不可能を可能にする、Waldorf Iridium
Quantum から受け継いだ強力なシンセシス・エンジンがコンパクトな筐体に収まりました。
偉大なる兄弟の足跡を辿りながら、Iridium (イリジウム)は Quantum のすべてのシンセシス要素を備え、ラックマウント可能なフォーマットで実現しました。
驚異的な柔軟性と緻密なサウンド・シェイピング機能は、無限なるサウンドの可能性を生み出します。それでいて、包括的なレイアウトとわかりやすいシンセシス構造により、あなた自身のサウンド・デザインをすぐに生み出すことができます。堅牢な金属製の筐体と Quantum と同じく高い技術のクラフトマンシップを持つ Iridium により、世界中のステージとスタジオを繋ぐ準備が整いました。
PPG Wave からの連綿として繋がる Waldorf の素晴らしき歴史の新たなファミリーに Iridium が加わりました。しかし、Iridium はその祖先をはるかに超えた素晴らしい機能を持っています。
3基のオシレーターには、Waldorf の代名詞となるウェーブテーブル、クラシック・スタイルのシンセ波形を生成するウェーブフォーム・オシレーター、マルチサンプルからグラニュラーまで強力な機能を持つパーティクル・ジェネレーター、物理モデリング技術によるレゾネーター、そして Quantum OS2.0 で追加された FM シンセシスが行えるカーネル・モードといった、5種類の強力で個性的なシンセサイズ・アルゴリズムを使用できます。
ウェーブテーブルとは、複数並べられた1周期波形をスキャン/再生する音源方式です。コントローラーやエンベロープなどを活用した時間経過に応じた波形の切り替えで、非常に複雑な音色変化を行います。Iridium のウェーブテーブルでは、Waldorf / Nave(ソフトウェア)の機能を内包するウェーブテーブル・アルゴリズム、スピーチ・シンセシス、オーディオからのウェーブテーブルを用いることも可能です。
ノコギリ波、サイン波、三角波、矩形波(PWM可能)、ピンクノイズ、ホワイトノイズといった、クラシカルなスタイルのシンセ波形を生成するオシレーターです。波形を様々な形に変化させることができるワープ機能を搭載しており、オシレーターシンクも可能です。ウェーブフォーム・オシレーターは、最大8つのオシレーター信号(カーネルと呼ばれる)を同時に生成することができます。
オーディオ・サンプルをベースにしたサウンド・ジェネレーターです。サンプルは、1つまたは複数のサンプルを使用することが可能で、サンプルの再生には、ノーマル・プレイバックとグラニュラー・プレイバックといった2つのモードを使用できます。生楽器のサウンド・プレイバックからグラニュラーによる実験的な音作りまで幅広く活用できます。
物理モデリング・シンセシスの技術によるレゾネーターです。短いインパルス・ノイズをバンドパス・フィルターへ入力して共振させる事でサウンドが生成されます。金属系や木管系など芯のある物理的サウンドを容易に生み出すことができます。
カーネル・モードは、Quantum OS 2.0 以降に追加された機能です。クラシックな6オペレーター FM シンセシスから、オーディオレートの FM を介して相互リンクを行いユーザー設定可能なコンステレーションに配置できます。
カーネル・モードのエディットは、テンプレートを選択して5つのマクロ・パラメーターを操作するだけで簡単にエディットが行える「テンプレート・モード」と、より多くの FM パラメーターへアクセスできるFM エキスパート・ユーザーのための「フルエディット・モード」から選べます。フルエディット・モードでは、自分で作成したテンプレートのインポートやエクスポートが行えます。
Iridium は、ボイスごとに3つのデジタル・フィルターを備えています。デュアルフィルター・セクションに2つ、デジタル・フォーマーに1つあり、いくつかのタイプから選択することができます。
・12dB/24dB ローパス/ハイパス/バンドパス・フィルター。機能として、サチュレーションやダーティーも選択可能
・Waldorf Nave、Largo、PPG 3V などの様々なフィルター・モデルを使用可能
・デュアル・フィルター・セクションは、いくつかの異なるリンクモードで個別または連動したコントロールが可能
・デジタル・フォーマーは、デュアル・フィルターのすべてのフィルター・タイプとモデルに加え、Comb、Drive、Bitcrusher などの特徴的なモデルを用意
すべてのフィルターは、Iridium のシンセシス・ストラクチャー内において、常にステレオ信号として処理されます。
モジュレーション・マトリクスでは、6つのエンベロープ、6つの LFO、またその他たくさんのソースを 40 スロットのモジュレーション・ソースとして使用することができます。各スロットには、1つの追加コントロールとアマウント量を設定可能です。モジュレーションは、Iridium のほぼすべてのパラメーターと接続できます。モジュレーション・マトリクスは、すべてのソースとデスティネーションを使いきるまで使用することができます。エンベロープや LFO が足りなくなった場合は、コンプレックス・モジュレーターを使用してカスタム形状のエンベロープや LFO を生成することもできます。
Iridium は、驚異的な数のコントロール・パラメータを備えていますが、マスターしやすいロジック構造ですべてが構成されています。主要なコントロールには専用のノブがあり、その他のコントロールにはタッチ・スクリーンや周囲のエンコーダーからアクセスできます。長いメニューで迷い、予定していたことが実行できなくなるなんてことはありません。その代わりに、他のシンセサイザーでは見逃しがちなワークフローがすぐに見つかります。
フロントパネルに埋め込まれた 4x4 シリコンパッド・マトリックスは、ノート、コード、アルペジオ、シーケンサーを動かし、ノートと複数のパラメーターラインに最大 32ステップのシーケンスを与えます。パラメータへの直接操作は、タッチスクリーンの左右にある7つのエンコーダによって行います。
Iridium の大型カラー・タッチ・スクリーンには、常に現在のパラメーター情報が表示されています。ノブを動かすと、Iridium はその変化をリアルタイムで光学的にフィードバックします。フィルター・カーブの動き、パーティクルの粒度の変更、エンベロープのワープも同様です。また下記のような画期的な機能もあります。
・コンプレックス・モジュレーターのカーブを指で描くことができます
・エンベロープでは、ボイスがどの地点にあるかを示します
・ウェーブテーブルでは、包括的な表示モードで表示されます
・VU メーターでは、使用されているボイスと個々のボイスレベルを表示します
・アナライザーは、異なるポイントのオーディオ信号を表示します
2つのオーディオ出力により Iridium のサウンドを聴くことができ、2つの入力により Iridium で外部信号を処理することができます。4つの CV 入力と、ゲート/トリガー入力からの外部信号をモジュレーション・マトリクス・ソースとして選択することができ、さらに Clock In と Clock Out を使って外部の機材とI ridium を同期させることができます。MIDI 接続は、USB および DIN MIDI を介して行うことができます。Iridium には、MIDI デバイス用の USB ホストポートも装備されています。このポートは、MicroSD カードスロットに加えてデータ転送も行います。
Waldorf は、斬新かつ刺激的なシンセサイザーを世に送り出し、再び彼らの地位を際立てました。Iridium は、ドイツで設計、製造、組み立てられています。使用されるすべての部品は、工業グレードの品質であり、長年使用できる信頼性の高いスタジオデバイスを作成します。
オシレーター・モード:
デュアル・デジタル・フィルター:
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