NINA(ニナ)は世界初の完全モーター駆動式アナログ・シンセサイザーです。「プログラムをロードすると、保存されたパラメータの値へノブが自動的に動く。」シンセサイザー・プレイヤーが何十年も夢見てきたこの機能がついに実現しました。プリセットやレイヤーを瞬時に呼び出したり、サウンドがどのように作られたかを正確に確認したり、最後に作業していたところから作業を再開することができます。さらに NINA に搭載されたモーター駆動式コントローラーは、プレイヤーに「ノブやスイッチの感触」をフィードバックします。「一般的なノブ」「センタークリック付きのノブ」「ロータリー・スイッチ」「クリック感のあるエンコーダー」まで、1つのコントローラーであらゆる操作感を再現します。
NINA の革新性はコントローラーだけに留まりません。アナログ・シンセサイザーとしては驚異的な12ボイスを誇り、2アナログ・オシレーターに加えデジタル・ウェーブテーブル・オシレーター、トランジスタ・ラダー・フィルターを搭載し、クラシックなアナログ・シンセサイザーを現代的に再設計しました。直感的にアサインできる強力なモジュレーション・マトリクスはバス数無制限で、16ソース、27デスティネーションすべての組み合わせを同時に使用することができます。マルチティンバー機能を使用すると、NINA を最大4台分のアナログ・シンセサイザーとして使用したり、レイヤー、スプリットで複数の音色を組み合わせて演奏可能。パッチ・モーフィングは、あるサウンドから別のサウンドへと複雑に変化するサウンドを実現。ステレオ4クアドラント VCA によるステレオ・インフィニット(無限)・パンニングは、単純なL/Rではなく、リスナーの周りを回り続ける無限パンニングを可能にしました。
革新的なインターフェースと、強力なシンセサイズ機能による新次元のサウンド。NINA はシンセサイザーの在り方の一つの究極形と呼ぶことができる一台です。
NINAは世界初のモーター駆動式コントローラーを採用したアナログ・シンセサイザーです。
従来のシンセサイザーのコントローラー(ノブ)にはアナログ・ボリュームやロータリーエンコーダーが使われてきましたが、NINAにはそれに代わる特許のモーター駆動式コントローラーが搭載されています。これはブラシレス・ドローン・モーターと独自に開発した高精度な非接触型の光学センサーで構成されています。この2つを組み合わせることで革新的なコントローラーが完成しました。
これまでのアナログ・ボリュームやロータリーエンコーダーの操作性や感触を持ちながら、ユーザーに全く新しい快適な操作環境を約束します。その驚くべき革新性で、最初に述べるべきことは、32個のコントローラーが同時に自動的に回転し、過去に設定した位置に戻るという「リコール」が可能になったことです。これにより過去に作ったパッチのすべてのノブの位置が再現され、音作りが効率的に行えるようになりました。
革新性はそれだけに留まりません。このコントローラーには複数の「動作モード」があり、スムーズか16クリック(ディテント)付きの360度回転のエンコーダー、300度回転(一般的なボリュームの回転範囲)のボリューム、中央位置にクリックが付いたボリューム、さらに多接点のロータリースイッチなど様々なタイプのコントローラーに瞬時に変化します。そのためNINAの動作モードに従って32個のノブが、その割り当てられたパラメータに適したタイプに変化し非常に快適な操作環境をユーザーに提供します。
最後は「高い精度と耐久性」です。光学センサーの解像度は驚異的で、15,000の分解能を誇ります。また、その耐久性は従来のアナログ・ボリュームの500倍にあたる5000万回転を超えた長寿命設計で、長期間に渡りガリ(ノイズ)の心配が無い安定した動作を実現しました。
2アナログ・オシレーターとウェーブテーブル・オシレーター
クラシックな4ポール・トランジスタ・ラダー・フィルターオシレーターはボイスごとに2基のアナログ・オシレーターと、1基のデジタル・ウェーブテーブル・オシレーター、合計3基のオシレーターを搭載しています。アナログ・オシレーターの波形は三角波からノコギリ波へ、矩形波から PWM へモーフィング可能な可変波形オシレーターで、サブオクターブとハードシンク機能付き。ウェーブテーブル・オシレーターは 96kHz 24bit の高解像度。クラシックなシンセサイザーの構成を踏襲している NINA ですが、ウェーブテーブル・オシレーターを搭載することにより、非常に幅広いサウンド・バリエーションを実現しています。
フィルターはクラシックな4ポール・トランジスタ・ラダー・フィルターを搭載。クラシックなアナログ・モノシンセで有名な、温かみのあるパワフルなサウンドを奏でます。オーバードライブで歪みを加えて過激なサウンドに変貌させることも可能です。
NINA の VCA は Melbourne Instruments が特別に設計した「ステレオ4クアドラント VCA」を搭載しています。この特別な設計の VCA により、位相をコントロールすることでステレオ・フィールド上のサウンドに「無限パンニング」効果を与えます。この効果はモジュレーション・マトリクスでパンをモジュレーションするか、SPIN ノブを回すことでも利用することができます。
3種類のデジタル・エフェクトを搭載
アナログ・サウンドをバイパス可能NINA のデジタル・エフェクトはコーラス、ディレイ、リバーブの3種類を搭載しており、それぞれを任意の順番でシリアル/パラレルに配置できます。96kHz 24ビットの高解像度で処理され、サウンドに彩りを加えます。パラレル・モードにするとエフェクト処理されたサウンドと生のアナログ・サウンドは並列に処理されるので、エフェクトをオフにすると生のアナログ・サウンドのみを出力することもできます。
音作りの重要な要素として、現代のシンセサイザーの多くに搭載されているモジュレーション・マトリクス。例えば LFO でフィルターのカットオフをモジュレーションしたり、アフタータッチでオシレーターのブレンドをコントロールするなど、音作りや演奏の可能性を飛躍的に向上させる重要な機能です。
NINA のモジュレーション・マトリクスは16種類のソースと27種類のデスティネーションが用意されています。他の多くのシンセサイザーはモジュレーション・バスの数に制限がありますが、NINA のモジュレーション・バスはなんと無制限。つまり、16種類のソースそれぞれで、27種類すべてのデスティネーションを同時にアサインすることが可能です。音作りの可能性はまさに無限と言えます。
モジュレーション・バスのアサイン方法は NINA ならではのかんたん操作。パネル左側の MOD ボタンを押してモジュレーション・アサイン・モードに入り、パネル下側の16個のボタンを押してモジュレーション・ソースを選択します。するとパネル上のすべてのアサイン先のパラメータ(デスティネーション)のノブが自動的に回転して、その位置で現在のモジュレーション・アマウントを表示します。あとは任意のノブを回してそのアマウントを好みの値に調節するだけです。
NINA のプリセットにはAとB、2種類のパッチ(サウンド)が保存されており、A/B ボタンを押すだけでパッチを切り替えながら演奏することができます。パッチAを選択すると MORPH コントロールは反時計方向へ回しきった位置へ、パッチBを選択すると時計方向へ回しきった位置へ自動的に動きます。そして MORPH ノブを回すと、すべてのパラメータはパッチAとBの間の値で変化します。例えばソフトなリード・サウンドと鋭いリード・サウンド、ストリングス・サウンドと複雑なテクスチャのパッド・サウンド、ベースからサウンドからメタリックなベル・サウンドまで、2種類のパッチの間を滑らかに変化させることができます。
モーフィングはパネル上に表示されているパラメータだけではなく、モジュレーション・マトリクスにも有効です。複雑なモジュレーションを設定したパッチ同士であれば、モーフィングにより予想外のサウンドが生まれる可能性もあります。
もちろんモーフィング中はモーター駆動式コントローラーによりパラメータの変化を視覚的に確認することができます。
マルチティンバー機能で4台分のアナログ・シンセとして使用
レイヤー、スプリットによる幅広い演奏NINA は12ボイスのボイス数とマルチティンバー機能を活用して、最大4台分のアナログシンセとして使用することができます。例えばベース・サウンドに1ボイス、リード・サウンドに1ボイス、パッド・サウンドに8ボイス、アルペジオ・サウンドに2ボイスを割り当てて、異なるサウンドを同時に4種類演奏することができます。
レイヤーを使用して異なるサウンドを重ねて演奏したり、スプリットを使用してキーボードの音域ごとに異なるサウンドを演奏することもできます。
NINA は世界で最先端の電子楽器コントロール技術である「MPE(MIDI Polyphonic Expression)」に対応しています。外部の MPE コントローラーを接続することで、ノートごとに X(左右)、Y(前後)、Z(圧力) の3軸を同時にコントロールし、アコースティック楽器に迫るような繊細な演奏を可能にします。
※MPE を利用した演奏には、外部の MPE 対応コントローラーが必要です。
CV 入力に対応
モジュラー・シンセサイザー等から NINA をコントロールNINA はモジュラー・シンセサイザー等で使用されている CV (コントロール・ボルテージ)信号の入力に対応しています。2系統の CV 入力をモジュレーション・マトリクスにアサインすることで、モジュラー・シンセサイザーや CV 出力が可能なシーケンサー等の外部デバイスから NINA のパラメータをコントロールすることが可能です。
オシレーター | ・ボイスごとにに3オシレーター : アナログ VCO x 2、デジタル・ウェーブテーブル x 1 ・三角波からノコギリ波へモーフィング、矩形波から PWM へモーフィング可能なオシレーター1と2 ・オシレーター1の矩形波はサブオクターブ・モードを使用可能 ・オシレーター1からオシレーター2をハード・シンク可能 ・最大8オクターブのファイン&コースチューン・コントロール ・96kHz 24bit のウェーブテーブル・オシレーター解像度 ・ユーザーロード可能なウェーブテーブル ・ファズ&ノイズ・ソースを選択可能 - ピンク、ホワイト、オシレーター1と2の XOR(ファズ) ・LFO は波形を選択可能、スルーゼロ・モジュレーション可能、レートとレベル・コントロール |
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VCF | ・クラシックな4ポール・トランジスタ・ラダー VCF ・モジュレーション可能なレゾナンス、モジュレーション・マトリクスのデスティネーションとして使用可能 ・過激なサウンドのオーバードライブ・モードと、スムーズなローノイズ・モード ・エンベロープからカットオフへのモジュレーション・アマウント専用コントロール |
VCA | ・伝統的な ADSR エンベロープで超高速スロープが可能 ・Melbourne Instruments が設計した4(スルー・ゼロ)VCA ・ステレオ : ボイスごとに 2VCA ・インフィニット・パンニング |
ユニゾンと同時発音数 | ・ユニゾンまたはポリフォニックで最大12ボイスまで演奏可能 ・モノ・トリガーとレガート・モード ・選択可能なポリフォニック・パンニング方式 |
モジュレーション | ・豊富なモジュレーション・マトリクス : 16種類のソースから27種類のデスティネーションへ簡単にアサイン可能 バス数無制限 ・モーフィング可能なモジュレーション設定 ・モジュレーション・モードを素早く編集可能 16個のボタンでソースを選択しコントロール・パネルのノブを回してアマウントを設定するだけで完了 ・すべてのモジュレーション・アマウントはスルーゼロ(バイポーラ) |
パッチ・モーフィング | ・パッチ間をモーフィングして新しい音色を作成 ・モジュレーション・マトリクスを含むパッチ全体をモーフィング可能 |
ADSR エンベロープ・ジェネレーター | ・2つの ADSR エンベロープをモジュレーション・ソースとして使用可能 ・ベロシティや他のモジュレーション・ソースを使用して、アタック、ディケイ、サスティン、リリース、レベルをモジュレーション |
マルチティンバー・レイヤー | ・MIDI チャンネルとノート範囲で最大4レイヤー、4音色をコントロール可能 ・ボイス数はレイヤーごとに割り当て可能 ・オプションでレイヤー間のノート範囲をリンクさせ、キーボードのスプリットやレイヤーを素早く設定することが可能 |
エフェクト | ・直列または並列で3つのエフェクトを同時に使用可能、最大3つのエフェクト・スロットと独立したレベル・コントロールを搭載 ・オープンソース・アーキテクチャで構築されたアップグレード可能な VST3 エフェクト・アルゴリズム ・96kHz 24ビットの解像度 ・パラレルまたはシリアル・ミックス・モード : パラレル・モードはアナログ・サウンドをバイパス |
シーケンサー | ・最大16ステップのポリフォニック・シーケンサー ・ノートを調整可能 ・ホールド・モード ・シーケンサーの信号をアルペジエーターへ送信 ・外部ソースからのテンポ同期 |
コンピューター | ・Elk Audio OS が動作するパワフルな Raspberry Pi 4 上に構築された、ハック可能なオープンソースソフトウェア |
接続 | オーディオ出力: ・4つのアサイン可能なラインレベル出力 ・エフェクト付きステレオメイン出力 ・Aux出力(3 & 4) ・ヘッドフォン出力 オーディオ入力: ・TRS バランスラインまたは CV 入力 x 3 ・TRS/XLR コンボ入力 x1 ラインと CV に加えマイクを接続可能 ・CV 入力は最大+/-10V アナログ・ゲインおよびオフセットを調節可能 |
外形寸法 | 幅 : 446mm 奥行き : 230mm 高さ : 71mm |
重量 | 5.5Kg |
スタッフコメント