キースイッチ(以下KS)の話の時も少し触れたラウンドロビン(以下RR)の設定は最近のオーケストラ音源のスタッカート/スピカートには必ずある機能ですが、割と自然な(?)オーケストレーションの時はあまり気にしない事も多いのですが、特にアクション系の時は設定に気を配る場面があります。
元々は単一のサンプリングを連打すると不自然な感じ(海外の音楽系フォーラムで”マシンガンみたいな”とかやり取りしてる状態)になるので、同じ音程に対して4~8つのサンプルを再生する事でより自然にするための機能がRRです。確かにRRがあると自然にはなるのですが、実際のストリングスがそんなにムラがあるのかと言えば、特にリズムに関しては皆さんかなりタイトに演奏できるのでそこまでムラができることはないです。
日本でもポピュラーなSpitfire Audio社のストリングス音源も勿論RRの設定はありますね。
初期設定では8つのサンプルを順に再生するようになっています。生演奏のストリングスをレコーディングして、それにさらにサンプリングのモックアップを足してミックスする場合は、RRの数を減らしてできるだけリズムのムラがない数を探ります。時には4サンプル以下でRRさせる時もあるし、設定は曲によります。
Spitfire Audioの場合はこのようなポップアップで設定する事ができます。この辺はDAWを再生しながら調整しますが、なんだかんだでNo extra functionalityのままRRの数を減らすだけで頃合いを見る事が多いですかね。
他は最近出番が多いBerlin Orchestra Toolsのsineと言うプレイヤーの場合はRRの設定がこんな風になっています。基本5つのサンプルを順に再生するのですが、このルーレットのような5のボタンをオンオフしてどのサンプルをRRさせるか選べるんです。これも曲を再生しながらリズムがよれないように調整します。一応Rondomのボタンがあって順番に再生する以外にランダムにRRさせる方法も選べるのですがこのランダムの関数がどうなっているのか分からないので(一言でランダムと言っても疑似乱数の考え方や乱数の分布のような考え方の違いが意外と幅広くあるんですよね)、僕も正確に理解しているわけではないのですが人生に於いて僕がサイコロを振った経験値から言えるのはサイコロが1個の場合(つまり数字が1~6しかない場合)同じ目が出る確率は低くはないんですよね。
なのでこのRandomのボタンは使った事がないです。ただプログラミング的に同じ数が連続することを避ける関数もいくつかあるのですが(というか結構あります。マルコフ連鎖モデルとか、リングバッファを使用するとか、直前の数値と同じ数値にか監視して同じ場合はリジェクトするとか、、、めんどくさw)、サンプラーの中にどう言う関数があるのかは良くわかりません。まあ作曲家的にはできるだけ自然で尚且つリズムがよれなければそれで良いので聴いて判断すれば良いだけです。
それよりも、どれだけコンプで粒を揃えるかとか、サチュレーションのプラグインを使ってアタック感とかバイト感を出すかの方が重要ですね。