みなさんこんにちは、いよいよ2025年も6月に入り、梅雨入りしそうな雰囲気が出てきておりますが、いかがお過ごしでしょうか?さて、今回PD安田がやってみたのは
です。
ということで、楽曲をMacを購入したら付属する「GarageBand」で制作し、加えてマイクも以下の内容で比較してみたいと思います。
これまでは機材に対して「作曲するなら」ということで、最初は譜面を書いてみたり、そこからアコギやピアノをテープレコーダーで録音してみたりして、最終的にMacやPCを用意して完成に持っていくという道がありましたが、Macには無償で付いてくるGarageBandというのがあり、さらに今のスマホはマイクが付いておりますので、歌を入れるということはとても簡単になっているはずです。しかもスマホのクオリティも年々上がっておりますので、正直カラオケが用意できたらスマホで上手く録れれば、配信してもそんなに問題ないかも?と思うので、実際にやってみたいと思います。
なお今回、マイクにフォーカスをあてて紹介しますが、次回の記事ではGarageBandでできる可能性について深くレビューしていきたいと思います。それではマイクやっていきましょう!
歌っていただいたボーカリスト:原 健人
日本の4人組ロックバンド But by Fall のセンターボーカルギター。ライブハウスを中心に全国で活動し、 2枚のフルアルバム と 3枚のミニアルバムをリリース。
テレビ東京系アニメ 『デュエル・マスターズVSRF』エンディングテーマ を担当。
ボーカリストは原健人氏により、激アツの歌を歌ってもらいました。スマホの場合、ボイスレコーダーを使い、そのまま声を収録できますので、今回の方法としては以下のようになりました。
MacからGarageBandを立ち上げてヘッドフォンでモニタリングしつつ、スマホのレコーダーで録る。
やろうと思えばMac本体のみでも録れましたが、一応カラオケをMac/PCで録って、スマホを握りしめて録った方が現実的かなと思ったので、こちらでやっていきます。果たして、スマホのクオリティは想像がつきそうですがどうでしょう…
んん!?思った以上に悪くなく、綺麗に録れておりびっくりしております。ですがマイクなどで録ったのと比較するとクオリティの差は感じますが、最初にスマホだけでいくと別に悪くないクオリティでした。(他との違いはスマホですと低域の感じが薄くなりがちかもです)なお今回男声ボーカルという、やや中心となるサウンドのレンジは広くはないので、成り立っている感じもありますが、ピアノやギターなどレンジの広く、ダイナミックが要求される楽器となると、低域成分が薄くやや中高域が目立ってしまうかなと思います。
あとやっていてわかるのですが、スマホのマイクと自分の声の距離感において適切な位置が詰めれておらず、近すぎるとコンプが作動してしまうし、遠すぎると空間サウンドも混ざってきて、強弱が付きにくい音質で録音されがちかなという印象です。(ちなみに皆さんがハンズフリーで電話するあのイメージで録っております。)従って多少左手の置き位置次第では音質が変化しそうです。でも左手もいい感じに一定の位置であれば、今回のようにそれなりにしっかり録れているのが確認できます。(スマホクオリティ悪くないかも…?)
続いては安価ではあるがしっかり録れるおすすめのコンデンサーマイク「LEWITT LCT 240」で録ってみたいと思います。
まずコンデンサーの場合、マイクスタンドに設置するが前提になりますので、スマホと比べて距離感も固定で収録可能です。やはりコンデンサーとなればダイナミクスがしっかり収音できており、今回聞いて特に一番差がわかるところとして、最後の歌い終わりの部分の「声が切れるところ」。ここが「人が歌っている」息の感じが伝わります。これはコンデンサーマイクに向けての歌い方になれているからということもあるかと思いますが、低域の成分もしっかり取れているおかげによるものかなと思います。このように細部の収音ができているかで、楽曲によっては全体表現の印象が変わるので、やはり作り手としてはマイクを備えていくというのは重要だと言えるでしょう。
さて、LCT240はコストパフォーマンスに優れたコンデンサーマイクですが、もちろん他社のブランドで価格も幅広くあります。この後に紹介するマイクもどんどん紹介しますが、LCT240はそれでも引けを取らないクオリティなので、是非に聴き比べていただければと思います。本当に初めて購入したい…と思った方にはまずLCT240をGETしていただき、全部を通してしっかりと歌い切る、そして録りまくる、是非にやっていただければと思っております。
続きましてLCT240よりもグレードが高いマイクを選んでみます。LCT240のマイクから次のちょっといいのを…と思ったらLCT440になります。せっかくなのでLCT440とLCT240がどれぐらい違うのか聴いてみます。
まず声の抜け感(太さ)ですが、LCT440にすると、男声における太い部分に圧があります。なので、オケに対して音量が小さいかも?と思うけどそれでもちゃんと情報としては聴き取れるクオリティなのがわかるかと思います。LCT240もいいマイクですが、情報としてはやや高域部分に目立つ感触があって、表面上の楽曲では成り立ちますが、もっとボーカルの表現力を演出したい場合は、LCT440が良さそうです。情報があれば後で削るなり編集も可能です。逆に情報がないものは足しようがないので、ジャンル問わずに幅広くこなすならちょっと予算を上げるのもいいかもしれません。
なおコンデンサーマイクはどのブランドであってもダイアフラム(的なもの)で響いたものを電気化するという基本的な構造は変わらず、ダイアフラムとその電気信号に変える部分のグレードで価格が変わってきたりします。ですが、音楽の演出の仕方は絶対にこれという決まりもないので、楽曲によってはガンガン歪んでいるようなロック調だったらLCT240の方が形にし易い、とか、アカペラだったらLCT440がいいとか、割と判断としては難しいところがあります。なので、どちらが良いかに関しては、その時の予算で選んでいただき、どんどんいい作品を録っていただけたらと思います。
続いてはスタンドに立てるのではなく、手に持つタイプのハンドヘルドマイクでやってみます。(加えてダイナミックマイクで挑戦)
昨今、実況配信などの影響もあって、音楽を作らない方でも、ダイナミックマイク(SHURE SM7Bとか)を持っているユーザーは増えているかなと思います。ダイナミックマイクは手に持って歌う、そして収音域もコンデンサーと比べると狭く設計されているので、割とライブ現場などで使用されることが多く、レコーディングではコンデンサーマイクが使用されるケースが多いです。収音域が狭いとなると、必然的にマイクと口を近づける必要がありますので、声を張る瞬間などちょっとポップしがちです(聴いていてもちょっと出ておりますね)。歌うにはコツが入りますが、手に持ってその場でサクッと歌えますので、デモなどの仮入れするにはコンデンサよりも気軽かなと思います。
そしてハンドヘルドの場合ですが手に持って歌える分、先ほどのスマホの時と同様に、口の向きと手の位置は注意しないといけません。原さんはハンドヘルドも慣れているので、今回そこまで差がなく聴こえておりますが、もし最初にダイナミックマイクを手にした方は、是非に適切な距離感を研究いただけるとベストです。
またハンドヘルドは先ほど収音域がコンデンサーと比べて狭いと申しましたが、このメリットは外からのノイズが拾いにくいので、ボーカルにフォーカスして録りやすいというのがあります。しかし狭い分、部屋の響きなど合わせて録りたい(主に生のピアノとか、楽器系)となると、ハンドヘルドでは難しく、コンデンサーがあった方がいいという判断になります。よくギターアンプやアコギで、ダイナミックとコンデンサーを2本立てることがあるのは、それぞれの特性を活かしてバランスを調整している手法を行っております。
本家87に行く前に87スタイルと呼ばれるマイクで録ってみます。このモデルはU67とU87の間とのことで、実際に録ってみましたが、価格はお求めやすいながらも、使っていて歌いやすいマイクであると評価をもらいました。
聴いていただくと分かる通り、ややハイ成分に特徴があるので、これこそ仮収録にもぴったりかもしれません。あまり高くなりすぎると大事に(もちろん大事にすべきですが)しがちで、なかなか雑に扱えるマイクよりは出番が回らなくなりがちなので、こういう潰しのきくマイクも持っておくとベストかなと思います。
最後に、泣く子が泣き喚くU87Aiの登場です。聴いていただくとわかるとおり、やはりと感じるかも知れません。ぜひ、友人とかにも名前を伏せて聴かせてみていただきたいです。普段から聴き慣れてしまっているサウンドだからなのか、それともマイクの質が高いのか不明ですが、U87Aiのサウンドだというのが聴き取れるかと思います。無理のない声の質感、決して軽いわけでもないが、程よく圧もあって、抜けもしっかりとあります。
実は今回このU87がこの楽曲の最初のレコーディング音声で、さらに当日数回練習して最後に録ったテイクになります(ちなみに歌の歌詞とメロディ合わせも当日の作業です)このU87の後にそれぞれ順番に録って、スマホが一番楽曲に慣れたタイミングになります。PD安田も実はGarage Bandで録音したのがこのU87なのですが、並べて聞くと全然最初にとった感じがしないという結果です。
Neumann U87Aiはスタジオ定番で、個人宅に持つには…と思うかもしれませんが、逆にこのマイクでクオリティが出ないのであれば、部屋の環境や、歌の録り方(立ち位置や声の使い方)が問題だということがはっきりしますので、確実に己の技量を高める方はU87Aiがおすすめでございます。ご参考いただけましたら幸いです。
さていかがだったでしょうか。聴く人によって「全然違いがわからない」や、「これがこうで」とか、もしくは「このサウンドが好み!」などなど意見が多くあるかなと思います。でもどのマイクも共通して言えるのは「自分の声を作品にする」ツールではあるので、導入する際にご予算と相談しつつ、作品にするためにはどんな手段でも問わず、面白くて良いものを作っていただければと思います。
次回はDAWソフト「GarageBand」の実際に使用してみたレビューをやっていこうと思います。それではまた。