この企画を引き受けたキッカケは「何を書いても良い」という条件に魅力を感じたからなんです。機材やプラグイン紹介のような事はYouTuberの方々が日々やってらっしゃいますけど、実際に職業作曲家が現場でどんな事をしているのかという話題をもうちょっとシェアしても良いんじゃないかなと常々感じていたんです。でもYouTubeの動画作るのは面倒だし、コメントでディスられるのも嫌だし、、、とそんなタイミングで執筆の機会をいただいたので、僕が日々作業の中でやっている事を紹介していければと思ってます。
まず僕はアシスタントなしで仕事をしているので日々雑用も自分でこなしています。それ故とにかく雑用はPCにやらせるをモットーにしております(笑)。今回はWAVやmp3の合計時間の算出の仕方を紹介したいと思います。計算する必要があるいくつかのWAVをDAWに並べたり、Macのアプリ「ミュージック」にインポートして合計時間を算出することもできます。ただし、これらの方法は面倒です。でも数行のApple Scriptを書けば手軽に合計時間の確認ができます。
映画やドラマのサントラのために書いた曲は当然1枚のCDに入りきらないので合計時間を確認しながら収録する曲を選ぶ必要があるのですがそういう時もサクッと計算できます。今回はMacユーザー向けになってしまいますがWindows上でもPythonを使って同じような事ができます。
アプリケーションの中に「ユーティリティ」フォルダがありますよね?その中に「スクリプトエディタ」がありますからそれを開いてください。
ファインダーから「新規」を選択して以下のスクリプトをコピペしてください。
set n to 0
set file_list to choose file with multiple selections allowed
repeat with each_file in file_list
try
set n to do shell script "/usr/bin/afinfo " & (quoted form of POSIX path of each_file) & "| awk '/duration:/{print $3+" & n & "}'"
end try
end repeat
set total_duration to run script n -- convert the string in the variable to AppleScript number
set num_minutes to total_duration div 60
set num_seconds to total_duration mod 60 as integer
display dialog "選択したファイルの合計は" & num_minutes & ":" & (text -2 through -1 of ("0" & num_seconds)) & "ですよ~"
-- Written by Eishi Segawa 23/SEP/2014
実際にコピペするとこうなります。スクリプトをコピペしたら、右上の横三角の再生ボタンを押してみてください。フォルダの位置を指示するようにポップアップが出てきますから、1つまたは複数のWAVやmp3を選んで「選択」ボタンをクリックすると合計時間が出るはずです。あとは好きなファイル名でセーブ。ただ毎回スクリプトエディタを開くの時間の無駄なので、すぐにこのスクリプト実行する方法を次回紹介しますね。
この場所でプログラミングの細かい事を解説する事はしませんが今回ポイントになるのは
afinfo
というMacOSのコマンドです。「afinfoコマンドを実行する」といった言い方をします。ターミナルからもパスを指定してafinfoを実行すれば同様の事ができます。WAVは書き出された時点でファイルフォーマット、ビットレート、サンプルレート、再生時間などの詳細情報を埋め込まれているのですが、このスクリプトではその情報を集めてきて合計して60で割り切れた部分は分数として、残りを整数として間に「:」を挟んで結果を表示しています。
最後に表示される日本語の部分を各自好きに変更してみてください。また次回!