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グルーヴのキモ、低域の解像度の向上を主眼に”プロが使うヘッドホン”をコンセプトに佐藤純之介氏がチューニングを担当:SONY MDR-M1ST用 イヤーパッド。

製品概要


プロほど良さが理解できる。音色を保ちつつ、リファレンスヘッドホンとしての解像感の向上に加え装着ストレス軽減で無理なく長時間の使用が出来るようになるイヤーパッド。
グルーヴのキモ、低域の解像度の向上を主眼に”プロが使うヘッドホン”をコンセプトに佐藤純之介氏がチューニングを担当。1日6時間〜8時間という長時間の作業環境でも耳への負担を減らすため、顔に触れる部分には肌触りの良いアルカンターラと圧迫しないクッション性が際立つプロテインレザーとのハイブリッド仕様のイヤーパッド。

◼︎対応機種
SONY MDR-M1ST



レビュー/監修 佐藤純之介(株式会社Precious tone)
YMOとTM NETWORKに憧れ90年代後期よりテレビや演劇の音楽制作の仕事を始める。2001年に上京、レコーディング・エンジニアとしてJ-POPの制作に参加。2006年、株式会社ランティスに入社。ディレクター兼A&Rとして多数のアーティストの発掘、デビューまでを手がけ、最盛期には年間400曲以上の楽曲を制作。2018年4月、株式会社バンダイナムコアーツ音楽事業統括部チーフ・プロデューサーに就任。2019年9月末同社を独立の為退社。2020年1月株式会社Precious toneを設立。アニメの音楽を中心に音楽プロデュースを行っている。

◼︎YAXIイヤーパッドとの出会い
私が初めてYAXIイヤーパッドを知ったのはSONY MDR-CD900ST用でした。御存知の通り、MDR-CD900STはレコーディングスタジオでの使用を目的としたヘッドホンですので、爆音鳴り響くコントロールルームやギターアンプがドライブしている部屋の中でも歪むことなく目的の音をモニター出来る耐久性に優れ非常に優秀なヘッドホンではありますが、その優秀さ故に10年以上現場で使用されているケースが多く、イヤーパッドがぺちゃんこになってしまい、結果、ボーカルレコーディング等でのモニターの音が漏れてマイクに乗ってしまう等の弊害がありました。

日頃からその事象をなんとか解決できないかと他のヘッドホンやキューボックスに工夫をしたりと苦戦していた所、イベント会場にてYAXIのイヤーパッドを発見し即購入、レコーディングに使用した所、オリジナルイヤーパッドの状態にくらべ音の漏れが飛躍的に解消され、結果マイクプリアンプのゲインを1メモリ分多く上げることが出来き録音音質の向上につなげることが出来ました。また、ミックスモニター用としても装着時の圧迫感が減り長時間の使用が可能になった事、バランスも上下のレンジ感が広がった様に聴こえ繊細な違いを聴き分けられるようになり、その日のうちに当時勤めていたレコード会社のスタジオに常備されているCD900STの台数分購入、すべてYAXIイヤーパッドに交換いたしました。

◼︎MDR-M1ST用イヤーパッドに求められる事とは?
すっかりYAXIファンになってしまった私に、ありがたいことにCD900STの後継モデルであるMDR-M1STイヤーパッドのチューニング、監修のお話をいただきました。1ユーザーとしてMDR-M1ST用の待ちわびていた最中でしたのでこのオファーにとても驚きましたが、良い機会だと思い快諾させていただきました。非常に長い時間を掛けてじっくり検証をさせていただきました。お付き合いいただきましたYAXIのスタッフに改めて感謝いたします。

◼︎「プロが使うリファレンス用ヘッドホン」をコンセプトにリクエスト
30年前に作られて未だ現役のCD900STに対し、最前線の現場の意見をフィードバックして作られた最新のMDR-M1ST、改めて聴き比べてみると同じスタジオ用というカテゴリではありますが、全く個性や向いている用途が違う事に気づきました。2020年夏、この原稿を書いている最中でもレコーディングスタジオでのミュージシャンやシンガーはCD900STを使用している状況に大きな変化はありません。使い慣れている事、高い耐久性、入れ替えコスト等も要因があるかと思いますが、「沢山のオケの中から自分自身が出している音を見分ける」というモニター用途においてCD900STに変わるスタンダードが生まれておらず、その座はまだしばらく続きそうな状況です。
 
一方で、DTMや自宅ミックス作業においてCD900STを駆使してきたエンジニアやクリエーターがMDR-M1STに乗り換えているケースが非常に多く、この2つのヘッドホンが後継機、代替機というポジションではなく、スタジオ用モニターヘッドホン/音の仕上がりを確認するリファレンスヘッドホンとして明確に棲み分けされている事を改めて認識したので、今回のイヤーパッドのチューニングにおいては「プロが使うリファレンス用ヘッドホン」をコンセプトにリクエストを出させていただきました。

◼︎より快適に作業するためのチューニング
私の「良い音」の定義の一つとしてグルーヴを感じられるか?というのを大事にしています。グラフ等で観測しやすい周波数特性が素晴らしい=良い音ではなく(もちろん要素の一つですが)ダイナミックレンジをどう感じられるか?というのを大事にしています。暴論かもしれませんが周波数特性が優れてなくとも良いグルーヴが感じられたら一般の人は良い音、良い音楽だと認識していると考えています。なので、YAXIにはグルーヴのキモでもある低域の解像度の向上を主眼としたプロトタイプを作成していただきました。多数のイヤーパッドを開発しているだけあり、プロトタイプの段階で正直このままでも良いのではないか?と思うくらいのクオリティだったので、余計に欲が湧いていくつかのサンプルを作ってもらい、低域解像度の向上と耳からの距離間等を調整いただき、商品版にするバランスを確定いたしました。

次にリクエストしたのが、装着感です。一般ユーザーとプロユーザーの最大の違いはなにか?と考えたときに、真っ先に思いつくのが装着時間です。様々なモニター環境を駆使しながら作曲編曲やミックス、マスタリングの作業を行うので、好きな曲を好きなだけ聴く一般ユーザーに対し、プロは納得が出来るまで音を聴き続けるので、圧倒的に装着時間が違います。1日6時間〜8時間つけっぱなしというシチュエーションもある状況で少しでも耳の負担を減らしたいと相談した所、ご提案頂いたのが、顔に触れる部分を別素材にする事でした。野村ケンジさん監修のAKG K712用イヤーパッドを参考にアルカンターラ、プロテインレザーのハイブリッド仕様のサンプルを作っていただいた所、圧迫しないクッション感と肌触りの良さ、素材がツートンになっている部分もガジェットとして素晴らしく、さすが日本で一番沢山のヘッドホンを聴く野村さんのアイデアです。こちらをベースにネット部分の仕様等を確認しつつ、現在のバランスになりました。

◼︎プロほど良さが理解できる。
完成形のサンプルを装着したMDR-M1STを使って、非常に長時間の作業を実際に行いました。イヤーパッドのみの変更ではありますが、純正イヤーパッドに比べ、遜色無い音色を保ちつ、リファレンスヘッドホンとしての解像感の向上に加え装着ストレス軽減のおかげで無理なく長時間の使用出来るようになりました。些細な変化かもしれませんが、MDR-M1ST+YAXIイヤーパッドを、長時間、長期間、揺るがないリファレンス機として使用するプロの方々の助力になれば幸いです。