1974年に発売されたRE-201 Space Echoは、これまでで最も有名かつ象徴的なエフェクト・ユニットの1つです。
アナログテープを使用した独特のマルチヘッド・ディレイ・エフェクトは、過去50年間に渡りパフォーマーやプロデューサー、ミックスエンジニアの定番となっています。オリジナルのSpace Echoを生んだRolandが熱意を込めて制作した、超多用途で自由度の高いエフェクトをDAWで活用できます。
70年代の中頃は、音楽のパフォーマンスや制作にとってエキサイティングな時代でした。アーティストはよりサウンドそのものに焦点を当て始め、新しいサウンドを求めて最新のテクノロジーを試すようになります。
テープ・エコーは実用的な最初期のディレイであり、1940年代には開発されていました。しかし数十年の時を経て、技術の進化と共により幅広く効果的に使用できる製品が現れます。
Roland RE-201 Space Echoの登場です。
オリジナルのRE-201は、当時最高のテープ・エコーの1つであり、1980年代後半まで継続的に生産されました。
等間隔に配置された3つのヘッドは、一般的なシングルヘッドに比べ幅広いエコー効果を生み出し、革新的なフリーランニング・テープシステムによりテープの摩耗を最小限に抑えた高性能を実現。スプリング・リバーブも組み込まれており、アンビエントのすべてをワンストップで生み出すことができました。直感的なコントロールにより、シングル・ディレイや様々なヘッドの組み合わせ、ピッチ・シフトや強烈な自己発振などのクールなリアルタイム・エフェクトへのすばやいアクセスが可能でした。
RE-201は、プリアンプの設計から独自のマルチヘッド・テープメカニズム、高度なスプリング・リバーブも備えた複雑なハードウェア・エフェクトです。
RE-201 Space Echoプラグインは、最新のモデリング技術と、Rolandのファクトリー・アーカイブに保管されているオリジナルのユニットを含むいくつかのビンテージ RE-201を徹底的に分析し、他のプラグインでは味わえない本格的なSpace Echo体験を実現しています。
これにはすべての要素と相互作用を忠実に再現して、その独特のアナログな雰囲気を正確に蘇らせる必要がありました。私たちはオリジナルの製作者として、何十年にもわたる研究成果を活用し、完全に再現したプラグインをあなたのスタジオにお届けします。当社のエンジニアは、テープ・パスや録音/再生のメカニズム、モーターのバリエーション、プリアンプの色付け、テープの経年変化など、RE-201のキャラクターを特徴づけるあらゆる要素を完全に再現しています。
RE-201の多彩なディレイとスプリング・リバーブは、あらゆるソースに豊かでレトロなキャラクターを与えることができます。ディレイとリバーブを独立して使用することも、組み合わせて広大なサウンドを作り出すこともでき、フロントパネルの豊富なコントロールにより、簡単に表情豊かなサウンドを形作ることが可能。どのように使用しても、RE-201はあなたのトラックを新たな領域へと導きます。
Space Echoサウンドは驚異的な汎用性の高さを誇ります。鍵盤、ギター、ドラム、ボーカルなどに活き活きとした躍動感を与え、繊細な色付けや浮遊感、時に斬新な表現まで、この切望されたエフェクトは何十年にもわたり数千ものトラックで使用されており、多くのプロデューサーに愛用され続けています。簡単に満足のいく仕上がりにできる一方で、より深く掘り下げていくことで得られる効果もあります。
RE-201は、使用年数やテープの寿命、メンテナンスの程度によって、様々な表情を見せてくれます。 プラグインでは、全体的なコンディション、テープのワウやフラッター、さらにはモーターのトルクを調整するためのコントロールを搭載し、工場出荷時の状態から何十年も使い込まれたビンテージ・テイストまで、あらゆるRE-201を体感することができます。
RE-201は自在にディレイ・サウンドやリバーブ・サウンドを簡単に調整できますが、RE-201プラグインには、あらゆるソースに奥行きを与える豊富なプリセットが搭載されています。チャンネル・インサート用に設計されたプリセットと、エフェクト・リターン用のオールウェット・バージョンがあり、Space Echoサウンドを単一のトラックや、複数のソースに一度に適用することができます。
オリジナルのサウンドと動作を忠実に再現している一方で、現代の音楽制作環境に最適な拡張機能も追加しています。よりワイドなサウンドを実現するステレオ・モードや、レートやデプスのコントロールを備えた6種類のテープ・スピードLFOシェイプ、フィーリングを劇的に変えるテンポ同期など、豊富な機能を搭載しています。
RE-201のユニークなキャラクターを形作る重要な要素は、驚くべき忠実さで再現されています。テープ・サチュレーションの固有のサウンドと、プリアンプの温かみのあるトーンは、それだけでも導入する価値があります。
さらに、プラグインはオリジナル・ハードウェアの3系統の入力とボリュームノブを再現しています。入力を選択し、70年代のクラシックな設計のトランジスタ回路に仮想的に過負荷をかけることで、エコートーンにウォーム・オーバードライブから強力なディストーションまで、あらゆるテイストを吹き込むことができます。
RE-201は、ダブ、トリップ・ホップ、オルタナティブ、パンク、ロカビリーなど、さまざまな音楽ジャンルで愛用されています。
ダブのパイオニアであるLee “Scratch” PerryやKing Tubbyなど、数々のアイコニックなアーティストが使用しており、彼らはこのユニークなフィードバックとサチュレーションを楽曲に活かしています。
Space EchoはPortisheadのレコーディングでも大きな役割を占め、Vini Reillyのアルバム“Durutti Colum”の独特の雰囲気からRadioheadの象徴的な発信音まで、音楽史を彩る多くの印象的な場面でその存在感を知ることができます。
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