ボタンを1回プッシュするだけで、2系統のステレオインプット(INPUT1及びINPUT2)をシームレスに切り替えることができます。音切れがなく瞬時に入力ソースが切り替わるので、マスタリング・チェーンの比較やリファレンス音源とのミックスの聴き比べ、あるいはレコーディング・シグナルとミックスダウンのスイッチングに非常に役立つ機能です。プロフェッショナル・レベルのミックス、マスタリング・スタジオからホーム・レコーディングまで、あらゆるシーンでの作業を簡易化し利便性を高めるインプット切替がConvert-AD+に搭載される一つ目の革新的なポイントです。
AD変換時に0dBFSを超えて信号をクリッピングさせてしまった経験は、誰しも思い当たる節があるはずです。Convert-AD+に搭載される2つ目の革新的な機能である“CLIP GUARDテクノロジー”は、信号の最終到達地点、例えばDAWなどで赤色のクリップ警告が点灯するのを防いでくれます。一般的なレベルメーターではクリッピング発生時には赤色に表示されますが、Convert-AD+のLEDインジケーターではOVER領域の表示が緑色から黄色に色が変わります。もう“Mastered for iTunes”やCDプレス工場で弾かれる心配はありません。Convert-AD+のCLIP GUARDはリミッターではありませんので、クリッピングが発生した箇所も聴感上は原音通りに再生されます。単純にDAWなどのAD変換信号の受信先でクリッピングとして判別されるのを防ぐ機能です。
ミックス、あるいはマスタリングにおけるダイナミクスは、RMS(アベレージ)とPeak(トランジェント)の間に存在しています。ダイナミクスが集中する-10dB~0dBFSの領域をより精密に表示することを目的として、Convert-AD+ 第三の革新的機能 “ズームメーター”を搭載しました。一度このズーム機能に触れてしまえば、もうこれなしではいられなくなるでしょう。
ミックス、マスタリング・チェーンの最終段にトランスフォーマーをかませることで、トランス由来のキャラクターによる豊かな表現力や馴染みの良さが得られることは広く知られているテクニックでしょう。Convert-AD+にはHammond製トランスフォーマーがビルトインで搭載されており、“X-FORMER INSERT”をワンプッシュするだけでトランスが織りなす音色のマジックを実現します。100年を超える長い歴史に裏付けられたHammond社製トランスがイノベーティブな最新機能を有するConvert-AD+と融合し、芯のあるサウンドを生み出しています。
Dangerous Music製品のアナログ回路のデザインを担当するChris Muthは、エンジニアが必要とし、エンジニアが求める機材とは何かという問いに的確に答える深く豊富な知識と経験を彼の中に持ち、そのノウハウはConvert-AD+の設計にも存分に活かされています。X-FORMER機能をオンにすると、Convert-AD+に搭載される第五の機能 “EMPHASISエフェクト”も同時にアクティブになります。Dangerous Musicが特許を持つこの機能はEQとコンプレッションが複合的にサウンドに影響を与えるもので、ミックスやマスタリング、トラックのA/Dコンバージョンに彩りを加え、また違ったイメージを与えるカラーリング機能です。力強いローエンドと滑らかなサチュレーションが乗った中・高域を実感できるでしょう。
・44.1kHz ~ 192kHz 6つのサンプルレート
・-14dbFS / -16dbFS / -18dbFS 3つのキャリブレーション・レベル
・ステレオ2系統で切替可能なディスクリート・インプット回路
・DAWに送る信号のクリッピングを防ぐCLIP GUARDテクノロジー
・ピークホールド機能搭載のデジタルメーター
・レベル管理の核となる-10~0dBを拡大、解像度を高めて表示するズームメーター搭載
・3種類のワードクロックモード:Internal / External / Master
・HAMMOND製カスタム・トランスフォーマーを回路に挿入するX-FORMER機能
・倍音成分で温かみと煌びやかさを生み出すEMPHASISエフェクト機能
・Mac/PC接続用USBポート
・I/O仕様
入出力
・ステレオ入力×2系統
・AES/EBU出力×2系統
・ADATオプティカル出力×1系統
・SPDIFオプティカル出力×1系統
・SPDIFコアキシャル出力×1系統
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