検索

eStoreトップ»ケーブル各種»Saidera Ai SD-9003

Saidera Ai SD-9003

Saidera Ai SD-9003ケーブルは、サイデラ・マスタリングの現場の経験とノウハウをすべて投入して開発されました。その特徴とは、ずばり「色づけのないサウンド」です。

10年も前から「Saidera Ai SD-9001」ケーブル(NYCスターリングサウンドのグレッグ・カルビも使用)を開発、使用してきましたが、現在、その材料が入手不可能になってしまったのと、立ち上げケーブルなどにもどんどん使用できる価格帯でのデザインが求められてきました。

このたび、非常に少量生産(1本づつ職人による手作りです)ですが、ROCK ON PROで取り扱っていただくこととなりました。ぜひ一度お試しください。

そもそも、なぜケーブルが必要なのか考えてみてください。自分の好きな機材AとBを接続する。離れている機材をつなぐには、どうしてもケーブルが必要なのです。AとBの特徴を最大限に生かしたい場合、その間をつなぐケーブルにより音は少しでも変形してほしくないものです。音が変化しないことを目指してデザインされた「Saidera Ai SD-9003」は、ケーブルの音がしないケーブルです。 2010.10.21 オノ セイゲン

ユーザーレビュー

まずモニター回線で試聴したのですが、これまでの悩みだった低域の膨らみが改善されました。立ち上がりが早くてDSD音源との相性もよく、いまではリファレンスとなっています。モニターは最重要ポイントで、ここが自分で理解していないと何をやっても無駄ですから。あとはクライアントにも分かりやすいモニター環境を目指しています。「Saidera Ai SD-9003」はモニター回線の他、トータルのインサートにも使用しています。okuda supa(studio MSR)

上原キコウ氏に師事した後、prime sound studio form を経て現在は studio MSR を拠点として活動。クラブミュージック、ヒップホップのトラック・メイカーから絶大な信頼を受けると同時に、土岐麻子、 マイア・バルー、渋谷慶一郎、中島ノブユキといった様々なアーティスト作品も手がけている。

おすすめされて、ムジークRL906用に購入。あまりの良さにNS10M STUDIO用にも買ってしまいました。フラットな特性のケーブルはいっぱいありますけど、ある意味地味に聞こえてしまう物がある中、フラットな特性ながら、スピード感があり地味に聞こえないこのケーブルは、私みたいな作編曲家には、曲を作っている時のワクワク感や楽しさも大切な為、とても助かってます。次はぜひ録りのマイクケーブルにも使ってみたいです。春川 仁志(Compose / Arrange / Sound Produce www.sparky.co.jp/haru/

EXILE、青山テルマ、BoA、Sowelu、童子 T、古内東子、Smapなど、多岐にわたり作品を手掛ける。そのサウンドの幅広さはもとより、歌を大切にした美しいメロディーラインや絶妙なコーラスワークは多大な支持を受けている。更に、Sound ProduceにおけるVocal Productionは、多くのアーティストから絶大な信頼を得る。
また、DJ SOMAとのコラボレートによる "Grow Sound" "EbS" Produceにおいては、Houseを中心とした、数々のオリジナルトラックやリミックス作品を手掛ける。

Saidera Ai SD-9003開発ストーリー by オノ セイゲン

ケーブルはどのような場面で必要なのか

少し掘り下げて考えてみましょう。

まず、音楽とは本来ライブなのです。その場に居た人が共有し、その場で消えていってしまうもの。で、なぜ録音をするのか?録音の目的とは、タイムマシンのように「時空を超える体験」を提供することにつきます。あとの時代(時間)からでも再現できる。録音(レコード/CDなど)が残っていたから、後から聴くことができる。できれば、まるでその場に居るかと勘違いするかのようなリアルな再現を目指すのが、録音が目的のひとつです。

録音とは、空気の振動をそのまま記録することです。と言っても、空気の振動をマイク(トランスデューサー)で電気信号に変換して、その電気信号をアナログまたはデジタルで記録して、再生時には逆に電気信号をスピーカー(トランスデューサー)などを介して空気振動に変換してやる。もっともマイクとスピーカーという物理的なトランスデューサーは、まだまだ曖昧な部分があって理想値には達していない(それがトランスデューサーの特徴、色づけだったりもする)のですが。トランスデューサー、ヘッドアンプ、レコーダー(ADC/DAC)、モニターなどの正しい選択と組み合わせは、リアルな録音/再現に非常に重要です。そこで、その機材AとBを「そのまま」接続するのに、音を変形させないケーブルが必要なのです。

録音で重要なこと

大前提として、録音で重要なことは、1:「そこ」でいい音がでていること、2:マイクの位置が正しいかを確認すること。違いが判る人にとっては、これは何ものに変えがたい重要なことで、たまたま「そこ」に居合わせた人は、証人として「そこ」を体験できています。

例えば「そこ」は、70年代のニューヨークなのか、2010年の東京なのか?個人の社会背景や経験に基づくものなのでその違いはよく判らないという人が多いのも事実です。

「そこ」を「そのまま再現」できる録音、わずかな音の違いも判る人にとって、いい録音とは、時空を超えることができるタイムマシンとなるのです。1969年のNYC、1939年の上海、2010年の東京。実際には行ったこともない都市、時代背景にまで、すっと連れていってくれるのが、いい録音とも言えます。「いい録音」の概念は、個人差は経験値、社会背景により異なります。

「そのまま再現」するのには、音を変形させないケーブルが必要なのです。信号に記録されない情報も多いので、写真なりメタデータとしてマニュアルとして記録しておくことも忘れないようにしましょう。空間情報であるマイクの位置情報なども「そのまま再現」するのにはケーブル以上に重要です。

プロサウンド(2010年8月号)で坂本龍一さんにロングインタビューさせていただきました。その一部をご紹介します。

オノ:「インとアウトがまったくイコールになれば理想的ですよね。視覚も聴覚も、間に、まったくなくなれば理想的です。トランスペアレンツ。色づけなく、そのままね。」

坂本:「理想的には、マイクの音も、アンプの音も、スピーカーの音もしないで、ただそこでピアノが鳴ってる音が、ただ大きくなればいい。で、実はぼくの録音の考えもそうなんですよ。」

オノ:「レコーダーの音がしない録音。ただライヴをタイムシフトした、時空を超えた体験。」

インとアウトがまったくイコールになることを目指したのが「Saidera Ai SD-9003」ケーブルです。

正確なモニター環境を

音楽録音(あるいはPA)の現場ではミキシング・コンソール、プロツールスのアウト「そのまま」が、録音/再生されることが理想です。ミキシングの前に自分の聞きなれたリファレンスCDを再生し、その部屋のモニターの特徴を確認しておくことはとても重要です。

普段聞きなれている環境と比べて、その部屋の特徴は「硬い音」や「柔らかい音」ではないか?低音が正確に聴こえているか?飛び出している帯域がないか?など。仮に「柔らかい音」の部屋でミックスするとします。もし、その特徴(=そのモニター環境は「柔らかい」)を知らなければ、自分の耳で(柔らかすぎないように)バランス良く聴こえるよう音作りをしますね。

サウンドを補正していくうち、無意識のうちにも「硬い音」作りをしていることになります。その部屋でバランス良く聴こえていても、結果としてレコーダーに記録されているマスターの音は「硬い音」が記録されているのです。そのミックスを「色づけがない」モニターシステムでプレイバックするとどう聴こえるでしょう?録音されている音は「硬かった」ということが分かります。

正確なモニター環境をつくることは一番に重要で、それはイコール、細部にわたって瞬時に判断ができる、自分のリファレンスとなります。モニターの精度があがるとクオリティーの高い作品に仕上げられます。部屋も道具の一部なのですが、ケーブルもその特徴を、知っているのと知らないのとでは、仕上がりに大きな差がでます。

色づけのない「Saidera Ai SD-9003」ケーブル

「Saidera Ai SD-9003」ケーブルを、どのような場面で使用するか、おおよそ理解いただけたかと思います。優先順位から言うと、

  1. モニター・ライン。レコーディング、マスタリング、パワードスピーカーのインプット用に。
  2. マスターレコーダーのインプット用に。コンソールアウトからレコーダーへの回線。
  3. お気に入りのマイクからヘッドアンプへの回線。
  4. DJミキサーへのインプット。とくにUREI1620のようにこだわりの道具からのアウトプット。
  5. そのほか、機材AとBを「そのまま」接続したい場面。
ケーブルの選択で積極的な音作り

サイデラ・マスタリングでは、有名メーカーのケーブルも音作りのために積極的に使用しています。チーフ・エンジニアの森崎雅人のコメント(あくまで個人的な印象)を借りれば、その特徴と用途は以下のようになります:

  • 【BELDEN 1192A】は低域がファットになる。
  • 【CANARE L-2T2S】は元気だけど高域が少し明るくなる。
  • 【MOGAMI 2549】はフラットだけど少しおとなしい。
  • 【TRANSPARENT Music Link Super】ボリューム感のある低音が特徴。キレのある高域、柔らかく暖かみのあるサウンド。SD-9003に比べかなり低域が出ます。使いこなしが難しいケーブルですが、音源がPCMで中低域をふくよかにしたい時に使います。R&B、HIP HOPに使うことが多い。
  • 【Wire World SILVER ECLIPSE】明るくヴォーカルが前に出てくるサウンド。このケーブルはレンジが広く透明感がある。ヴォーカルもの、J-POPなどに。
  • 【ACROTECH 6N/8N】ガッツのある低域。このケーブルを使うとざらついた倍音がプラスされるのでエッジ感を出したい時に使用。ROCK系に使うことが多い。サウンドに輪郭を付けたい時にも。

いかがでしょう?参考になりますか?これらと比較して、「Saidera Ai SD-9003」ケーブルは、レンジが広く、立ち上がりが速い、とも言えますが、設計で目指したのでは、あくまで「色づけのないサウンド」であり、音作りをするケーブルではありません。

Neutrikの銀メッキ端子を採用

「Saidera Ai SD-9003 PRO」(XLR端子)にNeutrikの銀メッキ端子を採用しました。金メッキ端子は4kHz~8kHz辺りにピークを感じるためです。

パワードスピーカーの入力ケーブルに使うだけでモニター環境を改善することが可能です。特に低域の解像度、低域の暴れの改善には最適です。ハンダは日本アルミット(http://www.almit.co.jp)KR-19を使用しています。

ノウハウの一部公開ですが、ハンダは温度管理など熟練の腕が必須です。自分で試していくうちに、温度や扱い方により音に違いがあることが判るようになると、楽しくて人生のかなりの時間をとられますので注意してください。

RCA端子は、Switchcraft3502AAUを採用

「Saidera Ai SD-9003 DJ」ではUREI 1620などのヴィンテージ・クラブ・ミキサー でも使用出来るようSwitchcraft3502AAU (RCA端子)を採用しました。

Switch Craft 3502AAUはホームオーディオ用より、むしろプロの現場、クラブのDJブース周り、レコーディングスタジオでとても信頼の高いコネクターです。コンパクトな作りながら信号伝送においてノイズの入りにくい構造、真鍮の強靭なシェルは音質的にとても優れています。

プロ用のコネクターとして重要なことは本番中に「簡単にはずれない信頼」。そのためSwitch Craft社のプラグは、一般的なRCAコネクターより噛み合わせが硬くなっています。力任せに押し込むと端子側を破損する恐れがあります。注意しながら接続して下さい。

オノ セイゲン 氏について

録音エンジニア

82年の「坂本龍一/戦場のメリークリスマス」にはじまり、渡辺貞夫、マンハッタン・トランスファー、マイルス・デイビスなど多数のアーティストのプロジェクトに参加。

96年サイデラ・マスタリング開設。2000年よりSACDの制作、DSD録音、最新のアプリケーションの開発なども手がける。サイデラ・パラディソ代表。

www.saidera.co.jp/