SPITFIRE AUDIOから『THE ALBIONS ORCHESTRAL SELECTS』が登場しました!
“THE ALBIONS”というと、やはりSPITFIRE AUDIOのシネマティックオーケストラ音源『ALBION ONE』が思い浮かびます。こちらはリリースから人気が高く、シネマティック音源の定番とも言える音源でしょう。
『THE ALBIONS ORCHESTRAL SELECTS』は、そんな『ALBION ONE』含む「ALBION」シリーズの製品から魅力的なオーケストラ・アンサンブルを厳選したコレクションです。
下記コレクションのうち、各ライブラリの本質を凝縮したサウンドを厳選し収録とのこと。
ライブラリごとに異なる質感、雰囲気をもった製品となっており、各ライブラリの雰囲気を一度に揃えられるのは本製品ならではの強みですね!
ちなみにALBIONシリーズは、「シネマティック・オーケストラの本質」というコンセプトにて作られているとのこと。
何ともこのシリーズに対するSPITFIRE AUDIOの気合いが伝わってくるようです。
『ALBION ONE』に続きシネマティック音源の新定番にもなり得るポテンシャルを秘めた本製品ですが、実際に使用し全貌をお見せできればと思います!
シネマティック・オーケストラ音源として作られたALBIONシリーズですが、ライブラリ構成にもそのこだわりが反映されています。
他のSpitfire Audio製品では”Violin1″ 、”Viola”のように楽器ごとなどでライブラリが分かれているものがありますが、
ALBIONシリーズでは”Strings”、”Brass”などセクションごとにパッチが用意されているため、オーケストラの知識が無い方でも簡単に壮大な映画音楽のサウンドを操ることができます。
ALBION各シリーズ毎のサウンドを収録している本製品は、異なるカラーを持ったサウンドがまとめられています。
メーカーページには下記のような記載があります。
“Albionシリーズのパワーと汎用性の証であるこのサウンド・セレクションは、繊細なレガートやエモーショナルなサステインから、パワフルなスタッカート、轟音パーカッションまで、各ライブラリのエッセンスを凝縮しています。『ALBION ONE』の壮大なスケール感、『ALBION LOEGRIA』の豊かなストリングス、『ALBION ICENI』の重厚な低音、『ALBION TUNDRA』の氷のように美しい響き、『ALBION NEO』の緻密なディテールなど、各ライブラリの本質を凝縮したサウンドを収録。
静かで繊細なオーケストラのニュアンスから、映画音楽らしい大迫力のオーケストラ・サウンドまでダイナミックに表現することができ、あらゆる瞬間を豊かな音で彩ります。”
何とも魅力的な文面ですね・・
気になるそのサウンドを、早速チェックしていきましょう!
先に、製品のUIはこのような感じです。
先日リリースがありました『SPITFIRE SYMPHONY ORCHESTRA』と同タイプのUIですね。
①音源のコントロール
②奏法の選択
③各マイクのレベルやStereo Width/Pan などの設定
この新しいUI好きなんですよね。
新しいUIは視認性が良く直感的な操作が可能なインターフェースになっています!
先述の通り、本製品には各ALBIONライブラリからのサウンドが収録されています。
実際には、ライブラリの中にある奏法の中に各サウンドが入っているため、奏法を切り替える事で雰囲気の大きく異なるサウンドが発音できます。
下記は、
と2つのライブラリで異なる奏法を録音してみました。
同じロングトーンでも雰囲気が違うのが分かりますでしょうか!
また音の作り込みが素晴らしく、サウンドデザイン的に完成された音で鳴ってくれるため弾くだけでも十分なクオリティを感じます。
細かい微調整の必要が少ない即戦力サウンドなのが素晴らしいポイントであり、本シリーズの意向とも非常にマッチしていますね。
私の所感混じりではございますが、各ライブラリのサウンドについては下記のような感想です。
ALBION LEGACY
映画音楽向けにチューニングされた汎用性の高いサウンドで、収録ライブラリの中では比較的ナチュラルな質感があります。場面を問わず幅広く使用できそうです。
ALBION ONE
汎用性の高さを感じつつも、迫力とスケール感を感じるサウンドで、ダイナミックなシーンで特に活躍してくれると思います。
ALBION – VOL.2 / LOEGRIA
室内楽規模のサウンドで少し角が取れたような繊細なニュアンスがあります。
シリーズの中ではやや静的な音の傾向を感じ、美麗で荘厳な世界観を持っています。
ALBION III ICEN
エッジのある重厚なサウンドで、戦争、闘争などの荒々しさを感じられる重くアグレッシブな世界観を持っています。
ALBION TUNDRA
収録シリーズの中では最も静的なサウンドで、
鋭さや冷たさを感じる世界観にマッチしそうです。
ALBION NEO
室内楽規模のタイトで柔軟性の高いサウンド。
ALBION ONEのようなダイナミックさを感じますが、編成がコンパクトなためより幅広く使用できそうです。
Albion各シリーズの厳選されたサウンドを収録した「THE ALBIONS ORCHESTRAL SELECTS」の魅力は伝わりましたでしょうか?
ライブラリ構成を含めた使いやすい仕様、この1製品で多彩なシネマティックオーケストラのサウンドが手に入る事、そしてそのどれもが緻密に調整された即戦力なサウンドであるところが大きな魅力だと感じました!
ライブラリにはレガート演奏用の「Albion Legatos」や、パーカッションライブラリが含まれますが、こちらも素晴らしいクォリティでした。
数多くのキャラクターを持つサウンドが全て完成されたクォリティである様は圧巻ですね。
正直、人によってはAlbion各シリーズを個別で揃えるよりも、この1製品である程度満足出来てしまう方も居るかもしれないですね。
また各奏法から気に入ったものがあればそのシリーズを買い足しても良いと思います!
この製品は初めてのシネマティックオーケストラ音源を検討されている方に強くおすすめいたします!
他にも、すでに「ALBION ONE」などを所持されている方にも、さらに表現を広げるために導入される事もいいと思います!
SPITFIRE AUDIOの気合の入った総合シネマティック・オーケストラコレクション。
相変わらず流石のクォリティでした。