KU4

スーパーカーディオイド・リボンマイク
KU4は、リボンマイク特有の柔らかい滑らかなサウンドを持ちながら、独自の個性を持っています。他のリボンと同様、低圧ながら超軽量であり、20kHz以上にまで及ぶ精密な周波数応答性を持ち、そして大型のリボンマイクによく見られる中高音域のレゾナンスが生じません。双指向性ではなく狭指向性（スーパーカーディオイド）を採用したことが他のリボンマイクとの違いを生み出します。KU4背面の抑え込められた造りは、ルーム・アンビエンスを拾いにくくし、双指向性のリアが拾ってしまう様な不必要な集音を低減します。またKU4の、低音が目立ってしまうような近接効果を低減させる機能は、より近い位置でのマイキングを可能とし、その低めに調律されたリボンからは低音の歪みが一切生じません。これらの特性により、KU4は現代のスタジオにぴったりの1台となります。そして現在、KU4だけが、市場に出ている唯一のスーパーカーディオイド・リボンマイクロフォンなのです。

RCA KU3Aのレガシー
KU4は、RCA KU3Aの言わば改良版です。KU3A、またの名を「10001（RCA製造番号にちなんだ名称）」は、ハリウッドスタジオのために製作された単一指向性マイクロフォンであり、RCAのラインで最も高価なもので、生産されたのは僅か600台でした。KU3Aは44の滑らかなリボンサウンドを単一指向の性能と結合させ、広いスイートスポットを持ち、低音の近接効果を低減させました。エンジニアのマイク配置の可能性を広げ、世界中の撮影スタジオの新たな基準を確立しました。現代ではKU3Aはプレミア化され、所有するスタジオも一握りとなりました。Kevin Augunas（ケヴィン・オーガナス）（Sound City Studios）— グラミー賞受賞プロデューサーエンジニア—- などの、数少ない保存状態が良好なヴィンテージKU3A所有者は、マイクの管理に細心の注意を払っていることでしょう。しかし、オリジナルのKU3Aは、当時のプロダクション基準の公差によって音質的な一貫性に欠いていました。AEAはこの伝説のリボンマイクを再現するため、至る所の設計にこだわり、さらに一貫性に特化した精密なマイク、KU4を開発しました。AEAは、このリボンマイクを現代のユーザーに改めて提供できることを光栄と思っています。


なぜRCAの単一指向性リボンマイクが60年以上プロスタジオで愛用されてきたのか、KU4を手に取れば理解して頂けるでしょう。AEAはKU4の歴史に携われたことを誇りに思い、またあなたがKU4の音を体感し、そのレガシーを共に築いていけることを心より願っています。

KU4は他のAEAマイクとは違い、中型のリボンを採用しています。他機種に採用されているAEAのLarge Ribbon Technology™デザインからは、低音反応が高いこと、最大SPL処理レベルの高さなどの利点が得られますが、KU4には、独自の短くて薄いリボンが採用されています。そのリボンの特徴は、ボーカルやアコスティック・弦楽器を通したときの特有の中高音域のプレセンスに現れます。短めのリボン構造の効果で、KU4はRCA 44よりRCA 77に似た機種となります。RCA77と比較すると、KU4のリボンはほんの少し長く、固定された極性パターンを持ち、より自然な単一指向の音がします。Beyer M160など他の単一指向リボンマイクと比べるとKU4のリボンは50%長く、より良い低音反応と高いSPL処理性能を持っています。
仕様
操作原理：圧力傾度マイクロフォン
指向性： スーパーカーディオイド
周波数域: 30 Hz - 20 kHz
最大SPL: 140 + dB SPL above 200Hz for 1% third harmonic
出力感度: 2.5 mV/Pa (at 1 kHz into unloaded circuit)
出力インピーダンス: 300 Ω nominal
推奨ロードインピーダンス: 1.5 kΩ 以上
極性: 2番ホット
コネクター: XLR3-pin オス 1.5mケーブル付属(2Hot)

オフアクシス・レスポンス
指向性： スーパーカーディオイド
180°の相対出力 (dB) : -12
最大拒絶の角度 : 135°
トランスデューサーエレメント
リボン厚：1.8μ(0.0000018 m)純正アルミ製
リボン幅: 2.1 mm
リボン長: 28.6 mm
寸法：長さ32.4cm 奥行き9.5cm 幅11.7cm
重さ：2.15g(ケーブル含）3.2kg(ケース含む）