さて前回の続き。何故Clickプラグインがあるのにオーディオトラックとしてクリックを用意した方がいいのか。昔Clickプラグインに「1小節目の1拍目が鳴らない」というバグがあったトラウマです。結局そのバグも再現性がなく必ず鳴らないわけでもなく、何かの条件が揃った時に発生していたようなので心配なんですよね。
それから、オーディオで用意して置くと、以下のようなテンポチェンジがあった時に5小節目からパンチインで対応するとしても初見の曲で次のBセクションのテンポを把握するのは簡単ではないんですね。そのために何度もリハーサルするのも無駄なので、次のような準備をします。
クリックがオーディオになっているとこの作業がメチャ早くできるんですよ。そしてプレイヤーにはこの5小節目以降のテンポのプリカウントを聞いてもらってパンチインするなり、別に用意したトラックに乗り換えてもらう。これが現場ではしょっちゅうあります。
さらにこれの応用みたいな事だけど、曲中極端に小さいダイナミクスで演奏するところも上記の様にデュプリケートしたクリックトラックを作ってそこだけさらにEQでハイをカットして演奏してもらう事もよくあります。そしてリズムが入ってきたりまたffでガシガシ弾き出すところからもとのクリックに戻るようにしますね。
あ〜もう一つ!
曲の最後のクリックですが、ストリングスの演奏が終わっているのにクリックが続くと当然「クリック漏れ」の原因になります。これも事前に演奏終わりでクリックが止まるように整理しておきましょう。僕のテンプレートには既に200小節程度ここまでに紹介したクリックトラックが良いしてあって、セッションを整えたら曲終わりに飛んで、
のショートカットで不必要なところは1発で削除しておきます。
説明長くなりましたが、これがクリックはオーディオにして置いた方が良い利点の1つですね。勿論、他にも上手いやり方はあるかも知れないし、一緒に仕事するエンジニアさんに相談するのが一番良いと思います。