5060 Centerpiece は、レコーディングコンソールの開拓者が21世紀のスタジオのために設計したクラスA・アナログ回路を心臓部に宿したミキサーです。デスクトップタイプの 5060 は、フラッグシップコンソール 5088 のカラーとセンターセクションのフィーチャーを受け継ぎ、それらを手元で操作できるよう仕上げられました。ハイエンドアウトボードとロスなく接続するためのカスタムトランスフォーマー、柔軟なモニタリングシステム、DAWのトランスポートコントロール、そして Rupert Neve 氏が設計した24チャンネル x2 のミキシングバス - これらすべてが集約されています。
5060 を核にすることで、モジュラーのように必要なものだけを揃えたアナログ/デジタルのハイブリッドミキシングシステムを構築していくことができます。5060 は近年のDAWコントロールテクノロジーに最適化され、DAWのステム出力とシームレスに結合し、ファイナルミックスとステレオトラック出力、ソースの選択、モニターの切り替えなどをコントロールルームに座ったまま行うことができます。
Rupert Neve Designs の他のサミング製品やアウトボードと組み合わせることで、5060 を中心に用途に合わせた規模のアナログシステムを構築できます。この時、5059 はチャンネル個々のコントロール、AUXルーティング、そしてチャンネル数の拡張を担い、Portico モジュールはプリアンプ、EQとダイナミクスコントロールを担います。5060 は夢に描いたシームレスなハイブリッドシステムによる作業を現実のものとします。
カスタムトランスフォーマーやクラスAのミックスバス、そして伝統的なサウンドをもたらすバリアブル "Silk(シルク)" 回路 - 音楽的な仕上がりをするためのすべてが 5060 には用意されています。ミックスバスをハードにドライブし、"Texture(テクスチャー)" ノブを回すことで、豊かで、サチュレーションの効いたビンテージ機器の質感を備えたサウンドに仕上がります。反対に、Silk 回路をオフにして、クリーンかつ開放感のある美しいサウンドに仕立てることも可能です。
Silk は、出力トランスのネガティブフィードバックを低減し、周波数特性を Rupert Neve 氏が過去に設計したビンテージ機器に近づける働きをします。「ブルー」モードではソース素材の低域から中低域の倍音に作用し、サウンドにふくよかさをもたらします。「レッド」モードではソース素材の中高から高域の倍音を強調し、サウンドに輝きを与えます。
Silk をオンにした場合、Rupert 氏が設計したクラスA回路による多くのビンテージ機と同様の適度な歪みと倍音成分が加えられ、定評ある Neve サウンドを得ることができます。これらの機能が、5060 に類を見ない幅広いサウンドオプションをもたらします。創造性をかきたて、そのソースに最適な効果を見つけることを可能にします。
5060 にサテライトミキサー 5059 を加えた場合、デュアルステレオ出力による異なる Silk と Texture の操作によるトーンコントロールが可能です。ステム信号をインサートセンドからプロセッサーに送り、パラレル処理をし、ステレオ入力の9~24に戻します。このことで、より多彩かつ適切なサウンドに仕上げることができます。
新しいデジタル技術の誕生と衰退、めまぐるしく変化する技術革新の中においても不変なものは存在します。Rupert 氏は数十年も前にトレンドに左右されないモジュール型のアナログクラスA設計を確立しました。この現在では一般的となった "伝統" の設計によって、RND チームはさらなる高みを目指し、それに集中することができました。その思想と信念を曲げることなく時代にあった新しい機器を、より良いサウンドクォリティ、柔軟性、扱いやすさとともに提供することに邁進しています。
そうした設計によって誕生したのが、高電圧駆動、クラスA回路、デスクリート設計とトランスフォーマーカップリング構造を備えたミキシングコンソール 5088 です。5088 は Rupert 氏の膨大なアナログ回路に関する知識の集大成と言えます。その本質を受け継ぎ、豊富な接続オプション、卓越した品質、シルク回路による効果的かつ多様性を備えたコンパクトな 5060 は、サウンドにこだわりのあるモダンスタイルのスタジオの中核として最適なギアとなることでしょう。
別売のラックマウントキットを使えば、5060 を標準的な19インチラックに取り付けることができます*。また、木製サイドパネルを取り外した状態であれば、ラックマウントされているスライドアウトトレイに 5060 を収めることも可能です。
*5060 の木製サイドパネルを取り外し、ラックマウントキットと付け替えます。この際、5060 本体は8U分のスペースを占有します。
接続端子 | ミックス入力 1~24 : DB-25 x2 ミックスチャンネルインサート(センド/リターン)1~8 : DB-25 x1 外部モニターへのミックスセンド : モニター出力(モニター3はラッチング): XLR x6 トークバック出力 : 1/4インチTRS x1 トークバックリモート : 1/4インチTSx1 ステレオミックスインサート/リターン L-R : TRS x4 ステレオミックス出力 : XLR x2 MIDI入出力 : MIDI(Din-5)x2 コンピューター接続 : USB 電源 : IEC-3ピン |
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ステレオ出力 | (表記がない場合は @ 1 kHz) 25.4 dBu @ フェーダー= 0 ポジション、チャンネル1~8最大入力 15.2 dBu @ フェーダー= +10 ポジション、チャンネル1~8最大入力 25.4 dBu @ トリム= 0 ポジション、チャンネル9~24最大入力 |
最大出力レベル | +25.4 dBu @ 入力の組み合せ問わず |
周波数特性 | ±0.25 dB @ 10 Hz~120 kHz -3 dB @ 185 kHz |
ノイズレベル | 22 Hz~22 kHz –90 dBV 以下 @ チャンネル1~8 –100 dBV 以下 @ チャンネル9~24 |
THD+N(高周波歪み率) | +20 dBu 出力、チャンネル1~8、フェーダー=ユニティー、10 Hz~80 kHz :
0.023% 以下 @ 20Hz 0.0022% 以下 @ 2kHz 0.016% 以下 @ 20kHz +20 dBu 出力、チャンネル9~24、フェーダー=ユニティー、10 Hz~80 kHz : 0.023% 以下 @ 20Hz 0.0032% 以下 @ 2kHz 0.001% 以下 @ 20kHz |
Silk Blue / Red(テクスチャー設定最大) | ◼︎ノイズ 5% 以下 @ 20 Hz、+20 dBu 入力 0.2% 以下 @ 200 Hz、+20 dBu 入力 ◼︎周波数特性 -2.3 dBu @ 20 Hz、0 dBu 入力 ◼︎歪み 5% 以下 @ 20Hz、+20 dBu 入力 0.15% 以下 @ 200Hz、+20 dBu 入力 ◼︎周波数特性 -1 dBu @ 30 Hz、0 dBu 入力 |
IM歪み | 0.0008%(CCIF/DFD)@ +4 dBu |
クロストーク | -49 dB @ L/R間、+10 dBu、10 kHz -70 dBu @ チャンネル間、CMRR = 1k チャンネル入力、0 dB レベル、フェーダー=ユニティー |
ピークLED | +22 dBu で点灯 |
モニター出力 | ◼︎最大出力レベル :+25 dBu、@ 1 kHz ◼︎ノイズレベル –90 dBV以下 @ チャンネル1~8 –100 dBV以下 @ チャンネル9~24 ◼︎THD+N (全高調波歪み率) 0.023% 以下 @ 20 Hz 0.0032% 以下 @ 2 kHz 0.017% 以下 @ 20 kHz |
ヘッドフォン出力 | ◼︎最大出力レベル:
+20 dBu 以上 @ 非負荷 ◼︎ノイズレベル: –85dBV 以下 @ 22 Hz~22 kHz ◼︎THD+N (高周波歪み率): 0.02% 以下 @ 2 kHz、68 Ω、16 dBu 出力 ◼︎ヘッドフォンインピーダンス: 16 Ω 以上推奨(最小 8 Ω) |
仕様は予告なく変更となる場合があります。 |
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