本製品は有名なNEVE1272モジュールを使ったマイクプリアンプをオリジナルとの互換性を持つアンプカードとオリジナルにはない拡張機能で構成した画期的な商品です。NEVEで最も有名なのは1073モジュールですが、1272は特定のゲイン値までは1073と同じ回路(BA283アンプカード)で駆動しています。1272と1073のプリアンプ部の違いは1073は主に普段使わないような高ゲイン値において二段目のアンプ回路を使用するという部分であり、通常のレコーディングにおいては滅多にそのような高ゲインでは使用されません。MORG-72は一般的な1272モジュールがゲイン値-25からスタートするところを-15からスタートしています。これにより大音量楽器の収録においてもPADが不要になりました。(もしライン接続で使われる場合はXLR接続の市販のPADを接続してください)
2-1-0(真ん中)の順に経年変化が進み、ピークが抑えられます。大きな信号の入力時に変化がわかりやすく、ディエッサーのような効果があります。この音色変化がビンテージ個体が愛される理由の一つです。(切り替え時にはノイズが出ます。出力を絞るか、レコーダーの入力やスピーカーをミュートして切り替えてください。)
これら各種の機能をフロントパネルから瞬時に操作し、1272の個体差のバリエーションを再現、サウンドキャラクターを思いのままにコントロールすることができます。ピーキーな楽器や金物、シャウトなどを受け止めるためにAGEを0にしたり、アコースティックギターの超高域をVBフィルターで抑えてボーカルと分離させたり、ビンテージ感のいらない極めてモダンなサウンドが必要な場合はAGE2にして対応できます。設計はMORG-81同様にオリジナルと互換するアンプカードから作成していますので本家ビンテージ品同様のメンテナンス性を誇ります。MORG-72はもはや伝説と言えるビンテージNEVEが愛される理由を経年変化とサウンドの変化から解析し、サウンドメイクに取り込んだ世界でも画期的な機構を持った製品です。
スタッフコメント