『Studio Concert D 1887』は、1887年製の希少な初期型Steinway & Sons コンサートグランド「Model D」のサウンドを、精緻なサンプリングで現代に蘇らせたピアノ音源です。時代を超えて受け継がれた叙情的な響きと豊かな倍音を、現代の作曲家・プロデューサーへ届けます。
1884~1892年に製造された同シリーズの中では唯一オリジナルの状態で保存され、専門家によって修復された現存する個体です。19世紀の職人技と後の革新技術の架け橋ともいえるこのピアノは、スタインウェイ製のピアノの特徴でもある、豊かな倍音を作り上げる「デュープレックス・スケール」、そして各音で弦長を変える、角度のついたブリッジピンが特徴です。
これにより、当時のどのコンサートグランドとも異なる、叙情的で歌うようなトーンが生まれます。
本製品に収録されたピアノは、1884〜1892年に製造された同シリーズの中で唯一、完全なオリジナル状態で現存する個体(シリアルNo. 62523)です。
約140年にわたり驚くほど良好な状態で保管され、ハンマーヘッドを含む主要部品は当時のまま。修復では弦、チューニングピン、ベアリングフェルトの3点のみが交換され、1887年当時の響きが忠実に蘇りました。
また、後期のModel Dとは異なり、追加のデュープレックス・スケールと角度のついたブリッジピンを備え、他のどのグランドピアノにもない「歌うような音色」を生み出します。
1888年、俳優で劇場支配人の Arthur Cecil Blunt 氏に納品され、その署名は今もフレームに刻まれています。
長く行方不明となっていましたが、後にギルフォード大聖堂で再発見され、2019年まで使用。現在はウィーンの Clavierhaus にて保管され、スタインウェイ専門家 Uwe Weschenfelder 氏らによって精密に修復されました。
収録は、タイトな音響が特徴のSynchron Stage Vienna「Stage B」にて、VSL独自の「ピアノロボット」を使用し、全ベロシティとリリースを高精度にキャプチャー。繊細なソフトペダルのサウンドも忠実に再現しています。
クローズ、ミッド、デッカツリー、サラウンドなど複数マイクで多彩な音作りが可能で、「Concert」「Intimate」「Player」「Pop」などのプリセットに加え、創作意欲を刺激するFXバリエーションも収録しています。
ハイパフォーマンスな専用エンジン「SYNCHRON PIANO PLAYER」を同梱
本作には、「SYNCHRON PLAYER」をベースに開発された「SYNCHRON PIANO PLAYER」が付属しています。「SYNCHRON PIANO PLAYER」には新しいオーディオ・エンジンが搭載されており、前例のないストリーミング・パフォーマンスと洗練された使い勝手を提供します。
「SYNCHRON PIANO PLAYER」には5バンドEQ内蔵のミキサー、位相の補正のためのディレイ、アルゴリズミック・リバーブ、フェーズ・スイッチ、フレキシブルなパノラマコントロールも搭載されています。Windows 及び macOS ではVST、AU、およびAAX Native プラグインとして動作します。
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