前回は、スネアの基本的なマイクアレンジを説明しましたが、今回は、応用編としてShure SM57以外にどの様なマイクロフォンを僕が立てているかをご紹介します。
まずスネアのTopですがアーティストの音楽性でチョイスをしています。例えば、ロックなテイストだった場合は、beyerdynamic M201TGを立てています。マイクロフォンの指向性が、ハイパーカーディオイドであるのでハイハットや、その他のドラムキット(シンバルやタムなど)の音がスネアマイクロフォンに被りが少ないので、明確なタイトな音になります。


①1kHzから15kHzまで緩やかに上がっているので、明るい抜けがある音になります。②1kHzから100Hzまでフラット(平坦)な特性でディップ(凹んだ)周波数も見受けられない。①、②を見るとスネアの上面の鳴りをきれいにピックアップ出来るのと、明るい抜けのサウンドがピックアップ出来る。
③は近接効果になります、スネアの上面に近づけると低音が持ち上がるので上手く利用すると、太い音がピックアップ出来ます。ただ数ミリでニュアンスが変わるので数ミリずつ動かして、理想の音をピックアップしましょう。

①60度より狭い指向性で各周波数もばらつきが無く揃っている。
②に関しては、ハイパーカーディオイド特有の背面の音をピックアップしてしまう。1kHzだが、サウンド的には特に大きな問題は無いです。
Beyer M201TGはダイナミックマイクロフォンであり、極めて軽量かつ極薄のThe Hostaphan® diaphragm(ホスタファン)という高いインパルス応答のダイヤフラムを採用しています。ハードヒッターのドラマーのパワーでもマイクロフォンの音は歪む事はありません。また、ハム・キャンセル・コイルが内蔵されているので、電磁干渉も最小限に抑えます。
Beyer M201TGのこれらの特性を考えると、スネアのTopだけでは無くスネアのBottomに立てるのも有効であります。

ダイナミックマイクロフォンでの、スネアTopマイクではTELEFUNKEN ( テレフンケン ) / M-80 SHなどは弊社の若手サウンドエンジニアのお気に入りです。
次に、コンデンサーマイクロフォンでのスネアTopピックアップマイクロフォンのご紹介です。アメリカ カリフォルニア州に拠点を持つ、Lauten Audioの「SNARE MIC」です。
このマイクロフォンは、コンデンサーマイクロフォンですのでコンソールからファンタム電源を供給します。(コンデンサーマイクロフォン、ファンタム電源の説明は第10回で詳しく解説しています。)
音楽のジャンル的には、ロック、ポップス、ジャズにも良いと思います。コンデンサーマイクロフォンらしく、細かいニュアンスがピックアップ出来ます。
スネアの裏に張ってあるスナッピーのニュアンスもこのマイクロフォンでピックアップ出来るのでコンソールのチャンネルに制限がある時は、この「SNARE MIC」1本でもスネアサウンドは成立出来ると思います。(スネア裏のスナッピーについては、第14回で解説しています。)

全体に、フラットな特性では無くて個性的な特性でありますが、音が良ければ周波数特性だけでの判断はしない方が良いと思います。マイク本体に、H.P.F(ハイパスフィルター)、L.P.F(ローパスフィルター)のスイッチが付いています。
メーカーのスイッチの説明はこちら

周波数特性の、①と②のカーブは、これらのスイッチを使用した時の特性になります。
僕がこの「SNARE MIC」を使用する時は、H.P.F(ハイパスフィルター)、L.P.F(ローパスフィルター)は積極的には使っていません。全てコンソール内部のイコライザーで処理をしています。
マイクロフォンの指向性はカーディオイドです。ハイパーカーディオイドでは無いのでハイハットの被りが気になる時などは、L.P.F(ローパスフィルター)を使用しても良いと思います。
今回は、スネアをピックアップするマイクロフォンの応用編で、僕が普段使用している2本をご紹介しました。次回は少しマニアックなマイクロフォンをご紹介します。