NOVACHORD

『NOVACHORD』。それは、世界で初めて市販されたシンセサイザー。1938年ハモンド・オルガン社によって開発された市販シンセサイザーの第一号機は、時の米国大統領フランクリン・D・ルーズベルト氏に誕生日プレゼントとして贈呈されました。NOVACHORDの回路素子には163個もの真空管が使われ、72の鍵盤全てがポリフォニックに発音可能という驚異的なスペックを実現。総重量は500ポンド（＝約227kg）にも達していますが、まさに「楽器」と呼ぶに相応しいポテンシャルを秘めたシンセサイザーだったのです。ピアノでもオルガンでもないNOVACHORDは、その奇妙で超常的な音色から、映画やテレビのサウンドトラック制作に欠かせない楽器になっていきました。NOVACHORD が使用された映画／テレビ番組の一例として、「風と共に去りぬ」、「マルタの鷹」、「レベッカ」、「フランケンシュタインの館」、「アウターリミッツ」、「トワイライトゾーン」などが挙げられます。現存するNOVACHORD は200 台以下と推定され、動作可能な個体は更に少ないことが予想されます。
本製品は、米国の電子回路技術者／モジュラーシンセ設計者であるPhil Cirocco（フィル・シロッコ）氏が、現代的に修復したNOVACHORD実機からサウンドを収録。50 通りのセッティング状態で、72 鍵全てについて、モノラル出力をApogee 製AD コンバータで直接レコーディングしています。ここで得られたサウンドから、NOVACHORDの'音色'を再現するのみならず、その'操作性'までをも忠実に再現。NOVACHORD実機さながらに、6つのフィルターセット（オシレータに相当するもの）の音量バランスを設定して音作りを行うことが可能となっています。さらにsoniccoutureチームは実機の忠実な再現に飽き足らず、現在（そして未来の）音楽家に使ってもらえるよう幾つもの機能を追加した独自の音色パッチも作成してしまいました。
真空管によって生み出される懐かしくも新鮮な揺らぎのある音色。旧き良き時代と未来を繋ぐ機能／操作性。本製品は、一見相反する要素を精巧にまとめあげた、唯一無二のシンセサイザー音源です！