ネットワークオーディオにおいて「ネットワークを分けること」は、音質を引き出すうえで極めて有効な手段です。しかし、ネットワークを完全に分離してしまうと、スマートフォンやタブレットからのアプリ操作ができなくなるという問題が生じます。
この課題を解決するのが、TOP WING OPT APです。OPT APは、ネットワークオーディオ専用のWi-Fi親機(無線アクセスポイント)として開発され、DATA ISO BOXと組み合わせることで、オーディオ機器への通信負荷を最小限に抑えながら、操作性の自由度も両立します。
市販の無線アクセスポイント、特に安定性の高い業務用機器は、多くの環境に対応するために非常に多機能です。例えば、以下のような機能があります。
これらは業務用途では便利ですが、ネットワークオーディオにとっては不要なだけでなく、動作の不安定さやノイズ源になりうる要素です。適切な設定を行うには、ネットワークの専門知識を要します。一方で、家庭用ルーターのWi-Fi機能はコスト制約が最も厳しい箇所であり、しばしば不安定な挙動が発生します。
OPT APはそうした機能をあえて搭載せず、オーディオ用途に必要な最小限の構成に徹しました。複雑な設定は必要なく、シンプルかつ安定した無線環境を提供します。各実測値においても極めて優秀な性能を示しています。
※Wi-Fi6対応端末<->OPT AP<->iPerf3サーバにて、Wiresharkを用いたパケット解析による測定、SFPポート2.5Gbpsリンク時
OPT APには一般的なLAN(RJ45)ポートに加えて、SFPポートも搭載しています。
※左からSFPポート、LAN(RJ45)ポート、DC入力(12V/1.5A)
このSFPポートは、DDM(Digital Diagnostic Monitoring)対応で、SFPモジュールの動作状態や温度・電圧・信号レベルなどの情報をリアルタイムに読み取ることができます。これにより、オーディオネットワークにおける光伝送の状態確認やトラブルシューティングにも役立ちます。
光メディアコンバーターや光LANケーブルとの併用を検討する場合、あるいは将来的に拡張する場合に、SFPポート搭載のシンプルな単体アクセスポイントは非常に貴重な存在です。
OPT APをDATA ISO BOXの専用ポートに接続することで、スマートフォンやタブレットなどの操作端末が「オーディオ専用ネットワーク側」にアクセス可能になります。
つまり、ネットワークの分離はそのままに、アプリによる操作性を取り戻すことができるのです。また、OPT APは基本設定済みで出荷されるため、DATA ISO BOXに接続するだけでそのまま使い始められる手軽さも魅力です。初期設定の煩雑さがないのは、オーディオ用途では大きなアドバンテージです。
OPT APは、「ネットワークの静けさ」と「スマートな操作性」を両立させるための、オーディオ専用無線アクセスポイントです。不要な機能をそぎ落としたことでシンプルかつ安定した動作を実現しました。さらにはSFPポートを備えています。OPT APは、DATA ISO BOXとともに、ネットワークの“音の静寂”と、“自在な操作性”を両立する、唯一の答えです。ネットワークオーディオの次なるステージをぜひご体感ください。
入出力 | SFPポート/LAN(RJ45)ポート |
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通信規格 | Auto-negotiation、SFPポート2.5/1Gbps、LAN(RJ45)1000/100/10Mbps |
対応周波数帯域 | 2.4GHz / 5GHz(デュアルバンド) |
Wi-Fi規格 | IEEE 802.11a / b / g / n / ac / ax(Wi-Fi 6) |
暗号化方式 | WPA-PSK/WPA2-PSK/WPA3-SAE対応 |
最大通信速度(理論値) | 2.4GHz帯:最大574Mbps、5GHz帯:最大2402Mbps |
チャンネル幅 | 最大160MHz対応(5GHz) |
MIMO構成 | 2×2 MU-MIMO(送信×受信) |
入力電源 | 12V/1.5A, 2.1mm/5.5mmセンタープラス(ACアダプター付属) |
サイズ | 192mm x 192mm x 38mm (幅x奥行きx高さ) |
重量 | 502g |
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