暗くて、濁っていて、揺れている。
僕達は、ラインナップ全てのペダルを輝かせてやりたい。
汚れを落として、丁寧に磨いて、再びオイルに塗れる。
これが唯一の方法。
ほかにわかることは?
コイツには並外れた潜在能力がまだ隠されてたってこと。
既に前のバージョンをプレイしたことがあるなら、最高。
まだBlack Fountainを体験したこと無いなら、もっともっと最高。
センチメンタルな反復作用は、かつて無いほど磨き上げられてる。
さあ、老犬がまだ健在だってことを見せつけてやろうじゃないか。
金属製の缶にオイルを満たし、電気を流してオイルの揺れを波形の揺らぎとして記録する。「オイル缶ディレイ」はテープエコーが生まれるずっと前の、最初期のディレイユニットとして知られています。
Black Fountain Stereoは今では忘れ去られたその唯一無二のトーンからインスパイアされた、ユニークなディレイペダル。くぐもっていて、歪んでいて、荒くて、どこか心地よい。貴方にはきっとこれが必要だった。今の瞬間まで、貴方はそれに気づいていなかったのです。
そのリピートは現代では考えられないほど薄暗く、滲み、淀み、不安定に揺れている。センチメンタルな反復作用、風景を描くようにフィードバックを展開させるようなプレイには、手放せない相棒となるはず。揺蕩うような粘り気のあるモジュレーションに虜になってしまわないよう、防水スーツの着用が推奨されます。
Old Blood Noise Endeavorsの処女作でもあるBlack Fountainは、時代を経る毎にアップデートされてきました。そして最新バージョンのStereoでは、ついにかつて無い領域へ到達。オイル缶ディレイの再現が初めての製品だなんて、いかにOBNEがヘンテコなメーカーなのかよくわかるでしょう?
目玉はディレイタイム設定の拡張。2段階のタイムを設定可能で、モノラル時はマルチタップ(並列または直列)、ステレオ時はL/Rで個別にセッティングできます。サブディビジョンによるタイム同期も可能なため、あらゆるリピートの可能性を探ることが出来ます。
旧モデルではモードを切り替えて創出されていたサウンドが、Stereoでは全て個別に設定が可能に。モジュレーション速度、深度、薄暗さ、歪み、ザラつき。これら全てのパラメーターを独立して、思うがままに足し引きすることで、感傷的なバイブスを持ったフィードバックが完成します。制御レンジも拡張され、よりスタンダードなディレイにもアクセスできるようになりましたが、魔法が起きるのは滲んで揺蕩う白昼夢のようなリピート。ディレイと汚れた残響のちょうど中間のようなエモーショナルなサウンドは、現代のアンサンブルでこそ特別な輝きを放ちます。
Black Fountainとは特定のオイル缶ディレイユニットを精巧を再現するものではなく、そのユニット自体を取り巻くアトモスフィア全てを内包した、OBNE流のロマンティックな表現なのです。
Stereoではその名の通りステレオ入出力に対応!Spaceノブでステレオイメージでの拡散やディレイタップの滲み加減を制御することで、非常に濃厚で特徴的な空間演出が可能です。Auxスイッチでの瞬間的なフィードバック増大で、浮遊し淡く溶解していくサウンドオンサウンドを演出してもグッド。
幅広い制御レンジを持つ全てのパラメータやオプションは、EXPやMIDIで外部から制御が可能。また待望のプリセット機能は、お気に入りのセッティングを記憶して瞬時にリコールできます。
オイル缶ディレイからインスパイアされたトーンを、限界までエクステンドした結晶がBlack Fountain Stereoなのです。
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