前回の記事では、メジャーアップデートを遂げたモンスターワークステーション・シンセサイザー「 Avenger 2 」の注目機能(ラチェット、ランダマイザー、新エフェクト群)を中心に、その圧倒的な表現力をご紹介しました。
Avengerの真骨頂といえば、単にシンセサイザーとしてのプリセットが増えるだけでなく、波形データやサンプラー音源、ドラムキット、シーケンス情報が丸ごとパッケージされた拡張音源(Expansion)の豊富なラインナップです。特にAvenger 2への進化に伴い、新搭載の「グラニュラー・エンジン」や「ピッチ/テンポ自動同期」といった機能をフル活用した新世代の拡張音源が続々と登場しています。
今回は、数ある最新拡張音源の中から、特に注目の新製品4選をピックアップ!実際に音を鳴らしながらその魅力とサウンドの傾向を徹底解説します!
前回のデモトラック制作でも活躍したVocal Dreamsは、Avenger 2の新機能を代表するボーカル特化型拡張音源です。プロシンガー(Olga Klochneva)による美しく透明感のあるボーカルフレーズやショットが多数収録されています。単なるボーカル素材の切り貼りにとどまらず、Avenger 2のグラニュラー・エンジンやランダマイザーと組み合わせることで、ピッチやリズムが滑らかに変化する有機的なボーカルリフや幻想的なパッド音色を瞬時に生成可能。ポップスからEDM、シネマティックまで、楽曲に「エモーショナルなフック」を加えたい時に欠かせない音源です。
Avengerの看板ジャンルでもあるEDMシリーズの最新フラッグシップEDM 5。サウンドデザイナーAndy Hinz氏が手掛ける本作は、フェスティバルやメインステージのトレンドをダイレクトに反映した最先端のクラブサウンドが詰まっています。最新のウェーブテーブルと重厚なサンプリングをベースにした極太の303ベース、切れ味鋭いリード、そして即戦力のドラムキットが満載。Avenger 2の強化されたエフェクト回路を通すことで、ミックスの前面に強烈に主張するサウンドが手に入ります。
Vengeance Soundの創始者 Manuel Schleis 氏自らがプロデュースしたDEEPは、これまでの「派手でパワフル」なAvengerのイメージを一変させる洗練されたオーガニック・エクスパンションです。68種類ものグラニュラーサンプルを搭載し、リアルなサックスやトランペットの生楽器フレーズ、温かみのあるスライドベース、滑らかなコードパッドなどを収録。ディープハウスやチルアウト、メロディック・テクノなど、音の「質感」や「空間の深み」にこだわりたいクリエイターに強くおすすめしたい音源です。
Avengerユーザーの中で絶大な支持を集めるトランスシーンに向けた待望の第4弾Trance Four。Manuel Schleis 氏と Alan Morris 氏の豪華タッグによって制作されました。141種類のプリセットと132種類のアープパターン、40種類のグラニュラーサンプルが凝縮されており、実質2パック分とも言える圧巻のボリューム感を誇ります。ユーフォリックで美しいライザーリードやテンポ同期するボーカルフレーズなど、王道のトランス・エモーショナルサウンドを瞬時に構築できます。
今回メインでご紹介した4選以外にも、Avenger 2の表現力を広げる個性豊かな新着拡張音源がラインナップされています。
80年代レトロフューチャーサウンドの最高峰。クラシックなアナログ感と現代的なミックスの抜けを両立。
ディストピア感漂う重厚なインダストリアル音源。映画やゲーム音楽、ダークなEDM制作に最適。
90年代チップチューンやレトロゲーム音源(FM合成・低解像度サンプリング)をリアルに再現したユニークなパック。
90年代のレイヴ&ハイパーテクノサウンドを現代に蘇らせる、キャッチーで疾走感あふれる音源。
メロディックなポップス制作や、劇伴・背景音響の構築に特化した即戦力ループ&プリセット集。
Avenger 2の魅力は、本体の機能進化だけでなく、こうした高品質な拡張音源を取り入れることで「常に最新の音楽トレンドにアクセスできる点」にあります。インスピレーションに行き詰まった時や、新しいジャンルに挑戦したい時は、ぜひご自身の制作スタイルに合った拡張音源を導入してみてください。今回ご紹介した動画や音色を参考に、ワンランク上のサウンドメイキングを楽しんでいただければ幸いです!